ガンダーセン博士 8月21日 がれき焼却で汚染拡大
Arnie Gundersen Fairewinds Associates Chief Engineer
こんにちは フェアウィンズのアーニー・ガンダーセンです。
今日は、2つのことを話したいと思います。
前回の投稿以降の出来事についてです。
ロシア・トゥデイや、いくつかのブログで言われている情報への私の意見を申し上げます。
まず、福島原発で亀裂があり、地面から煙や蒸気が出ている可能性についてです。
ここで言われている、福島で起こっている事象は、
原子炉の炉心が溶けて、格納容器をスルーし、地下水に達している、というものです。
私は、ロシア・トゥデイに出演し、コメントするよう頼まれましたが、しかし、断りました。
なぜなら、そのことを証明、または、反証するに足りる充分な確固たる技術的データが無いからです。
それは多分、起こっているかもしれません。
しかし、そのことに結論を下すための充分なデータが、まだ無いと感じました。
しかし興味深いのは、蒸気が噴出しているというセンセーショナルな話題のおかげで、
それによって立証され得る、もっと重大な問題が、実際かげに隠れています。
その重大な問題の1つは、先週の、カリフォルニアからの報告でした。
ある科学者のグループが、放射性硫黄35を、大気中から検出したのです。
去る3月にも、それは起こりました。
それは、福島の事故発生から、約2週間後のことでした。
カリフォルニアで、放射性硫黄が検出された、ということが、マスコミで話題になりました。
しかしその報告は、もっと重要な意味を含んでいたのです。
それはニュースにはなりませんでしたけど……。
つまり、その放射性硫黄が、いったいどうやって生成されたのか?、という点です。
それでは、太平洋を渡り、話を福島に戻しましょう。
わかったことは、塩水が中性子線にぶつかった時、放射性硫黄を生み出す、ということです。
塩水のナトリウムの核に、一つの中性子がぶつかり、それが別の原子、硫黄となるのです。
それが、硫黄生成のメカニズムです。
カリフォルニアで検出された量の硫黄ができるには、1平方メートル中に、4000億個の中性子が必要なのです。
それはもう、膨大な量の中性子です。
しかし、それらがどこから来たのか、誰も尋ねませんでした。
先週の、カリフォルニアからの硫黄の報告は、4月3日に、私が皆さんに申し上げたことを立証するものだ、と思います。
原子炉が完全には停止していない、ということを示す充分な証拠が、その時にもあったのです。
思い出してください。
津波が襲った時、原子炉はすでに、約1時間ほど停止中だったはずです。
制御棒は、燃料の間へ入り込み、全ての核連鎖反応を止めていたはずです。
しかしその後も、核連鎖反応がずっと起きていたのでは、とわたしには思えるのです。
今回のカリフォルニアからの新しいデータが、4月にお伝えした私の推測を立証しているように私には思えます。
つまり、原子炉が停止した後も、再臨界がずっと続いていたのです。
次に重要なことも、同じく約2週間前に起こりました。
NRC(アメリカ合衆国原子力規制委員会)のミーティングがありました。
そこで、NRCのスタッフから、委員会のメンバーに、福島で起こったことの報告がありました。
そのリンクは、このビデオの横に示しています。
原稿の最初の60ページには、NRCのスタッフがメンバーに報告した内容があり、
それによると、福島の使用済み燃料プールは、ほとんど損傷を受けていなかった、というのです。
さて、私に、ある人から、質問のメールが届きました。
とても重要な質問です。
ここで今読み上げます。
この人は、ニュー・イングランド連盟の、レイ・シェイディスという人です。
彼はこう言いました。
" I was surprised to hear you all say that the fuel in the spent fuel pools was not damaged.
Press reports indicate that fuel particles up to a centimeter of more in size had been found a mile or more from the spent fuel pools and that's my first question.
Can you address the disparity here? "
- Mr. Shadis
「あなた方が、『使用済み燃料プールは損傷していない』と言ったのを聞いて驚きました。
マスコミによれば、1センチそこそこの燃料の粒子が、使用済み燃料プールから1マイル以上離れた場所で見つかっている、というではないですか。
それが私の疑問点なのです。
2つの見解の違いを、どう説明されるんですか?」
つまり、シェイディスさんが言いたいのは、もし燃料プールが壊れてなかったとしたら、プルトニウムが1マイルも2マイルも先で見つかっているのは、いったいどう説明がつくのか、ということです。
原子力規制委員会の返答は問題のあるものでした。例え控え目に言ったとしても……。
彼らの答はこうでした。
61ページにありますが、グローブ氏は、
" Most of the deposition that has been reported to date appears to have come from the reactors "
- Mr. Grobe
「これまで報告されている原発から飛散した堆積物のほとんどは、原子炉の中から出たもののようである」と答えたのです。
そして2ベージ後の63ページには、ハラハン氏がこう言っています。
" ascribing these dispersed radioactive materials in various forms on the site, you know, it most likely appears they were from the reactor cores rather than spent fuel pools "
- Mr. Holahan
「現地で飛び散った、様々な形態の放射性物質は、使用済み燃料プールからというよりは、原子炉の炉心から出た、という方が、最も有り得る説である」と。
私にとってはその方が、(燃料プールから出たという仮説よりも)より問題のように思えます。
4月の26日に戻ってみましょう。
3号機の使用済み燃料プールで、即発臨界があった、とわたしは仮定しました。
これを裏付けるたくさんのデータもありました。
例えば、爆発の炎は、燃料プールの建物がある側から出ました。
爆発の高さもそうです。
私はそのことが、1~2マイル先で見つかったプルトニウムの理由である、と仮定しました。
原子力規制委員会の言っていることは、それよりもはるかに悪い事態です。
彼らが言っているのは、原子炉が破壊され、中の燃料棒も破損している。
そして、このプルトニウムが自由になり、敷地外まで飛んで行ったのだ、と言っているのです。
私は、彼らの見解が理解できません。
率直に言って、正しいとは思いません。
私は今も、プルトニウムが降り積もった原因は、燃料プール(の爆発)だった、と思っています。
でも、もし私の仮説が間違いで、損傷したのが燃料プールではない、としたら、
実際の話、原子力規制委員会のこの見解は、私のそれよりもずっと悪い事態です。
もし、原子炉が壊れ、燃料棒も破損したことが、プルトニウム飛散の原因だとしたら、
我々は、アメリカ製の原子炉の設計を、真剣に見直す必要があります。
次に、簡単にお話したいことがあります。
福島第一の建屋を覆うテントが、近々建設されようとしています。
それは、多くの問題を解決するにはほど遠いものですが、2つの問題の解決にはなるでしょう。
このテントの目的は、敷地内の放射能を減じることです。
テントの内側の放射能はしかし、どこかへ逃がさなくてはなりません。
さもなければ、致死レベルの濃度にまで達するからです。
ですから、その放射能をどうするかというと、排気管の高さにまでためて、その地点で排出されることになります。
それは作業員の方々にとっては良いことです。
なぜなら、そのテントは、ずっと高い所で放射能を排気するからです。
そしてそれは、近隣の村にとっても良いことでしょう。
しかしそれは、"福島第一からの放射能放出" という問題の解決にはならないのです。
あなた方にわかって欲しいのは、福島第一に作られるこのテントをあなたが見た時、
それは全く、問題の解決にはなっていないのだ、ということを理解して欲しいのです。
そのテントは、セシウムの堆積を、敷地から遠くへと押し広げているだけなのです。
作業員にとっては、彼らが被曝するセシウムを少なくすることは重要です。
しかしそれは、地球レベルで考えると、我々全員が被るセシウムの量を減らすことにはならないのです。
それでは、本日最後の、私からの大切なお話をします。
今、北日本全体に、ものすごい勢いで、セシウムの堆積は広がっています。
日本政府は現在、瓦礫であれ何であれ、1kgあたり、8,000ベクレル以下の放射能であれば、その焼却を許可しています。
これはどういうことかというと、瓦礫約1kgあたり、毎秒8,000の核分裂(崩壊)が起こる、という意味です。
そして日本政府は現在のところ、それらの焼却を許可しているのです。
こちらアメリカでは、それらは『放射性廃棄物』とみなされるでしょう。
そして、何千年もの間、地下深く埋められていなくてはなりません。
しかし日本では、1秒あたり8,000の核崩壊以下の物であれば、焼却することを政府が許可している……。
それだけではなく、これはもっと私が当惑していることなのですが、
彼らは、混ぜ合わせることを許可している……、
もし、あるサンプルが、1秒あたり24,000核崩壊(ベクレル)であり、他の2つが放射能汚染の無い物であれば、
日本ではそれら3つを混ぜ合わせ、平均して8,000核崩壊/秒(ベクレル)にする。
そしてそれらは、焼却が許されることになる。
このことは、多くの深刻な波及問題を含みます。
まず第一に、もともとそれは、福島原発から出た放射能であり、それが今、地上に積もっているわけです。
それが再び、空気中に浮遊することになります。
時間と手間をかけて。
そして、焼却場の周りの街や、付近の学校、除染されたはずの学校の校庭までもが、
そのような瓦礫の焼却により、再びセシウムの堆積が始まってしまうのです。
日本では今、このような焼却を行う、いろいろな地域から出た放射能の雲が、
これまでクリーンだった地域や、低レベル汚染だった地域を、新たに汚染しています。
実際、以前より高い放射能汚染になっていると、近々わかることになるでしょう。
放射能は、日本の国内に留まりません。
もちろん、太平洋の向こう側の国々の、北西、太平洋沿岸をも汚染します。
ですから、放射能汚染された瓦礫の焼却を許すことは、
基本的に、福島事故を、また最初から全部、繰り返していることになるのです。
せっかく地面に堆積した放射能を、再び空気中に送り込んでいるのです。
また、地面に積もった放射能が、河川へ流れ込んでいる、というデータもあります。
そしてそれは、海岸へと流れています。
福島原発からかなり遠い海までも。
ですから、福島原発の現地に注目している間に、
実際に現在、ずっと遠くの河川で放射能が見つかっていますし、それはまた、海洋を汚染しつつあります。
日本は今、問題を抱えています。
それも、とても難しい問題です。
しかし、その難問を解決するためには、まずはじめに、そこに難問があることを認識しなくてはいけません。
今のような、問題の重大さを無視し続けるという、日本政府の態度は、実際には、問題を長引かせることになっています。
そしてそれは、最初から正しく対処した場合に比べ、最終的に、もっと費用のかかることにもなるでしょう。
日本政府は、まず問題を抱えていることを、本気で認識する必要がある、と思います。
また、それを解決するのに、膨大なコストがかかることも、認識しなくてはなりません。
しかし、決して解決できない問題ではありません。
もしも、日本政府が "解決すべき重大問題があるえ" という認識を持って事に当たるならば、です。
聞いてくださってどうもありがとう。
Arnie Gundersen Fairewinds Associates Chief Engineer
こんにちは フェアウィンズのアーニー・ガンダーセンです。
今日は、2つのことを話したいと思います。
前回の投稿以降の出来事についてです。
ロシア・トゥデイや、いくつかのブログで言われている情報への私の意見を申し上げます。
まず、福島原発で亀裂があり、地面から煙や蒸気が出ている可能性についてです。
ここで言われている、福島で起こっている事象は、
原子炉の炉心が溶けて、格納容器をスルーし、地下水に達している、というものです。
私は、ロシア・トゥデイに出演し、コメントするよう頼まれましたが、しかし、断りました。
なぜなら、そのことを証明、または、反証するに足りる充分な確固たる技術的データが無いからです。
それは多分、起こっているかもしれません。
しかし、そのことに結論を下すための充分なデータが、まだ無いと感じました。
しかし興味深いのは、蒸気が噴出しているというセンセーショナルな話題のおかげで、
それによって立証され得る、もっと重大な問題が、実際かげに隠れています。
その重大な問題の1つは、先週の、カリフォルニアからの報告でした。
ある科学者のグループが、放射性硫黄35を、大気中から検出したのです。
去る3月にも、それは起こりました。
それは、福島の事故発生から、約2週間後のことでした。
カリフォルニアで、放射性硫黄が検出された、ということが、マスコミで話題になりました。
しかしその報告は、もっと重要な意味を含んでいたのです。
それはニュースにはなりませんでしたけど……。
つまり、その放射性硫黄が、いったいどうやって生成されたのか?、という点です。
それでは、太平洋を渡り、話を福島に戻しましょう。
わかったことは、塩水が中性子線にぶつかった時、放射性硫黄を生み出す、ということです。
塩水のナトリウムの核に、一つの中性子がぶつかり、それが別の原子、硫黄となるのです。
それが、硫黄生成のメカニズムです。
カリフォルニアで検出された量の硫黄ができるには、1平方メートル中に、4000億個の中性子が必要なのです。
それはもう、膨大な量の中性子です。
しかし、それらがどこから来たのか、誰も尋ねませんでした。
先週の、カリフォルニアからの硫黄の報告は、4月3日に、私が皆さんに申し上げたことを立証するものだ、と思います。
原子炉が完全には停止していない、ということを示す充分な証拠が、その時にもあったのです。
思い出してください。
津波が襲った時、原子炉はすでに、約1時間ほど停止中だったはずです。
制御棒は、燃料の間へ入り込み、全ての核連鎖反応を止めていたはずです。
しかしその後も、核連鎖反応がずっと起きていたのでは、とわたしには思えるのです。
今回のカリフォルニアからの新しいデータが、4月にお伝えした私の推測を立証しているように私には思えます。
つまり、原子炉が停止した後も、再臨界がずっと続いていたのです。
次に重要なことも、同じく約2週間前に起こりました。
NRC(アメリカ合衆国原子力規制委員会)のミーティングがありました。
そこで、NRCのスタッフから、委員会のメンバーに、福島で起こったことの報告がありました。
そのリンクは、このビデオの横に示しています。
原稿の最初の60ページには、NRCのスタッフがメンバーに報告した内容があり、
それによると、福島の使用済み燃料プールは、ほとんど損傷を受けていなかった、というのです。
さて、私に、ある人から、質問のメールが届きました。
とても重要な質問です。
ここで今読み上げます。
この人は、ニュー・イングランド連盟の、レイ・シェイディスという人です。
彼はこう言いました。
" I was surprised to hear you all say that the fuel in the spent fuel pools was not damaged.
Press reports indicate that fuel particles up to a centimeter of more in size had been found a mile or more from the spent fuel pools and that's my first question.
Can you address the disparity here? "
- Mr. Shadis
「あなた方が、『使用済み燃料プールは損傷していない』と言ったのを聞いて驚きました。
マスコミによれば、1センチそこそこの燃料の粒子が、使用済み燃料プールから1マイル以上離れた場所で見つかっている、というではないですか。
それが私の疑問点なのです。
2つの見解の違いを、どう説明されるんですか?」
つまり、シェイディスさんが言いたいのは、もし燃料プールが壊れてなかったとしたら、プルトニウムが1マイルも2マイルも先で見つかっているのは、いったいどう説明がつくのか、ということです。
原子力規制委員会の返答は問題のあるものでした。例え控え目に言ったとしても……。
彼らの答はこうでした。
61ページにありますが、グローブ氏は、
" Most of the deposition that has been reported to date appears to have come from the reactors "
- Mr. Grobe
「これまで報告されている原発から飛散した堆積物のほとんどは、原子炉の中から出たもののようである」と答えたのです。
そして2ベージ後の63ページには、ハラハン氏がこう言っています。
" ascribing these dispersed radioactive materials in various forms on the site, you know, it most likely appears they were from the reactor cores rather than spent fuel pools "
- Mr. Holahan
「現地で飛び散った、様々な形態の放射性物質は、使用済み燃料プールからというよりは、原子炉の炉心から出た、という方が、最も有り得る説である」と。
私にとってはその方が、(燃料プールから出たという仮説よりも)より問題のように思えます。
4月の26日に戻ってみましょう。
3号機の使用済み燃料プールで、即発臨界があった、とわたしは仮定しました。
これを裏付けるたくさんのデータもありました。
例えば、爆発の炎は、燃料プールの建物がある側から出ました。
爆発の高さもそうです。
私はそのことが、1~2マイル先で見つかったプルトニウムの理由である、と仮定しました。
原子力規制委員会の言っていることは、それよりもはるかに悪い事態です。
彼らが言っているのは、原子炉が破壊され、中の燃料棒も破損している。
そして、このプルトニウムが自由になり、敷地外まで飛んで行ったのだ、と言っているのです。
私は、彼らの見解が理解できません。
率直に言って、正しいとは思いません。
私は今も、プルトニウムが降り積もった原因は、燃料プール(の爆発)だった、と思っています。
でも、もし私の仮説が間違いで、損傷したのが燃料プールではない、としたら、
実際の話、原子力規制委員会のこの見解は、私のそれよりもずっと悪い事態です。
もし、原子炉が壊れ、燃料棒も破損したことが、プルトニウム飛散の原因だとしたら、
我々は、アメリカ製の原子炉の設計を、真剣に見直す必要があります。
次に、簡単にお話したいことがあります。
福島第一の建屋を覆うテントが、近々建設されようとしています。
それは、多くの問題を解決するにはほど遠いものですが、2つの問題の解決にはなるでしょう。
このテントの目的は、敷地内の放射能を減じることです。
テントの内側の放射能はしかし、どこかへ逃がさなくてはなりません。
さもなければ、致死レベルの濃度にまで達するからです。
ですから、その放射能をどうするかというと、排気管の高さにまでためて、その地点で排出されることになります。
それは作業員の方々にとっては良いことです。
なぜなら、そのテントは、ずっと高い所で放射能を排気するからです。
そしてそれは、近隣の村にとっても良いことでしょう。
しかしそれは、"福島第一からの放射能放出" という問題の解決にはならないのです。
あなた方にわかって欲しいのは、福島第一に作られるこのテントをあなたが見た時、
それは全く、問題の解決にはなっていないのだ、ということを理解して欲しいのです。
そのテントは、セシウムの堆積を、敷地から遠くへと押し広げているだけなのです。
作業員にとっては、彼らが被曝するセシウムを少なくすることは重要です。
しかしそれは、地球レベルで考えると、我々全員が被るセシウムの量を減らすことにはならないのです。
それでは、本日最後の、私からの大切なお話をします。
今、北日本全体に、ものすごい勢いで、セシウムの堆積は広がっています。
日本政府は現在、瓦礫であれ何であれ、1kgあたり、8,000ベクレル以下の放射能であれば、その焼却を許可しています。
これはどういうことかというと、瓦礫約1kgあたり、毎秒8,000の核分裂(崩壊)が起こる、という意味です。
そして日本政府は現在のところ、それらの焼却を許可しているのです。
こちらアメリカでは、それらは『放射性廃棄物』とみなされるでしょう。
そして、何千年もの間、地下深く埋められていなくてはなりません。
しかし日本では、1秒あたり8,000の核崩壊以下の物であれば、焼却することを政府が許可している……。
それだけではなく、これはもっと私が当惑していることなのですが、
彼らは、混ぜ合わせることを許可している……、
もし、あるサンプルが、1秒あたり24,000核崩壊(ベクレル)であり、他の2つが放射能汚染の無い物であれば、
日本ではそれら3つを混ぜ合わせ、平均して8,000核崩壊/秒(ベクレル)にする。
そしてそれらは、焼却が許されることになる。
このことは、多くの深刻な波及問題を含みます。
まず第一に、もともとそれは、福島原発から出た放射能であり、それが今、地上に積もっているわけです。
それが再び、空気中に浮遊することになります。
時間と手間をかけて。
そして、焼却場の周りの街や、付近の学校、除染されたはずの学校の校庭までもが、
そのような瓦礫の焼却により、再びセシウムの堆積が始まってしまうのです。
日本では今、このような焼却を行う、いろいろな地域から出た放射能の雲が、
これまでクリーンだった地域や、低レベル汚染だった地域を、新たに汚染しています。
実際、以前より高い放射能汚染になっていると、近々わかることになるでしょう。
放射能は、日本の国内に留まりません。
もちろん、太平洋の向こう側の国々の、北西、太平洋沿岸をも汚染します。
ですから、放射能汚染された瓦礫の焼却を許すことは、
基本的に、福島事故を、また最初から全部、繰り返していることになるのです。
せっかく地面に堆積した放射能を、再び空気中に送り込んでいるのです。
また、地面に積もった放射能が、河川へ流れ込んでいる、というデータもあります。
そしてそれは、海岸へと流れています。
福島原発からかなり遠い海までも。
ですから、福島原発の現地に注目している間に、
実際に現在、ずっと遠くの河川で放射能が見つかっていますし、それはまた、海洋を汚染しつつあります。
日本は今、問題を抱えています。
それも、とても難しい問題です。
しかし、その難問を解決するためには、まずはじめに、そこに難問があることを認識しなくてはいけません。
今のような、問題の重大さを無視し続けるという、日本政府の態度は、実際には、問題を長引かせることになっています。
そしてそれは、最初から正しく対処した場合に比べ、最終的に、もっと費用のかかることにもなるでしょう。
日本政府は、まず問題を抱えていることを、本気で認識する必要がある、と思います。
また、それを解決するのに、膨大なコストがかかることも、認識しなくてはなりません。
しかし、決して解決できない問題ではありません。
もしも、日本政府が "解決すべき重大問題があるえ" という認識を持って事に当たるならば、です。
聞いてくださってどうもありがとう。