ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

蚊と人間のオカン対決!

2011年08月18日 | ひとりごと
毎晩、必ず数匹、蚊が家の中に入ってくる。
玄関や勝手口のドアの開け閉めの時に、めちゃ気をつけてるし、網戸に穴も空いてない。
オンボロ窓用エアコンの、両端の蛇腹が作る隙間も、病的なぐらいに徹底的に埋めてある。
けども、入ってくる。どっからか入ってくる。
ほんで、部屋の中を気持ち良さそうに飛んでるふりして、いつの間にやら近づいてくる。

狙われるのはほとんどわたし。
どうも蚊のオカンに好かれる匂いを放出してるらしい。
しかも、今は出血大サービス中。いつもよりも増して、すり寄ってくる。
そやし、庭に出て野菜を収穫したり、水やりする時は、それ相当の覚悟をして出る。
けど、家の中に入る前から、あっちゃこっちゃ十カ所以上におっきな丸い膨らみができて、痒うて痒うて……めちゃムカつく。

なもんで、部屋の中でいったん見つけると、気になって気になってしゃあない。
皮膚全体に蚊取りセンサーが発動する。
そういう時は、めちゃちっこい虫がピッとたかっても、うりゃ~!となる。
けど、なんぼうりゃ~となっても、蚊と違たら殺さへん。
無駄な殺生はあきません。
『不殺生戒』とまでは無理でも、とりあえず不殺生がモットー。

うっとうしいから、おとり作戦開始。
もちろん『おとり』はこのべっぴんさん。
自らを生け贄にする作戦に、自画自讃でうっとりしつつも、むき出しの太ももの、まさに文字通りの太いももに凹む。
あ、来た!来た来た!来たぁ~!
灯りが自分のすぐ近くのランプだけやから、敵の動きがちょっと見えにくい。
よし、たかるまで待つんやで。
たかったからいうて、すぐに叩きにいったらあかんのやで。
そう思いつつも、オカン蚊の針状の口が皮膚に近づいてるのを見るとつい……パチン!あ!逃げられた!
いったんヤバい目に遭うたオカン蚊は、途端に飛び方をえげつなく複雑にする。
しかも、なんでわかるのか、わたしの目の届かんようなとこに、着地もめちゃくちゃソフトモードに変えてたかり出す。

むっきぃ~!

たった一匹のオカン蚊のために、15分も使てしもた……。

彼女はこんな顔してました。もちろん借り物の写真。わたしゃこんな色白やおまへんしね。



おまけ写真。
うちの居候。ゲジチュー親子。夏のじめじめっとした晩に、よう出てきはります。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

愚直とさえいえる節電努力ができる、そんな人々が暮らす国

2011年08月18日 | 日本とわたし
東京新聞・2011年8月13日の社説。
『電力会社 節電努力に応え情報を』

逼迫(ひっぱく)する電力需給が、お盆休み前のピークを乗り越えた。
東京電力には、東北電力に融通する余裕さえある。
国民の節電努力にすがる一方で、情報公開に二の足を踏む、電力業界の不誠実が際立つ。

「最大使用電力が五千万キロワットを超える日は少ないと見ている」

東京電力福島第一原発の事故から3カ月。
実はその段階で、東電内部では夏場の電力不足は十分に乗り切れると、楽観的な見通しを立てていた。

それは東北電への200万キロワットの電力融通でも、はっきり裏づけられた。
東日本大震災で、女川原発などが稼働停止に追い込まれた東北電は、新潟、福島県で豪雨にも見舞われ、29の水力発電所が損傷し綱渡りの供給が続いている。

被災した東北三県への送電が途絶えぬよう融通し合うのは当然であり、西日本でも、四国電力が関西電力に手を差し伸べている。
しかし、東電は計画停電まで実施し、盛んに電力不足のキャンペーンを繰り広げてきた。
それなのに電力は余っているではないか。多くの人々はそんな疑念を抱くだろう。

東電の現在の最大供給能力は、約5500万キロワット。
6000万キロワット以上の能力を備えていた昨夏を下回っているのに、なぜ余力があるのか。
工場や商店、家庭などの愚直とさえいえる節電努力によるものだ。

東電管内の電力需要は、大震災を境に、前年に比べ1000万キロワット近くも減った。
中国電力1社分、原発7~8基に相当する、とてつもない規模の節電効果であり、それが東北電の窮状も救っている。


にもかかわらず、情報公開には消極的で、東北電が水力発電所の事故を公表したのは一週間後。
東電も電力不足は乗り切れると判断しながら、原発事故でも見られた隠蔽(いんぺい)体質をなお引きずっている。

