まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

夙川の桜と西宮の酒で春の酔い

2010年04月04日 | まち歩き

この週末は関西でも桜がちょうど見ごろ。テレビでも桜の中継があちこちに出ていたりして美しい桜と賑やかな人出の様子が伝えられた。いよいよ、春の訪れである。

昨日は土曜日ながら仕事で出社しており桜は通勤のクルマの中でちらっと見ただけであったが、日曜日の今日はどこかに出かけることにしよう。

Dscn8367・・・ということで阪急塚口から電車に揺られて向かったのは夙川。昨年もここを訪れており、夙川の流れと桜のコラボが気に入ったところである。日本の桜の名所100選にも選ばれているだけあって、駅のポスターではまだ「五分咲き」とあったが、大勢の見物客で賑わっている。川べりをウォーキングする人、ブルーシートを敷いて花見の場所取りをする人、あるいはおそらく昨夜から通しで宴会を続けてきたとおぼしき集団(散らかった飲食物の入れ物と、何だかぐったりした様子で寝袋にくるまっている姿が・・・)。

Dscn8375まずは阪急の線路下をくぐって、上流のほうへ。天気もよく、ちょうど朝の光がいい感じで花びらを照らし出している。

Dscn8378Dscn8368この景色もよろしいもんですな。

再び阪急の線路下をくぐり、今度は少しずつ夙川を下りJRの線路際へ。まあ、下るといっても500mない距離であるが。

Dscn8389ただこの一角、先ほどとは空気が一変している。そう、「桜と夙川と列車」の構図での1枚を収めようという、「その筋」の人たちの姿が目立つ。特に国道2号線が夙川を渡る歩道には大勢の三脚が並ぶ。この光景には道行く人たちには結構滑稽に映っていたようで、「あの人達何?」「何が来るの?」「ああ、電車ね」「ああいう人たちを"何とかちゃん"っていうんやなかったっけ」・・・・こんな会話も聞こえる。

彼らがもっともお目当てにしているのは、おそらくディーゼル特急の「はまかぜ」である。実は私は昨年は偶然にこのショットを収めたのだが、現在の国鉄型車両の「はまかぜ」としては、桜の時期に走るのは今年が最後である。これを狙ってのことである。

私も大体の時間を読んで、それに合わせてこの場所に陣取った(といっても、こんな素人のデジカメ持参で)のだが、少し目を離したすきにスピードを上げてガタガタと鉄橋を渡って行った・・・。あちゃ~。

Dscn8396まあ、「大物」は取り逃がしたが、せっかくなのでこの鉄橋を軸に、いくつか桜の入った写真に挑戦してみる。三脚を立てる人の中からは「JRは色がケバいからイマイチ色が映えないんだよな・・・」という声も聞こえてくるが、阪急、阪神ともちょうど夙川の上に駅があり、フェンスその他が障壁になっているため、どうしてもJRがターゲットになる。

Dscn8398Rscn8414Dscn8417結局は、こんな感じ。

Dscn8421この後は阪神の香枦園駅まで歩く。このあたりは大阪と神戸を結ぶ阪急、JR、阪神の3路線が接近しているところで、北の阪急から南の阪神まででも1キロあまり。少し歩くだけで3つの路線に出会うということで、関西の鉄道の華のところともいえるだろう。

Dscn8443さて桜見物はこのあたりにして、阪神香枦園からさらに南に下ってさらに歩いたところにある、「白鹿記念酒造博物館」を訪れる。西宮は灘と並んで阪神間の酒どころ。マンホールの蓋によれば、西宮市のシンボルとして、桜、酒蔵、そして甲子園球場とある。まあアンチ阪神にとってみれば甲子園球場は別にどうでもいいのだが、桜と酒蔵の雰囲気を味わうということで、ウォーキングらしくなってきた。

Dscn8424まずは昔の酒造りの様子を紹介した「酒蔵館」へ。元々はレンガ造りの建物だったそうだが、阪神大震災により倒壊、その後「明治の酒蔵」をコンセプトに木造の酒蔵風建物が建ったという。酒造の工程を映像やパネルなどで紹介する中、実際の酒造の道具に触れることもできる。

Dscn8434また、震災で倒壊した建物から出てきた、壊れた酒造道具も展示されており、震災の記憶を伝えるコーナーもある。ただ現在もこうして酒造の伝統と文化は伝えられており、震災というものを乗り越える人々の強さというものにも改めて感心するところ。

Dscn8433今日は夙川公園を中心に「桜まつり」があり、それに合わせての訪問記念ということで、「白鹿」の吟醸の1合瓶をいただく。夙川公園まで戻ってクイッと花見酒・・・というのも一瞬頭に浮かぶが、さすがに戻るのはいいかな。

続いては道路を挟んだ向かいにある記念館へ。酒と桜に関する展示品を紹介しているということで、戦前から戦後にかけて桜の保護・育成に力を尽くした故・笹部新太郎氏の足跡や収集物を中心とした紹介。改めて、日本人と桜のつながりというものを感じさせてくれるところである。

・・・とはいうものの、花より団子、ではなく花より男子、でもなく花より酒かな、ということで、白鹿クラシックスへ。レストランのほうは待ち客も多かったので、結局はショップのほうへ。ここで白鹿の寒しばりや原酒などを試飲し、いい心持となって酒瓶を購入。

Dscn8440これでよしと思い、阪神西宮駅のほうに向かって歩くと、次に出会ったのは「白鷹緑水亭」。白鹿の次は白鷹である。ここで「蔵BAR」というのを見つける。超辛口、うすにごり、味吟醸の三種の「利き酒セット」なるものを注文し、カウンターで一献。三者三様の美味さがあるがいずれもさらっとしており、「日本酒といえばベタベタして」というのとは全くかけ離れたいい味である。先ほどまで桜の中を歩いてきた後のこととて、桜と酒とで心地よい酔いの気分となる。

Dscn8365穏やかな天候にも恵まれた、春の一日であった・・・・。

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