鶴ヶ城を出て、駅に続く道を歩く。会津若松には結構古い建物も多く、それらを観て回るのも面白い。
まずは会津の酒「宮泉」の蔵元でもある会津酒造博物館へ。ちょうど仕込みの最中で、ほのかなアルコールの香りが広がってくる。大きな貯蔵タンクにはまだ2杯分の原酒しか出来上がっていないとのことだが、来年の秋の新酒発売が待たれる。
会津で酒といえば「小原庄助」さん。実在した人物なのか定かではないところがあるが、世の酒飲みの象徴として伝説化された人物である。それにちなんだ展示コーナーがあり、杯や人形、石風呂などというものが飾られている。それとともに、酒を飲む時のグラスの持ち方、仕草、酔った時の行動でわかる性格分析などもあり、「確かに当てはまるところがあるな」とうなるものである。見学後はこの手の博物館につきものの試飲・・・・。
昔ながらの外観を保つ会津若松市役所前を抜け、七日町方面を歩く。大正時代から町の中心として栄えた一帯で、野口英世にもゆかりのあるところである。
ここでさまざまな蔵やら、石造りの商店の建物を見物する。こういう建物を歩いて見て回るのも面白い。会津若松といえば鶴ヶ城に白虎隊というのが有名であるが、こうした建物群が並ぶ町並みももう少しアピールしてもよいのではないかと思う。西若松駅から鶴ヶ城を経て会津若松駅まで5キロほどの散策コース。
会津若松駅前のスーパー銭湯「富士の湯」で汗を落とした後、磐越西線で郡山に向かうべく駅に向かう。すると何やら大勢の人だかり。ホームにはカメラを構えた「その筋」の人たちの姿も見える。
そこにやってきたのが、SLばんえつ物語号の客車を牽引するC57。今年のばんえつ物語号の運転は終了したはずだが、「クリスマス号」として新潟から会津若松まで臨時運転しているとのことである。ヘッドマークも「クリスマス仕様」。
この駅というのは、SLの存在がよく似合う。そんな中、郡山行きの快速「あいづライナー」の車両が到着。こちらは会津の赤べこのイラストをまとった485系。こちらも今となっては貴重な存在となりつつある車両である。会津の看板列車が合い並び立つ光景に多くのシャッターが向けられる。子どもたちにも大人気だ。
その「あいづライナー」に乗り、郡山に向かう。指定席に乗車したがなかなかの盛況である。おそらく、SL乗車との組み合わせで乗る客が多いのだろう。車内で「会津う米う米弁当」での昼食。おにぎりにはそれぞれ会津各地の米を使い分けるとともに、おかずも会津の食材を使った「地産地消」弁当である。これがなかなかいける。