数日前に報じられたニュースやけれども、グレゴリー・ヤツコ氏が日本で行わはった記者会見についての記事を紹介します。
彼は、福島第一原発事故の発生当時、米国原子力規制委員会(NRC)の委員長やった方です。
事故後、西海岸一帯の、原発を抱えてる州の知事らが集まって、彼を問い詰めてるビデオをつい最近観ました。
その中で女性の知事が、
「このアメリカで、福島のように、地震が起こる確立がかなり高い所に建てられてる原発は何基あるのか?」と、何度も何度も問い質すのですが、
ヤツコ氏は、ていねいに答えながらも、その数をきちんと言わない。
もちろんそれは、その原発は、他のどこでもない、その知事の州であるからやとは思いますが、その態度に焦れた知事が、
「では、福島ほどではないとしても、地震が起こる可能性のある場所に建てられてる原発は何基あるのか?」と聞きます。
知事として、重大な原発事故が起こった時には、住民をなにがなんでも守らなあかん。
地震はいつか起こる。
原発は事故を起こす。
そのことを前提に、専門家であるヤツコ氏と、どうするべきかを話し合いたいのに、彼はお茶を濁すような答しか返してこない。
やはり、明快な答を口にしない彼の姿を見ながら、原子力の世界で長を務めるということはこういうことか、などと思たりしました。
そうはいうても、こちらの規制委員会は、日本のそれとはだいぶ性質が違うようです。
NRCは、原子力安全に影響するリスクは過小評価しませんし、事業者の活動を絶え間なく監査しています。
職員はみな、専門職です。
原子力専門家として、集中的、かつ継続的な教育を進めることで、世界のトップクラスの人材を養成しています。
委員は、意思決定には責任を負います。
「それは我々が口出しする問題ではない」などというような、どこかの委員長みたいなボケたことは言わないわけです。
安倍総理の「コントロール下に置かれている」というアンポンタン発言は、
これからもずっと、ずっとずっと、なんらかの形で非難され続けていくとは思いますけれども、
なんでそれが、海外からのものなのかと、わたしには不思議でなりません。
日本の報道社(者)は、他人事みたいに、あの人がこう言うてた、この人もああ言うてたと、
自分らの意見はこっそり隠して、あるいはそうすることで自分の会社や身を護りながら、これからも腰抜けっぷりを披露してくれるんでしょうか……。
↓以下、転載はじめ
HUFF POST SOCIETY -社会-より
「汚染水のコントロールは不可能」米・原子力規制委員会 ヤツコ前委員長が指摘
汚染水を完全にコントロールするのは無理
福島第一原発事故の発生当時に、アメリカ・原子力規制委員会(NRC)の委員長だったグレゴリー・ヤツコ氏が9月23日、記者会見で話した。
*******************************************************************
Q:
安倍総理がコントロールできると言っていることについてどう思いますか?
グレゴリー・ヤツコ氏:
(汚染水を含む)地下水の影響を最小限にするのは可能だが、すべてコントロールするのは無理だ。どんなことをしても流れ出てしまう。
ヤツコ前委員長は、
「福島第一原発の汚染水の問題は、以前から予想されていたにもかかわらず、ここまで放置されていたことに驚いた」と述べました。
また、
「汚染水への対応について、事故を起こした東京電力が、主体となってやるのは当然であるが、政府もしっかり監督すべきだ」と指摘しました。
テレ朝 news「福島第一原発「地下水制御できない」NRC前委員長」(2013/09/24)より
********************************************************************
福島第一原発から漏れ出る汚染水をめぐっては9月8日、2020年の夏期オリンピック開催地を決めるIOC総会で、
安倍首相が「汚染水は完全にコントロール下にある」と断言し、事実上の国際公約となっていた。
しかし、発言当初から、汚染水の管理状況について、懸念する声も多かった。
また、東京電力が、首相の発言について、問い合わせを入れたと認めるなど、「コントロール下」発言の根本が揺らいでいた。
ヤツコ氏は、事故当初の、政府の対応の遅れを批判。
汚染水が、国際問題であることを強調している。
NRCは、事故発生直後にすぐ、担当者を福島に派遣していた。
汚染水問題で政府の対応を批判
【NHKニュース】2013年9月23日
一昨年、東京電力福島第一原子力発電所の事故が起きたとき、NRC=アメリカ原子力規制委員会の委員長を務めていたグレゴリー・ヤツコ氏が23日、
東京都内で講演し、福島第一原発の汚染水の問題について、
