ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

最大の犯罪者、東電と国が事故を小さく見せようとしている 

2011年08月02日 | 日本とわたし
2011年7月20日(水)、MBS(毎日放送)ラジオの『たね蒔きジャーナル』での、小出裕章氏(京大原子炉実験所助教)の話から抜粋しました。



前半の部分は、録音をお聞きくださるか、上記の紫色の部分をクリックしてくだされば、全内容が書かれたページに移ります。

前略……

近藤:今の日本の状態っていうのは世界的に考えても、我々人類初のケースですよね。

小出:そうです。まさに初めて直面している大変な、まあ大惨事です。

近藤:それをね、ステップ1だの2だの、軽々しく言うなっちゅう気がするんですけれども……。

小出:はい。近藤さんのおっしゃるとおりです。私もそう思います。

水野:でもですね、私なんかはステップ1の目的が達成できたと言われますとね、細かいところがわからないので達成できた、という文字だけが自分の心に残るんですね。
そういう方は多いのではないかと思うんですよ。

小出:そうですね。

水野:達成という文字に、ものすごくこだわっているのではないだろうかと……。

小出:はい。

水野:そこへ安定なんちゅう言葉がつくと、ほんとうに皆、故郷に帰って来れるんだという印象すらありますよね。

小出:そうですよね。
でもみなさんもちゃんと考えていただきたいと思うけれども、東京電力と今の日本の政府というのは、今回の事故を起こした最大の責任者だし、最大の犯罪者なんですね。
その2人が、なんとか事故を小さく見せたいとして、今安定化であるとかロードマップを達成したとか言ってるわけですけれども、
私から見ればちゃんちゃらおかしいし、そんなものを信用してはいけないと思います。

近藤:先生、見通しなんですがね、どうなんでしょう。
その石棺にしろなんにしろ、廃炉ということの実現性っちゅうのはもう日本では無理ですか?

小出:ええと、できる、できる、というかやらなければいけないわけですし、それを米国に頼んだりフランスに頼んだりしたとしてもやるべき事は同じですので、大した力にならないと私は思います。

水野:この、誰がじゃあ、その策を考えていくのかっていうことについていいますと、原子炉の解体は原子力委員会のもとで、専門家が具体的な方法を検討すると、いうんですけれども。
原子力委員会というのはあの斑目さんの……まだお辞めにならない、あの原子力委員会のもとで進めるということに対して、小出先生……、

小出:今のままの原子力村の体制は全く駄目ですから、抜本的に改革しなければいけないと思います。

水野:まず原子力村を解体することが必要なんですね。

小出:はい。そうです。

近藤:先生、その体制とかその村とかっていうレベルじゃなしに、技術として不可能じゃないんですか?

小出:はい。要するに人類初まって以来のことに直面しているわけで、本当にどういうやり方がいいのかよくわからないのですね。
もちろん、米国とかフランスとかイギリスとかロシアでもいいですけども、そういうところの専門家の知識を借りるということも大切なことだと思います。
ただ、どこの国もやったことがないことですので、これだという決定的な方策というのは多分出ないと思います。
一つ一つやらなければいけないし。今やるべきことは例えば決まっているのですね。

水野:はい。

小出:めり込んでいる炉心を地下水と接触することを絶たないといけないわけですから。
私が前から聞いていただいているように、地下にバリアーを張る、地下ダムという言葉を使われるかたもいますけど、それをやらなければいけないし。
で、一方で、環境の汚染を防ぐために溜まっている汚染水を、なんとか漏れないところに移さなければいけないという、
そういうとにかくあの緊急にやらなければいけないことを一つ一つ積み上げていくという、その先にしか多分方策はみえてこないと思います。

水野:今おっしゃいました、地下ダムという、その地下水に触れないように汚染水を遮断する壁を作るという話はですね、もうすぐにやる話なのかと私思ってたんです。
小出先生が前からおっしゃってましたよね?

小出:はい。

水野:ところが、これどうやら、工程表の中ではステップ3でやるらしいですね。

小出:そうですね。

水野:今から検討に着手するんですね?

小出:そうですね

水野:考えるってことですよね?

小出:そうです。あまりにも遅すぎます。

近藤:その間、地下に汚染水が流れてるんでしょ?

小出:そうです。

近藤:そのことをなんにも言わんですね。

小出:そうです。

近藤:ううーん…‥それはやっぱり言わないわなあ……。

小出:でも私、この番組でもタンカーという案を、本当に初期の頃に出したんですけれども。
ええ、それもなんか検討しているという話は何度か聞かさせていただいたけれども、結局それすら動かないのですね。
さっきのラジオネームのかた、日本の国が何とかという……、

水野:変な国だよ日本さん。

小出:本当に変な国だと私は思います。

近藤:そうすると今のステップ1が……終わるっていうことは、総理大臣も言ってますけどね。

小出:はい。

近藤:それは要するに、窒素を入れていった、あるいは大気中に放射性物質が出にくくなってる、っていうようなことで言ってるわけですか?

小出:のようですね。あんまり本質的じゃないことだけをなんか手柄話のように取り上げて言ってるように私には聞こえます。

近藤:……なるほど……。

水野:まずは冷やしても冷やしても、そこに冷やす対象の核燃料がそこにないかもしれないという、ここの大前提を認めないと、工程表全部を変えるということにはならないでしょうね?

小出:そうだと思います。

水野:はい、ありがとうございました。京都大学原子炉実験所小出裕章先生にうかがいました。

=====

管理人より
タイトルにつけ方が難しかったのですが、先日の「吉田照美 ソコダイジナトコ」でも、小出氏と上杉隆氏が言及していた、国と東電が事故を小さく見せようとしていることついて、今回のタイトルとさせていただきました。

また番組内で、原子力委員会が廃炉をすることについて言及しましたが、内容に誤りがありました。
原子力委員会の委員長は近藤駿介氏です。
ちなみに斑目氏は原子力安全委員会の委員長です。


これには驚いた。今頃驚いているわたしもわたしやけど、いったいほんまにどないなってるのか……。
確か、この地下ダムがどうのこうのと騒いでたんは、株主総会のずっと前やったんちゃう?
株主を動揺させるような、1000億もの金がかかる工事の話はしとうないから、とかなんとか言うてたような気がする……。
で、それが終わったら、きちっと計画進めまっさかいって、そういう話もチラッと聞いて、最悪やな全くと、その時ですら思とったのに……。
で、なによこれ?
この工程表って、もうメルトダウンなんかスルーなんか知らんけど、誰も目で確かめることもできひんねんから、知らんのはわたしだけやのうて、ぶっちゃけた話、世界中の誰ひとり知らんのやけど、
その、どないなってるかも知りようのない、どないもこないも仕様のないもんに対する計画表ってこと?

狼狽えたまんまでもうすぐ5ヶ月や。その間に作業で命削ってるのは現場で働いてる人達や。
政治家はバスやら御用車やヘリコプターの中からサーッと、ドライブインに寄った観光客みたいに見学して終わり。
しょうもない、役にも立たん、屁みたいな表作ってる場合かっ!

あんたらの脳みそも、すっかり流出してしもたみたいやから、代わりに考えたったわ、お詫び文を。

『ほんま、実際にもう、どないなってるのか全くわけわかりません。
そやし、とにかく想像だけでやってますんで、計画もなんも立てられたもんやおまへんねん。
申し訳ないのやけど、あっちゃこっちゃの人に助けてもらいながら、とにかくちょっとでも早う収束できるよう頑張ります、としか言えませんねん。
けど、スリーマイルでもチェルノブイリでも起こらんかった、前代未聞の酷さやもんで、頑張ってもあかんかもしれませんねん。
こんな永遠に収束できんかもしれん事故が起こってしもて、建ててしもたんは我々とはちゃいますけど、受け継いだ政治家として、企業として、学者として、全力を尽くして頑張りますんで、見守ってください。すんません』
コメント
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