ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

「放射能汚染や人々の被害や苦しみを「なかったこと」にしないと、オリンピックは実現しない」想田和弘監督

2013年09月09日 | 日本とわたし
想田和弘監督のブログ『観察映画の周辺 Blog by Kazuhiro Soda』に、わたしも読んでた堀江氏とのツィートについて書かれてた。
そのツィートを、読むだけやなく、総括してツィートで発言した方がおられ、それを想田監督がまとめて記事にしはった。
それをここに、転載させてもらう。
それは、この先、オリンピックという場違いな行事が終了するまで、そっくりそのまま、わたし自身の身にも起こり得ることやと思うので。

↓以下、転載はじめ

堀江貴文氏とのやり取りから見える「ニッポンの多数派」の論理

ツイッター上で、ホリエモンこと堀江貴文さんと、再びやりとりをした。
堀江さんによる僕への悪口ツイート(といって良いと思う:「なんかヤバイすね、この人だんだんと。先鋭化が激しい」)に対して、理由を問い質したところ、
「ウザい」「粘着質」と言われただけの、それだけでは取るに足りない、しょーもない喧嘩のようにみえるものだったんだが、
そのやりとりを、下記のごとく総括して下さった方(@HSarabande)がいて、がぜん意味が出てきた。
感謝したい。
以下、その方の連投。

ーーーー

想田監督と堀江が、ちょっとしたジャブの応酬をしている。
こういう事例が、日本の「空気」の本質をついている。
堀江が、原発オリンピック問題については、長期的ではあるが、クリティカルな問題をネグレクトする、日本の「空気」を代表する者であり、
想田監督は、それに、合理的に異を唱えるものである。

堀江は、想田監督の異議を、「ウザい」「ヤバい」「なんか怖いっす」と、原始的な生理的嫌悪感を述べる言葉でつぶやき、
それに対して、多数のフォローワーから、「せっかく涼しくて気持ち良いと思たら、堀江さんが気持ち悪い人と戦っていた」との、
同じく、生理的嫌悪感に同意するようなコメントが入る。

フォローワーからみると、「堀江軍994120 対 想田軍29650」であり、堀江が多数派である。
使用済み核燃料の問題は、あいまいにしてもかまわない、なんでそんな先のことを考えて暗くなっているの?
マゾ、キモい、オリンピックも決まったし、楽しもうよ
、というのが、多数派である。

「これまで安全だし、地震が起きてもたいしたことなかったから、なんで、電源喪失の事なんか考えないといけないの?キモい、左翼」という論理とつながりる。
TPPだって、「なんでそんなにクヨクヨするの?牛丼安くなるじゃん」ぐらいだろう。

クリティカルな欠点を覆い隠したうえでなりたっている、多数派の多幸的な雰囲気、空気……。
これは、知的ではなく、感情的な論理である。
比較的多数の、空気にのって楽しんでいる多数派は、それに水をさされると、感情的嫌悪感で反応してくる
「キモい、怖い、マゾ」であり、排除である。

この知的欠陥を持つ、多数派の感情論理=日本的空気(第二次世界大戦敗戦と、原発事故問題の歴史的経緯から、「欠陥」と呼んでも差支えないと判断する)を、
いかに少数派が、戦略的に切り崩し、風穴をあけ、より成熟した空気を醸成してゆけるのか。
結局は、そういう問題に帰する。

この「知的欠陥を持つ多数派の感情論理」は、子供であれば、いじめ問題に直結する。
一人が苦しんでいても、多数が面白ければいいじゃん、なんで、そこに水をさすわけ?となる。
一人の苦しみの深さは、ネグレクトされる。
それが、今は福島であり、福島や最終処分地の苦悩を、代弁しようとする者である。

ーーーーーー

これらを受けて、僕は、以下のような連投をした。

オリンピックを享受するには、放射能汚染も、人々の被害も苦しみも、「なかったこと」にしなければならない
安倍首相が、IOCで嘘をつかなければならなかった事実そのものが、この命題の正しさを証明している。
オリンピックを享受したい大多数の日本人も、これから全力で、「なかったこと」にするだろう

オリンピックを楽しみたい多数派の日本人にとって、放射能汚染や人々の被害が、「現在進行形で起きていること」であると重ねて指摘する人間は、
おしなべて「ウザい」し、「粘着質」である。
彼らは、自分たちの楽しみや、経済的利益を脅かす、「ヤバい放射脳」である。

放射能汚染や、人々の被害や苦しみを、「なかったこと」にしないと、オリンピックは実現しないし、
そこから得られる高揚感も、楽しみも、経済的利益も、すべてが台無しになる
五輪招致成功で、日本人の多数派には、原発事故を「なかったこと」にすることへの強力なインセンティブが、突如生まれたといえる。

みておくがよい。
これから、マスメディアも、原発事故を「なかったこと」にする方向へ、強力に動くだろう。
なぜなら、「あったこと」にすると五輪が台無しになり、そこから得られるはずの広告収入による、莫大な利益も失われるから。
マスメディアのほとんどが、一様に「招致成功バンザイ」なのには、理由がある。

みておくがよい。
これから、放射能によって被害を被った人々が訴え出ても、彼らは単に無視されるか、ウザくて粘着質な放射脳だと嘲笑されて、切り捨てられる圧力が高まる。
なぜなら、彼らは、オリンピックを成功させたいという、日本の多数派の気分と経済的利益を、脅かす存在だからである。

みておくがよい。
これから、原発再稼働や、海外へのトップセールスに反対する人々も、単に無視されるか、ウザくて粘着質な放射脳だと嘲笑されて、切り捨てられる圧力が高まる。
なぜなら、彼らは、オリンピックを成功させたいという、日本の多数派の気分と経済的利益を、脅かす存在だからである。

ーーーーーーー

アーサー・ビナード氏が、今年8月に予言してた。

「実は、東京に、オリンピックが来るんです!!
日本政府と僕の母国が、絶対に東京でやらせたいんです。
オリンピックが来ることには、大きな意味がある。
2020年まで待つのではなく、2013年のこの時期に、「東京に決まりました!」という発表には、意味がある
どういう意味かというと、安全宣言!、安全宣言!!
このタイミングで、実は、「安全宣言」が必要なんです。
今、核のからくりに目覚めている人が、増えているんです。
多くの人が行動し始めている。
日本政府と僕の祖国の核利権が、そこで安全宣言を出して、もう一度、みんなを思考停止状態にして、
戦後ず~っとやってきたアンポンタン国民作りを、もう一回再稼働させて、
日本人を被曝させながら、みんなをジリジリ殺しながらも、思考停止状態に戻したい。

そこで、一番、日本人がアンポンタンになるのは何かというと、東京オリンピック!!


http://botibotiikokaaa.seesaa.net/article/374283889.html

五輪でウハウハ気分にし、放射能汚染も原発事故も無かったことにする作戦に、まんまと引っかかる日本人

2013年09月09日 | ひとりごと
東京オリンピックの招致に成功して、お祭り騒ぎになってるらしい日本に、
両腕がプルプルと震えるぐらいにいっぱい汲んだ、バケツの水をぶっかける。
そうするときっと、ムッとする輩がワラワラと現れてきて、
「ウザくて粘着質の放射脳」と、あの堀江氏が想田監督に対して吐いたような言葉を、書き殴ってくるやろう。

あの、歴史に残る『事故収束宣言デマ』よりさらに酷い、『絶対安全宣言デマ』が、世界中に伝えられてしもてから、
日本だけやなく、オリンピックという祭りに参加するすべての国は、
原発事故で苦しむ人々、事故処理に駆られて健康を害していく人々を、
完全に、冷淡に、無責任に、まるで無かったことのように、まるでもう終ってしまったことのように、
自分の世界から、気楽に、堂々と、抹消することができるようになった。

わたしらは、ウザくて粘着質の放射脳なわたしらは、見とうないから、知りとうないからと、今まで目を閉じ耳を塞いできた、大人げの無い態度を恥じ、
これまでの生き方や考え方を、恐々と、面倒くさいと時には思いながら、けども、今後二度と、前みたいな無責任な人間に戻るのもいややから、変えようと頑張ってる。
大きな流れにプカプカと、浮き輪で流されていく方がどれほど楽か知ってるだけに、空しなってしまう時もあるけども。
けども、その大きな流れの中に、特にちっちゃい生き物に悪い影響を与える毒があるとわかってて、もう知らんふりなんかできるか!
それはなにも、放射性物質だけに限らへん。
ありとあらゆる物事の裏側にある、差別や迫害や脅迫や押しつけによって人を苦しめる、条約や法律もそう。
そういう、汚い、悪質な取り決めが、オリンピック騒ぎの陰で、コソコソと決められていく。
愚民政策によって、どこまでその国の民がボケるか、それを日本は今、世界中にお披露目してる。
それはもう、冗談抜きで、世界史の本のページに刻まれるほどの、立派な愚民っぷりで、
それをわたしらの未来の子どもらが、どんな気持ちで読むのかと考えるだけで、それだけで気が重とうなる。

↓以下は『そもそも総研』の、8月29日に放送されたビデオ。
多分いつか削除されるやろから、文字起こしした。
写真が見にくくてごめんなさい。

福島の訴えはことごとく却下され、子ども支援法は絵に描いた餅に成り果てて、無駄金が、放射性物質をたっぷり含んだ水と一緒に流されていく。
その現実はやっぱり、今現在も続いてるということを、再認識するためにも、ぜひ観てください。




今日のそもそも総研はこちらです。
今国が進めている、福島の避難・除染政策は、甘いのではないかという指摘が出ているというのですが、玉川さん、

玉川氏:
あの、以前からわたし、ずっと疑問なんですけども、この除染というのは本当に効果があるんだろうかと、いうふうな疑問。
それからもうひとつは今、避難されてる方もいらっしゃいますけど、強制的な避難の区域とそうじゃない区域とがあるわけですよね。
で、そうじゃない区域の方は、ほんとに避難しなくてもいい区域なのかどうか、つまり、両方とも甘いんじゃないかと、いうふうなことについて、今回迫ってみたいと思います。

浪江町長、語る。
避難・除染はどうなってる?


今日のテーマ
そもそも、今、国が進めている、福島の避難・除染政策は、甘いのではないか

8月22日木曜日、被災者が、東京地裁にて、国を提訴
原告
郡山市に住む人や、福島市から避難した人など19人
告訴理由
法律ができたのに支援されず、1年以上〝放置〟されている


実は先週の木曜日、被災者の方々が、国を提訴しました。
郡山市や福島市に住む方、いわゆる、汚染のあった場所、そういうふうな所から避難されている人たちなんですけども、
法律ができたのに支援されず、1年以上放置されている、いうふうな話なんですよ。
で、その法律ってなんだっていうとですね、これなんです。
『原発事故 子ども・被災者支援法』
子どもっていうところを覚えておいてください。これからキーワードになってきますから。

『原発事故 子ども・被災者支援法』2012年6月21日 成立
〈目的〉第一条(要約)
一定の基準以上の放射線量の地域に、居住、または居住していて避難した人、特に子どもに配慮して、生活支援を行う。

ところが、その法律に書かれている一定基準が決まらないんです。
だから、法律はあるんだけど、支援が行われていない、おかしいじゃないかという、もっともな訴えなんですけども、
では、避難はどういうふうになっているかということを、こちらで見ていただきたいんですが、



まずこのオレンジ色のところ、ここは、国が住んではいけない、と指定した所です。
では、それ以外の所は、放射線量が十分低いのかというと、実はそうとも言い切れない
オレンジ色の所(避難指示区域)は、年間5から、高い所では20ミリシーベルトの放射線量があり、避難住民に月10万などの補償がある。
一方で、黄色や緑色の所(避難指示区域以外・年間20ミリシーベルト以下・住んで生活してよい)は、法律があるのに、補償がほとんどない

ここで今日のポイントです。
問題点
① 支援すべきは、何ミリシーベルト以上の地域の住民なのか?
② 避難させる区域は、今のままでいいのか?


オレンジ色の部分にすっぽり入っていて、全員避難されている浪江町の馬場町長に伺っています。

浪江町の人口は、およそ2万1千人(2万1136人・8月21日現在)。
そのうち、福島県内に、およそ1万4600(1万4650)人、福島県外におよそ6500(6486)人と、全住民が避難生活を強いられています。



玉川氏:
今避難されている浪江町民の方々の、これからの生活を考える際に、元々の浪江町に戻れるのかということなんですけど、
まず、一番大きな、放射線の問題、除染ですけど、
町長は、除染は最終的に可能だと、つまり、(年間)1ミリシーベルト以下に町全体がなるということは、
現実的な意味として、可能だというふうにお考えですか?

馬場町長:
まあ今の除染の技術を考えれば、なかなか難しいということなんですね。
私どもは、(年間)1ミリシーベルト以下に、とにかくしていただけるように、除染を続けていただきたい。
しかしながら、現実的には、私どもが生活するのに、何ミリシーベルトがいいのか、
政府の方に、基準の値を出してください、という話を再三やってる
んです。
ところが、全然返答がこないです。


明確な基準を示さない政府に、不信感を抱く馬場町長。
浪江町民の、帰還に関する意識はどうなんでしょうか?


馬場町長:
現在の、第3回目のアンケートの中では、戻りたいという方は30%です。
それから、戻りたいけれども戻れない、という方が40%
完全に戻らない、という方が30%ですね。
で、この戻りたいという方には、意外と高齢者の方が多いんです。
〝望郷の念〟が非常に強くて、終の住処は地元浪江町だと、思ってらっしゃる方が非常に多いです。


一方、若い町民の考え方は、高齢者とは違うようです。


馬場町長:
特に、県外に行っている、約6000名の方々は、ほとんど子どもさん、そして若い方々ですので、
そういう方々が、新天地で生活をしていかなくてはならない、それにはお金がかかると、
だから、移転補償というものを出していただく、賠償もやっぱり必要だということですよね。
ですから私ども行政としては、そういう、戻れないという方々に対する手厚い支援を、国と東京電力に要請していきたいと思っています。

玉川氏:
今のところは、そういう若い方で、県外に越して生活していこうという方に対して、お金はどうなっているんですか?

馬場町長:
やっぱり一律なんですよ。
月10万円

玉川氏:
だけですか?

馬場町長:
そうです。


どれほどの汚染から補償するのか、決めようとしない国の姿勢に、本音が透けて見えると語る馬場町長。


馬場町長:
とにかく、戻そう戻そう、という発想でやってきてるもんですから、
賠償も中途半端、除染の考え方も中途半端、みんな中途半端になってしまう
んですね。
ところがその、戻そう戻そう、戻すような意向になれば、自分たちはもう〝原発の事故は終わり〟だと、




玉川氏:
なかったことになる?

馬場町長:
なかったことにしようと、そういうのが明らかに見えますね。
今のキャリア(官僚)を見てますと、水野ツィッターがありましたけども、ああいうような状況ですよ。
田舎の議会がうんぬんで、人をばかにしたようなツィートがありましたね。



これはとっても、原発の事故、あの惨状が今も続いている状況、それを本当に無視しているというか、軽視しているという、
あれが本音だ、と思いますよね。


次に、強制的避難区域のすぐ北にある南相馬市で、実際に除染活動を行われてる、吉田邦博さんに、お尋ねしました。


玉川氏:
吉田さんは今まで、福島で除染活動をされてきたということなんですが、具体的にはどういう除染活動だったんですか?

吉田氏:
私たちが除染をしようと思ったのは、本当に除染ができるかどうか、という確認がメインだったんですけども、



やる以上は、ある程度成功させようということで、大きな保育園4つと、民間住宅10軒ぐらいを除染いたしました。






東京電力・福島第二原発に勤務していた経験を生かし、民間の除染団体を立ち上げ、南相馬市などで独自に行ってきた吉田さん。
効果的な除染が行われた場所もありましたが、線量を下げる事が難しい場所もあったと語ります。
 


吉田氏:
ご存知のように、屋根ですが、種類がいろいろありますので、その種類によっては、まあトタンの新しいものが、一番付着していないんですが、
さびの部分、またはコンクリートの瓦、ああいったものはほとんど落ちません

玉川氏:
水をかけてブラシで擦ってるような映像を、時々見かけますけど、ダメなんですか(落ちないんですか)?

吉田氏:
あれはもう、気持ち的に屋根がきれいに見えるので、なくなっているように見えますが、
ほとんど吸着しているので離れません。





除染をすれば、すべてが解決するわけではなく、除染が行われていない地域から、飛散してくる可能性もあります。


吉田氏:
実際に、風が強い時には、私の家でも、洗濯物を干すと、かなりの高濃度の汚染をします

玉川氏:
それは、除染をした場所でも?

吉田氏:
はい、私のところも、家の周りは除染しましたので。

玉川氏:
外に干すと被ばくする、ということは、風に乗ってどこからか来ると?

吉田氏:
そうです、飛んでくるということですね。


さらに、除染活動をしていく中で、吉田さんは、ある疑念を抱くようになりました。
それは……。


吉田氏:
地域住民を、福島県外に逃がさないための口実で、除染というものをスタートさせたと、私は思っています。

玉川氏:
どういう意味ですか?