「なぜ、もっと早く政府が関与しなかったのか、不思議でならない」と述べ、日本政府のこれまでの対応を、批判しました。
グレゴリー・ヤツコ氏は、アメリカ原子力規制委員会の委員長を去年7月まで、3年余り務めた物理学者で、
福島第一原発の事故のあと、その対応を巡る日米両国間の協力や、アメリカの原発の安全対策の見直しを進めてきました。
「なぜ、もっと早く政府が関与しなかったのか」
23日、東京・千代田区の会場で、「アメリカから見た原発事故」と題して講演したヤツコ氏は、
福島第一原発で、タンクから汚染水が漏れ出した問題について、
「東京電力に対応能力がない、という懸念を、国際的にますます高めた。
規模や関心の大きさから、なぜ、もっと早く、政府が関与しなかったのか不思議でならない。
日本国内では、ほかの原発の再稼働にばかり関心が集まり、福島第一原発の汚染水の対応が、忘れられていたようだが、
国際的には、まだまだ対応を続けなければならない、という意識があり、アメリカを含め、それがさらに深まった」と述べ、
日本政府のこれまでの対応を、批判しました。
そのうえで、
「課題は今も続いていて、あしたとか来月などという期間では無くならない。
何年、何十年、あるいは、福島第一原発が完全に廃炉になるまで続く。
漁業者だけでなく、住民や経済に与えている影響は大変、甚大で、日本の原子力への、国際的な信頼が揺らいでいる」と述べ、
汚染水の問題は重大だ、という認識を示しました。
「原発事故は起こるもの」
ヤツコ氏は、日本がこれから、原発とどう向き合っていけばよいかについて、
「原子力の関係者の間では、『原発は安全で、事故は起こらない』という考え方もあったが、
『原発事故は起こるものだ』という基本的な事実を認めないと、オープンな議論はできない。
事故は防げない、という前提で、重大で過酷な事態にならないようにするには、どうすればいいかを考えるべきだ」と述べ、
これまでの発想を変えるべきだ、と指摘しました。
そのうえで、
「住民を、誰1人避難させてはいけないし、周辺や海を汚染してはいけないという、今回の事故の教訓を踏まえた、新しい安全基準を打ち出すべきだ。
また、福島第一原発の汚染水の管理や、核燃料の運び出し、それに、建屋や地域の除染、住民の帰還などについて、
市民が政府に説明を求めたり、対話や議論をしたりするなどの行動が必要だ」と述べ、
一般市民の積極的な関与も求めました。
「100年後には“脱原発”も」
講演会の会場には、100人近くが集まり、質問や意見が述べられました。
それに答えるなかで、ヤツコ氏は、
「核分裂のエネルギーで発電する原発は、費用が高いし、壊滅的な事故のリスクを負っているので、
100年後には、原発が無くなってほしい、という思いは共有したい。
しかし、そこにどうやって到達するかが難しい。
日本は島国で、エネルギー源が少ないが、人的資源と技術や知識などを活用して、よりよい発電方法を開発し、世界をリードしてほしい」と述べ、
深刻な原発事故を経験した、日本による次世代のエネルギーの開発に、期待も示しました。
↑以上、転載おわり
さて、脱原発先生川原茂雄氏が、ご自身のフェイスブックに、こんな写真を掲載してはりました。
これは、今月の22日の愛媛新聞。
◆「世界の原発はすべて止めるべきだ」
米原子力規制委員会(NRC)グレゴリー・ヤツコ前委員長は、福島事故の教訓として、
「原発事故は起こらないなどと、絶対に信じてはいけない」と述べ、全世界の原発停止を訴えた。
この、川原先生は最近、週刊金曜日ルポタージュ大賞で、入賞しはりました。
その作品の名は『原子力ムラと学校ー教育という名のプロパガンダ』
原子力発電所の重大事故が起きてからの2年半。
それまでの、情報は受け取るもの、という習慣を捨て、情報は自分で集め、読み比べ、五感で受け取るべきものを選ぶという毎日が続いてます。
そんな変化の後に思い出してみると、いかにわたし(たち)は、ありとあらゆる場所、方法でもって、あるモノに対する印象を植え付けられてきたかがわかります。
印象づけることと同時に行われてきたのが、信用する、考えない、言われたことを鵜呑みにする、といった一連の思考経路のくせづけ。
わたしは、社会の問題に対して、見聞きした時は長くて数日間ぐらい、自分なりに感じたり考えたりするけども、
そのことで胸を痛めたり、なんとかせなあかんなあと思たことを、その数日後にはすっかり忘れて、自分の生活で手一杯やからと言い訳しながら生きてきました。
運動してる人たちの存在は知ってましたど、それはその当事者の問題で、幸いにも自分はそのことに直接関わってないので、手伝いようが無いと決めつけてきました。
その方が楽やし、自分のペースを守れるし、周りからも変な目で見られたりもしません。