昨夏、東電が6000万キロワットのピークを記録した際、原発の割合は20%未満にとどまった。
広く公表していない統計を表に出せば、太陽光などの自然エネルギーでも原発を肩代わりできると受け取られ、脱原発の世論を勢いづける。
そんな計算が働いているのだろう。

既に政府は、ポスト福島のエネルギー政策の見直しに入った。
原油や天然ガス、原子力の発電コスト、どこまで自然エネルギーを増やせるかなどのデータは、
国民にとっても、将来の日本のエネルギーを考えるうえで欠かせない情報だ。

節電で不自由を強いながら、情報公開に腰を引いていては、電力業界の信頼はさらに低下する。


毎日ニュースを読む。ツィッターなどでも調べる。こちら側から見た論説なども読む。
肝心なことは遅々として進まず、隠蔽や誤摩化しや嘘や、わざとらしい遅滞がごろごろと転がっていて、
そのために、日一日と、体内に汚染を拡げているであろう子ども達をはじめとする大勢の人達のことを思うと、本当に胸が重苦しくなる。

そんな中で、わたしはこの記事を読んで、胸が熱くなって涙ぐんだ。

愚直とさえいえる節電努力。
 
この言葉を読んだ途端、日本に住む、大切な人達の顔が思い浮かんだ。
ある人は台所に立ち、まな板の上でコンコンと何か野菜を切り刻んでいる。
またある人は、サッシの戸に立て掛けたすだれの歪みを直している。
またある人は、ジリジリと突き刺す太陽の光の下で、洗濯物をパンパンと叩いては干している。
みな、一様に、額に汗の玉を浮かべ、少し湿らせた温泉タオルを首にかけている。

ギリギリまで我慢して、やっとつけたエアコンも設定温度が高い。
扇風機やすだれや、冷えピタのような小物を駆使して、熱中症にかからないよう一所懸命に工夫する。
夜は、薄いジェルを挟んだジェル入りシーツを敷き、その上に寝て、ああ涼しい!と満足する。

こういう細かなところに及ぶ、ひとりひとりの工夫や小さな努力が存在する国ってすごいと思う。
誰に強制されているわけでもない、法律で決まったわけでもない、罰則があるわけでもない、
ただ、そうした方がいいのではないか、という気持ちが、その行動を生み出している。

それが、中国電力1社分、原発7~8基に相当する、とてつもない規模の節電効果となり、今の日本の一日の無事を支えている。

だからわたしは、やっぱり大丈夫だと思える。
新しい、再生エネルギーとの共生は、日本人だからこそ、よそのどこの国よりも、絶対にうまくいくと思える。

国や会社が嘘をつかず、きちんと事情を説明し、どういうふうに皆で取り組んでいけばいいのか、それを明らかにさえしたら、日本はヒョイヒョイと足取りも軽く前に歩き始めるはず。

国も会社も、日本人のすごさを甘く見過ぎている。
自分達の作った、虚構の狭い世界の中で狡賢く生きることに没頭し過ぎて、忘れてしまったのかもしれない。
もし、もう思い出す気がないのなら、そんな者はそこに取り残しておけばいいのだ。

・日本はこんなに危機状態なのだから、国家危機宣言を世界に向けて発し、
・日本再生党、みたいな名前の(まあ、名前なんてなんでもいい)新しい党を設立し、まともな頭と心を持った議員が集まり、避難を徹底的に実行する。
・原発に好き放題使っていた金の流れを精査し、常識的な使い方に修正した上で、余った莫大な額の金を新しいエネルギー開発のために使う。
・児玉氏や小出氏を代表とする、これまたまともな頭と心を持った学者に先頭に立ってもらい、除染のシステムを徹底的に構築し、実行する。
・人間、食物、水の汚染を、きちんと測る器機を取り寄せ、あるいは開発し、それを全国に普及させる。

もう、誰かが動き出すのを待ったり、誰かに◯◯をしてもらいたいと願っているだけの時ではない。
わたしもそう思う。
そう思って、個々に、自分の元の暮らしなどを犠牲にしてまで、しなければならないと自分が思うことを実行している人達がいる。
本当にすごいと思う。心の底から。
そのすごさとしんどさは、わたしなどにはわかるはずがない。
そんな人がひとり、またひとりと、町のある所に、村のある所にポツポツと現れて、それが増え出したら、
いつかきっと、その思いが大きくなって、少しは影響力のある人の心を動かすのかもしれない。

なめんなよ!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする