今日は亡き父と、いっちゃん大変やった頃にめっちゃお世話になったピアノの師匠の誕生日。

父がもし生きとったら、ひとまわり年下の師匠が古稀を迎えはるんやから、82才になってるんやなあ。

なんとも爽やかな、空からカラカラと笑い声が聞こえてきそうな9月の朝、ニューヨーク・タイムズの一面に、大はしゃぎするオリンピック招致委員会の人らの写真が載ってた。

東京でオリンピックを開催したい。開催されたら出場したい。いろんな人たちの願いや祈りがそこにはあると思う。

2011年の、あの、とんでもなく深刻な、2年半も経ってるのに、どうしたらええのか、いよいよ難しくわからんようになってる事故さえ無かったら……。

そのことで、日本という国の見えへんとこで、いったいなにが起こってるのかについて、知らんふりをせんようになってへんかったら……。

「まうみ、多分IOCは日本を選ぶと思う」

気功瞑想のクラスの雑談中に、イスラエル人のミリアムが、はっきりと断言した。

「だって、IOCの役員は、この招致ゴッコでお金を儲けて、それをみんなで分け合うのだから」

「だから、日本の原発がどうだの、汚染がどうだのなんて、全く気にしてなんかいない。日本がどれだけの札束を積んでくるか、それが一番大事なの」

「選手のことだってそう。気の毒に選手は、夢を叶える場を与えられることで、その国が抱えている問題次第では、自分の身に危険が迫っていることに鈍感になる」

「テロが起こっても、事故が起こっても、それで命を奪われたり、一生苦しむ傷や病を抱えることになるのは選手で、招致ゴッコで儲けた連中には、責任を感じることさえない」

「『こんな悲しいことになって、我々は心から同情する。我々の心はあなた方と共にある』、みたいなことを、ちょっと悲しそうな顔で言うだけ」

「原発と一緒。軍隊と一緒」

「世の中の、ほんのひとかけらの人間と会社と組織が、わたしたちのかけがえの無い暮らしと命を、日々、一日も欠かすことなく、追いつめているの」

「原発は、電気を作って生活を便利に快適にしてくれる」

「軍隊は、悪いやつをやっつけて、困ってる人たちを救ってくれる」

「五輪は、ひとつのことに打ち込んで、夢を追いかけている人たちの、日々の成果を披露できるお祭りで、観る人をわくわくさせてくれる」

「みんなみんなそうやって、その陰でバカ儲けしてる人間が、そのおこぼれをもらおうと寄って来る子分と一丸となって、大ウソの幻想を叩き込む」

「気づかないのではなくて、気づきたくないの。気づいたらめんどうだし、苦しいし」

「だから気づかないふりをする。気づかなくてもいいじゃないか、みんなだってそうやってるんだしって、自分に言い訳しながら」

「だからなかなか伝わっていかないのよね。そこが一番しんどいのよね」

父が生きてたら……時々そんなことを考える。

父は、わたしの懸念や心配を、共有してくれたやろか。

それとも、なにアホなこと言うとんねん!アメリカで頭がおかしなったんちゃうかと、怒ったやろか。

いずれにしても、2年半経っても考えを変えるどころか、さらにいろんなことが見えてきて、それが絡み合いながらつながってることがわかってきたわたしを、
とりあえず、気に入らんでも、しゃあないなと認めてくれてたやろか。

うまいもんを食すのが大好きな、生きてたら82才の父は、「うまいもん我慢するくらいなら、1年や2年、命が縮まってもかまへんわ」と、
これ見よがしに、わたしの前で、わたしが食べん方がええよと言うもんをわざと選んで、パクパクと食べてたやろか。

世界に向けて、『収束宣言』をした前首相と、『安全宣言』をした現首相。

これから始まる『オリンピックだワイワイ』茶番劇場を、今苦しみの真っただ中にいる人たちは、どんな気持ちで見てはるのやろう。

父がもし生きとったら、ひとまわり年下の師匠が古稀を迎えはるんやから、82才になってるんやなあ。

なんとも爽やかな、空からカラカラと笑い声が聞こえてきそうな9月の朝、ニューヨーク・タイムズの一面に、大はしゃぎするオリンピック招致委員会の人らの写真が載ってた。

東京でオリンピックを開催したい。開催されたら出場したい。いろんな人たちの願いや祈りがそこにはあると思う。

2011年の、あの、とんでもなく深刻な、2年半も経ってるのに、どうしたらええのか、いよいよ難しくわからんようになってる事故さえ無かったら……。

そのことで、日本という国の見えへんとこで、いったいなにが起こってるのかについて、知らんふりをせんようになってへんかったら……。

「まうみ、多分IOCは日本を選ぶと思う」

気功瞑想のクラスの雑談中に、イスラエル人のミリアムが、はっきりと断言した。

「だって、IOCの役員は、この招致ゴッコでお金を儲けて、それをみんなで分け合うのだから」

「だから、日本の原発がどうだの、汚染がどうだのなんて、全く気にしてなんかいない。日本がどれだけの札束を積んでくるか、それが一番大事なの」

「選手のことだってそう。気の毒に選手は、夢を叶える場を与えられることで、その国が抱えている問題次第では、自分の身に危険が迫っていることに鈍感になる」

「テロが起こっても、事故が起こっても、それで命を奪われたり、一生苦しむ傷や病を抱えることになるのは選手で、招致ゴッコで儲けた連中には、責任を感じることさえない」

「『こんな悲しいことになって、我々は心から同情する。我々の心はあなた方と共にある』、みたいなことを、ちょっと悲しそうな顔で言うだけ」

「原発と一緒。軍隊と一緒」

「世の中の、ほんのひとかけらの人間と会社と組織が、わたしたちのかけがえの無い暮らしと命を、日々、一日も欠かすことなく、追いつめているの」

「原発は、電気を作って生活を便利に快適にしてくれる」

「軍隊は、悪いやつをやっつけて、困ってる人たちを救ってくれる」

「五輪は、ひとつのことに打ち込んで、夢を追いかけている人たちの、日々の成果を披露できるお祭りで、観る人をわくわくさせてくれる」

「みんなみんなそうやって、その陰でバカ儲けしてる人間が、そのおこぼれをもらおうと寄って来る子分と一丸となって、大ウソの幻想を叩き込む」

「気づかないのではなくて、気づきたくないの。気づいたらめんどうだし、苦しいし」

「だから気づかないふりをする。気づかなくてもいいじゃないか、みんなだってそうやってるんだしって、自分に言い訳しながら」

「だからなかなか伝わっていかないのよね。そこが一番しんどいのよね」

父が生きてたら……時々そんなことを考える。

父は、わたしの懸念や心配を、共有してくれたやろか。

それとも、なにアホなこと言うとんねん!アメリカで頭がおかしなったんちゃうかと、怒ったやろか。

いずれにしても、2年半経っても考えを変えるどころか、さらにいろんなことが見えてきて、それが絡み合いながらつながってることがわかってきたわたしを、
とりあえず、気に入らんでも、しゃあないなと認めてくれてたやろか。

うまいもんを食すのが大好きな、生きてたら82才の父は、「うまいもん我慢するくらいなら、1年や2年、命が縮まってもかまへんわ」と、
これ見よがしに、わたしの前で、わたしが食べん方がええよと言うもんをわざと選んで、パクパクと食べてたやろか。

世界に向けて、『収束宣言』をした前首相と、『安全宣言』をした現首相。

これから始まる『オリンピックだワイワイ』茶番劇場を、今苦しみの真っただ中にいる人たちは、どんな気持ちで見てはるのやろう。