吉田氏:
要は、経済が成り立たなくなるんですね、みんな出ていっちゃうと。
福島県の住民が出ていかないために、「除染で何とかなるよ」ということを見せて、
じゃあ近くにいようと、浪江の方が南相馬にいたり、福島市にいたり、郡山市にいたり、という現象が起きているんですよね。
でなければ、普通だったら、もう帰れないよと最初からやってしまったら、もうとっくに散り散りになって(福島に)いないですよ。
要は、〝魔法をかけた〟というか、『除染』という言葉を使って、あたかもできるようなフリをして、魔法をかけて、
福島県民を福島から出さない、というものだったのではないか
なというふうに、今は思っています。

玉川氏:
実際、その除染をやってみて?

吉田氏:
はい、不可能です


吉田さんは、政府に対して、住民の避難にもっとお金を使うべきだと主張します。


吉田氏:
除染なんかに、くだらないお金を、できもしないものをあたかもできるようにしてお金を使わずに、
そういうもの(県外への避難)に、どんどん使ってほしい
と、私は思います。
一番罪の無いのは子どもです。
私は、子どもだけに影響があるとは思っていないので、大人への影響もあると、当然思っているんですけども、
大人は、この状況を作った責任があるじゃないですか。
だからまあ、やむを得ない。
せめて、罪の無い子どもたちぐらいは、県外に、安全なところに出してあげたい、という気持ちがあります。


では、避難指示区域意外の、年間20シーベルト以下で、生活していて問題は無いのか?
北海道がんセンターの、西尾正道名誉院長に伺いました。


玉川氏:
今、20ミリシーベルト以下だったら、住んでもいいことになっていますよね?

西尾氏:
その値(20ミリシーベルト以下)も、とんでもない値です。



基本的には、今、チェルノブイリ事故の後、ウクライナ法で規定されてるのは、(年間)5ミリシーベルト以上はすべて強制移住です。
実際に、チェルノブイリの方では、(年間)5ミリシーベルト以上は強制移住です。
1~5ミリシーベルトの間、これは移住権利ゾーンにしています。
移住権利ゾーンというのは、例えば80才のご夫婦がそこに住んでいるとして、5ミリシーベルトだったらいいだろうと、
住みたいと言ったら住んでもいいよと、移住するんだったら国がサポートしますよと、そういう権利ゾーンにしているんですよ。
選択権を与えて、権利ゾーンにしているんですよ。



玉川氏:
政府の方では、(年間)20ミリシーベルト以下だったら住んでいいというのは、
きっと20ミリシーベルト以下だったら、直ちに影響はない、というふうなことで決めているんじゃないかと思うんですが、

西尾氏:
それは全くおかしい話で、5年間住んだら(累積)100ミリシーベルトになりますから、
そしたら、累積して100ミリシーベルトになったら、明らかに、多発ガン性(がある)、
ICRPのデータだって、発がん性は認めている
わけですから、過剰発がんは。


日本政府が拠り所にしている、ICRP 国際放射線防護委員会のデータでは、
100ミリシーベルト以下の被ばくによる発がんリスクは、他の要因の影響で隠れてしまうほど小さいとしています。
しかし、国が定める年間20ミリシーベルト以下の基準では、安全とは言い切れないと、西尾さんは語ります。


西尾氏:
実際に、5ミリシーベルト以上のところに住み続けてると、(去年)イギリスの論文で、
白血病が、累積1ミリシーベルト増えるごとに、12%増加する、という医学論文が出ています。
それに対して、ICRPは、一切反論しません。
なぜかというと、反論するデータが無いんです。
ICRPの、今の放射線防護学というのは、広島、長崎(原爆)のデータを基にして作って、
それ以来、なにもちゃんとした調査もしないで、それだけを押し付けているわけです。
だから彼らは手持ちのデータが無いんです、反論するだけの
ですからもう、全くの神学論争になっているんですよ。
(人体への影響が)なんともないとか(言う人と)、やばいとか危ないっていう人との。
具体的な実測値のデータで議論する、という姿勢が、全く、世界中で欠けてる

玉川氏:
そうすると、先生は、今は何をやったらいいと、どうすべきだというふうに思われますか?

