中日新聞の「くらしの作文」に「秋の夜長に」というタイトルで、68歳の女性が投稿されていました。
夫と過ごす時間が増え、秋の夜長に思い出話をしています。
思い出すのは2人の息子の幼い頃のこと。
映画のワンシーンのように、鮮やかな光景が蘇ることもあります。
三十数年前、次男が生まれてすぐに、夫が海外での1年間の研修に旅立ちました。
研修を終えて帰国した夫を家族で迎えに行ったときのことです。
新幹線のホームで、列車から降りた夫に向かって、ヨチヨチ歩きの次男が一目散に駆け出したのです。
そして、すっと夫に抱かれました。
生まれてすぐに離ればなれになったのに、知らない人に会うと泣いてしまう人見知りの時期だったのに。
どうして「父親」だとわかったのか、今でも不思議でなりません。
春まじかの駅のホーム、夫に向かって懸命に走っていく次男の小さな姿、両手を広げて次男を待つ夫の笑顔。
私の心に焼きついて、今も消えることのない映像です。
私と夫の記憶は、ちぐはぐなことも多いですが、ともに心揺さぶられた出来事は、色あせることなく、心の中に大切に仕舞われているようです。
これからも古いアルバムをめくりながら、忘れられない一瞬をたくさん集めてみたいと思っています。
秋の夜長の夫婦2人の共同作業です。
以上です。
投稿者さんご夫妻は、仲がいいですね。
私たち夫婦は、古いアルバムをめくりながら思い出話を話し合うなんてしないです。
たまに、昔の子供たちや孫たちの話をすることもあります。
例えば運動会の季節がやってくると、息子や孫たちはどうだったという話になる事もあります。
でも、あまり昔の話をしないようにしています。
例えば昔の話をしているとかみさんが私が株で損をして、かみさんのお金を使い込んだ事を思い出したりするからです。
油断して、昔の件を思い出させる事をしないように気をつけています。
サイレント・イヴ /辛島美登里