そういえば、現在の民主党政権になってからというもの、外交面で何か実績をあげたという話をとんと聞かない。
そんな中で、ロシアのメドベージェフ首相(今度はプーチンと交代で首相になったんやね。桂園時代じゃあるまいし)が国後島を訪問。あちこちの開発状況を視察したうえで、「北方領土はロシアの領土」と、実効支配を強調したという。
それに対して政府が何か抗議したのかと言われればそういう様子もないし、国内ニュースでもさほど大きく取り上げられた様子はない。
考えれば無理もない話なのかもしれない。太平洋戦争の終結から65年以上経過し、確かに領土返還の動きが盛んだった時期もあったが、ここまで来れば「別に北方領土がなくたって、国民の生活には影響がない」と本音のところでは思っている人も結構いるのではないだろうか。いずれにしても中央からは遠いところの出来事のようにも思われる。
関係するとすれば北洋漁業のことだろうが、ロシアの実効支配の水域に入ると急に漁獲高が増えるというのも不思議な話である。これは、日本の漁業があまりにも無茶をして自国の海域から漁業資源を絶やしてしまったからではないかと思う。そうすれば自業自得の話だが・・・・。
尖閣諸島、竹島、そして北方領土。なぜ、日本の周りにはこれだけの領土問題が存在するのだろうか。まだ外国のように領有権をめぐって戦火を交えないだけマシというものだろうか。もっとも、この中で一番話のわかりやすそうなのがロシアというのも皮肉なものであるが。
現在の政党において、領土問題にもっとも関心を示し、それが党のアイデンティティともいえるのが「たちあがれ日本」といえる。まあ現時点では消費税をどうするか、社会保障・年金をどうするか、その一方での財政問題はどうするかというのが国家としての優先度が高く、外交というのがおざなりにされているように思うが、これはこれで考えなければならない問題である。日米同盟の強化もいいのだが、「環日本海、環オホーツク海」の視点での外交というのも、もっと考えなければならないだろう・・・・。