西尾氏:
少なくとも、世界的に笑われないためには、チェルノブイリと同じぐらいの基準はせめてとってくださいと。
ということは、(年間)5ミリシーベルト以上はすべて強制移住です。
そこ(その地)を例えば、国有化すればいいんですよ。
除染なんかするお金があるなら、まとまったお金を移住するために使うと。
そして新しい土地(新天地)で、新しい人生を始めてもらうということです。
そうすれば、買った国有地に、汚染物質を全部持っていけばいいんです。


スタジオ
これ、ちょっとフォローしますと、原発事故の前は、年間1ミリシーベルト以上はだめだったんですよ。
原発事故が起きて、実際に汚染が発生して、で、どうなったかというと、
今、20ミリシーベルト以下だったら、住んでいいことになってるんですよ。
そういうふうなことに対して、現役のお医者さんは、それはおかしいだろう?と。
で、世界中で、20ミリシーベルト以下でも影響があるというような論文は、いっぱい出てますよと。

これは例えば、すぐ先にガンになる、というような話じゃないので、これから10年、20年先かっていうところで、
その現象が明らかに、統計的に優位な変化を見せてきた頃には、今こうやって担当したり暗躍したりしている人たちは、もうその場に居ないっていうことで、
後は野となれと思ってやってるとしたら、犯罪ですよね。

高木美保氏:
私は、福島県の隣の、那須町という所に住んでいるんです。
で、那須町っていうのは、福島以外に除染が必要な所があるんですけども、
高線量メニューと低線量メニューに分かれていて、栃木の那須町ができるのは低線量メニューだけなんですよ。
国から補助が出たりとかしてね。
で、低線量メニューっていうのは、今例が上がって、非常に効果があるか分からないとか指摘されている高線量メニューよりも、さらに簡素化されたメニューなんです。
屋根をあんなにきれいに、バーッと取らないしね。
それで、那須町は、これはおかしいんじゃないかっていうことで、低線量メニューの効果を自分たちで調べたんです。
その結果、効果が無いんじゃないか、という結論が出たので、国に持ってったんです。
そうやって訴えたら、国は、一定の効果が認められるので、このままやってくださいと言って、でもその根拠は示さなかったんです。

玉川氏:
これを復興庁に聞いたんですよ。



質問:
現在、年間1~20ミリシーベルトでも、住民が生活していますが、健康への影響は問題ないのか

復興庁の回答:
広島・長崎の原爆被爆者の疫学調査の結果からは、
100ミリシーベルト以下の被ばくによる発ガンリスクは、他の要因による影響によって隠れてしまうほど小さい
とされています。
避難については、住民の安心を最優先し、事故直後の1年目から、ICRPの示す年間20~100ミリシーベルトの範囲のうち、
最も厳しい値に相当する、年間20ミリシーベルトを、避難指示の基準として採用しました


という回答が戻ってきたが、その同じ国(日本)が公表した、こんなデータがある。



低線量の放射線の影響について(原発作業員の方などに対しての疫学調査)
10ミリシーベルトの被ばくで
全がん死    4%
肝臓がん死  13%
肺がん死    2% 
増加する。

(2010年 文部科学省公表の資料から *数値は確定したものではなく、今後も追跡調査が必要)

広島・長崎などで、拡散したり残留したりした放射能の物質の質と、今回の原発から出た物とは、違うものがありますよね。
それもありますし、外から浴びる放射線だけをカウントしているんだけども、さっき言ったように、風で舞っている可能性もあって、そういうのは吸い込むわけですよ。
内部被ばくっていうのは、全然影響が違うんですけども、そういうふうなところはもちろんカウントされていない

それでさらに、環境省に尋ねました。
除染についての環境省の見解です。



質問1
年間1ミリシーベルト以下まで除染できるのか?
質問2
『長期的目標』として、年間1ミリシーベルト以下にするとしているが、『長期的』とはいつぐらいまでか?

環境省の回答:
生活環境等の除染については、放射性物質汚染対処特措法に基づき、政府一丸となって取り組みを進めているところです。
政府全体として、復興が進むよう、地元とよく相談していきます。
その上で、環境省としても、除染等により、事故由来放射性物質が、人の健康や生活環境に及ぼす影響を、低減してまいります。


ちょっと待って、聞いている話と全然違うじゃないかと。
何一つ答えてないじゃないかと。
文字数埋めただけじゃないですか。
だから、答えてくれないんですよ。
具体的な根拠が無いってことなんですよね。示されないんですよ、いつ聞いても

少なくとも、チェルノブイリの基準並みに、国は補償すべきではないか

つまり、5ミリシーベルト以上は、やっぱり住んではいけない場所だというふうにロシアは考えているわけです。
それで、日本人とロシア人は違うわけではないので、これはそうだろうし、
それからやっぱり、2ミリから5ミリの間でも、お年寄りで、もうそこにどうしても住みたいんだという人は別にして、
少なくとも子どもは、子どもを救うための、この法律(『原発事故 子ども・被災者支援法』)を作ったわけですから、
そういうふうな基準を一刻も早く出して欲しい
という、今日のそもそも総研でした。