ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

33人

2010年10月13日 | 世界とわたし
今朝からもまた、CNNのニュースで救出作業の中継を観ている。

テレビの画面に、33人の炭坑夫達の顔写真がずらりと並んだパネルが映し出されている。

それを観た途端、あの日の朝が甦った。

32人の、息子の拓人と同じ大学の、同じ学部の学生と教授が殺された、4月半ばだというのにとても寒々しい、そこに洪水で電気もお湯も寸断されてしまった、心配と心労で胸が押しつぶされそうになったあの朝。

犯人も自殺して、33の命が一瞬にしてこの世から消えてしまったあの日のことを報じる画面にも、全く同じサイズの、同じデザインの顔写真が並んでいた。

人間ってほんとに……その後の言葉が浮かばないまま、朝食の目玉焼きをお箸の先っぽでグジュグジュいらっているうちに、食欲がどんどん失せていってしまった。

これからあの33人の人達にも、これまでにあったことなかったことを好き勝手に語られる運命が待っている。
それでも彼らは、命を永らえて、残りの人生を生き続けることができる。
地中で育まれた友情が、マスコミや野次馬の毒気に汚されずに、地上でもいい形で続きますように。
コメント (14)
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