わたしにはわたしの問題が山積みで、それすら解決の糸口が見つからんのに、社会の問題にまで関わってられるわけがない、などと思てきました。
この、人任せで、お上の言うことは、疑わしてもそんなもんかとそのまま受け取り、とにかく考えんように考えんようにして生きてきたわたしのような大人が、
この世には、ものすごく大勢います。
そんな人間が多ければ多いほど、プロパガンダは成功します。
そやから、そういう人間を、できるだけぎょうさん量産すること。
これが、国の一番の仕事やと思います。
などということを、つくづく思い起こさせてくれた、川原先生の受賞なのでした。
早く本になって、大勢の、羊さんのままの人たちに読んでもらえますように。
↓以下、転載はじめ
脱原発先生かわはらしげおのブログより
たっ、たいへんです!
週刊金曜日ルポルタージュ大賞に応募した私の作品『原子力ムラと学校ー教育という名のプロパガンダ』が、入賞しました!
今回は、大賞も優秀賞も該当作なしで、私の作品は選外期待賞ということで、賞金はあたりませんが、
30編の応募作品の中からの、5編の入賞作に選ばれました。
私の作品は、いわゆる、取材によるルポルタージュというのではなく、学校現場で私自身が体験したり、見聞きした事実や知った情報をもとに、
原子力ムラが、いかに学校現場の教育活動に介入し、プロパガンダを進めてきたか...について書いたものです。
これまで、あまり知られていなかった事実を、広く市民に知らせるという意味で、ルポルタージュになるのではないかと思い応募してみました。
賞金はあたりませんでしたが(あたったらあたったで、また道教委から問題になりますが……)、
週刊金曜日の編集委員の皆さんに読んで頂いて、認めて頂いたことは、大変嬉しいですし、励みになります。
機会があれば、是非ともこれも本にして、広く皆さんに読んでもらえるようにしたいと思っています。
↑以上転載おわり
彼は、福島第一原発事故の発生当時、米国原子力規制委員会(NRC)の委員長やった方です。
事故後、西海岸一帯の、原発を抱えてる州の知事らが集まって、彼を問い詰めてるビデオをつい最近観ました。
その中で女性の知事が、
「このアメリカで、福島のように、地震が起こる確立がかなり高い所に建てられてる原発は何基あるのか?」と、何度も何度も問い質すのですが、
ヤツコ氏は、ていねいに答えながらも、その数をきちんと言わない。
もちろんそれは、その原発は、他のどこでもない、その知事の州であるからやとは思いますが、その態度に焦れた知事が、
「では、福島ほどではないとしても、地震が起こる可能性のある場所に建てられてる原発は何基あるのか?」と聞きます。
知事として、重大な原発事故が起こった時には、住民をなにがなんでも守らなあかん。
地震はいつか起こる。
原発は事故を起こす。
そのことを前提に、専門家であるヤツコ氏と、どうするべきかを話し合いたいのに、彼はお茶を濁すような答しか返してこない。
やはり、明快な答を口にしない彼の姿を見ながら、原子力の世界で長を務めるということはこういうことか、などと思たりしました。
そうはいうても、こちらの規制委員会は、日本のそれとはだいぶ性質が違うようです。
NRCは、原子力安全に影響するリスクは過小評価しませんし、事業者の活動を絶え間なく監査しています。
職員はみな、専門職です。
原子力専門家として、集中的、かつ継続的な教育を進めることで、世界のトップクラスの人材を養成しています。
委員は、意思決定には責任を負います。
「それは我々が口出しする問題ではない」などというような、どこかの委員長みたいなボケたことは言わないわけです。
安倍総理の「コントロール下に置かれている」というアンポンタン発言は、
これからもずっと、ずっとずっと、なんらかの形で非難され続けていくとは思いますけれども、
なんでそれが、海外からのものなのかと、わたしには不思議でなりません。
日本の報道社(者)は、他人事みたいに、あの人がこう言うてた、この人もああ言うてたと、
自分らの意見はこっそり隠して、あるいはそうすることで自分の会社や身を護りながら、これからも腰抜けっぷりを披露してくれるんでしょうか……。
↓以下、転載はじめ
HUFF POST SOCIETY -社会-より
「汚染水のコントロールは不可能」米・原子力規制委員会 ヤツコ前委員長が指摘
汚染水を完全にコントロールするのは無理
福島第一原発事故の発生当時に、アメリカ・原子力規制委員会(NRC)の委員長だったグレゴリー・ヤツコ氏が9月23日、記者会見で話した。
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Q:
安倍総理がコントロールできると言っていることについてどう思いますか?
グレゴリー・ヤツコ氏:
(汚染水を含む)地下水の影響を最小限にするのは可能だが、すべてコントロールするのは無理だ。どんなことをしても流れ出てしまう。
ヤツコ前委員長は、
「福島第一原発の汚染水の問題は、以前から予想されていたにもかかわらず、ここまで放置されていたことに驚いた」と述べました。
また、
「汚染水への対応について、事故を起こした東京電力が、主体となってやるのは当然であるが、政府もしっかり監督すべきだ」と指摘しました。
テレ朝 news「福島第一原発「地下水制御できない」NRC前委員長」(2013/09/24)より
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福島第一原発から漏れ出る汚染水をめぐっては9月8日、2020年の夏期オリンピック開催地を決めるIOC総会で、
安倍首相が「汚染水は完全にコントロール下にある」と断言し、事実上の国際公約となっていた。
しかし、発言当初から、汚染水の管理状況について、懸念する声も多かった。
また、東京電力が、首相の発言について、問い合わせを入れたと認めるなど、「コントロール下」発言の根本が揺らいでいた。
ヤツコ氏は、事故当初の、政府の対応の遅れを批判。
汚染水が、国際問題であることを強調している。
NRCは、事故発生直後にすぐ、担当者を福島に派遣していた。
汚染水問題で政府の対応を批判
【NHKニュース】2013年9月23日
一昨年、東京電力福島第一原子力発電所の事故が起きたとき、NRC=アメリカ原子力規制委員会の委員長を務めていたグレゴリー・ヤツコ氏が23日、
東京都内で講演し、福島第一原発の汚染水の問題について、
「なぜ、もっと早く政府が関与しなかったのか、不思議でならない」と述べ、日本政府のこれまでの対応を、批判しました。
グレゴリー・ヤツコ氏は、アメリカ原子力規制委員会の委員長を去年7月まで、3年余り務めた物理学者で、
福島第一原発の事故のあと、その対応を巡る日米両国間の協力や、アメリカの原発の安全対策の見直しを進めてきました。
「なぜ、もっと早く政府が関与しなかったのか」
23日、東京・千代田区の会場で、「アメリカから見た原発事故」と題して講演したヤツコ氏は、
福島第一原発で、タンクから汚染水が漏れ出した問題について、
「東京電力に対応能力がない、という懸念を、国際的にますます高めた。
規模や関心の大きさから、なぜ、もっと早く、政府が関与しなかったのか不思議でならない。
日本国内では、ほかの原発の再稼働にばかり関心が集まり、福島第一原発の汚染水の対応が、忘れられていたようだが、
国際的には、まだまだ対応を続けなければならない、という意識があり、アメリカを含め、それがさらに深まった」と述べ、
日本政府のこれまでの対応を、批判しました。
そのうえで、
「課題は今も続いていて、あしたとか来月などという期間では無くならない。
何年、何十年、あるいは、福島第一原発が完全に廃炉になるまで続く。
漁業者だけでなく、住民や経済に与えている影響は大変、甚大で、日本の原子力への、国際的な信頼が揺らいでいる」と述べ、
汚染水の問題は重大だ、という認識を示しました。
「原発事故は起こるもの」
ヤツコ氏は、日本がこれから、原発とどう向き合っていけばよいかについて、
「原子力の関係者の間では、『原発は安全で、事故は起こらない』という考え方もあったが、
『原発事故は起こるものだ』という基本的な事実を認めないと、オープンな議論はできない。
事故は防げない、という前提で、重大で過酷な事態にならないようにするには、どうすればいいかを考えるべきだ」と述べ、
これまでの発想を変えるべきだ、と指摘しました。
そのうえで、
「住民を、誰1人避難させてはいけないし、周辺や海を汚染してはいけないという、今回の事故の教訓を踏まえた、新しい安全基準を打ち出すべきだ。
また、福島第一原発の汚染水の管理や、核燃料の運び出し、それに、建屋や地域の除染、住民の帰還などについて、
市民が政府に説明を求めたり、対話や議論をしたりするなどの行動が必要だ」と述べ、
一般市民の積極的な関与も求めました。
「100年後には“脱原発”も」
講演会の会場には、100人近くが集まり、質問や意見が述べられました。
それに答えるなかで、ヤツコ氏は、
「核分裂のエネルギーで発電する原発は、費用が高いし、壊滅的な事故のリスクを負っているので、
100年後には、原発が無くなってほしい、という思いは共有したい。
しかし、そこにどうやって到達するかが難しい。
日本は島国で、エネルギー源が少ないが、人的資源と技術や知識などを活用して、よりよい発電方法を開発し、世界をリードしてほしい」と述べ、
深刻な原発事故を経験した、日本による次世代のエネルギーの開発に、期待も示しました。
↑以上、転載おわり
さて、脱原発先生川原茂雄氏が、ご自身のフェイスブックに、こんな写真を掲載してはりました。
これは、今月の22日の愛媛新聞。
◆「世界の原発はすべて止めるべきだ」
米原子力規制委員会(NRC)グレゴリー・ヤツコ前委員長は、福島事故の教訓として、
「原発事故は起こらないなどと、絶対に信じてはいけない」と述べ、全世界の原発停止を訴えた。
この、川原先生は最近、週刊金曜日ルポタージュ大賞で、入賞しはりました。
その作品の名は『原子力ムラと学校ー教育という名のプロパガンダ』
原子力発電所の重大事故が起きてからの2年半。
それまでの、情報は受け取るもの、という習慣を捨て、情報は自分で集め、読み比べ、五感で受け取るべきものを選ぶという毎日が続いてます。
そんな変化の後に思い出してみると、いかにわたし(たち)は、ありとあらゆる場所、方法でもって、あるモノに対する印象を植え付けられてきたかがわかります。
印象づけることと同時に行われてきたのが、信用する、考えない、言われたことを鵜呑みにする、といった一連の思考経路のくせづけ。
わたしは、社会の問題に対して、見聞きした時は長くて数日間ぐらい、自分なりに感じたり考えたりするけども、
そのことで胸を痛めたり、なんとかせなあかんなあと思たことを、その数日後にはすっかり忘れて、自分の生活で手一杯やからと言い訳しながら生きてきました。
運動してる人たちの存在は知ってましたど、それはその当事者の問題で、幸いにも自分はそのことに直接関わってないので、手伝いようが無いと決めつけてきました。
その方が楽やし、自分のペースを守れるし、周りからも変な目で見られたりもしません。
わたしにはわたしの問題が山積みで、それすら解決の糸口が見つからんのに、社会の問題にまで関わってられるわけがない、などと思てきました。
この、人任せで、お上の言うことは、疑わしてもそんなもんかとそのまま受け取り、とにかく考えんように考えんようにして生きてきたわたしのような大人が、
この世には、ものすごく大勢います。
そんな人間が多ければ多いほど、プロパガンダは成功します。
そやから、そういう人間を、できるだけぎょうさん量産すること。
これが、国の一番の仕事やと思います。
などということを、つくづく思い起こさせてくれた、川原先生の受賞なのでした。
早く本になって、大勢の、羊さんのままの人たちに読んでもらえますように。
↓以下、転載はじめ
脱原発先生かわはらしげおのブログより
たっ、たいへんです!
週刊金曜日ルポルタージュ大賞に応募した私の作品『原子力ムラと学校ー教育という名のプロパガンダ』が、入賞しました!
今回は、大賞も優秀賞も該当作なしで、私の作品は選外期待賞ということで、賞金はあたりませんが、
30編の応募作品の中からの、5編の入賞作に選ばれました。
私の作品は、いわゆる、取材によるルポルタージュというのではなく、学校現場で私自身が体験したり、見聞きした事実や知った情報をもとに、
原子力ムラが、いかに学校現場の教育活動に介入し、プロパガンダを進めてきたか...について書いたものです。
これまで、あまり知られていなかった事実を、広く市民に知らせるという意味で、ルポルタージュになるのではないかと思い応募してみました。
賞金はあたりませんでしたが(あたったらあたったで、また道教委から問題になりますが……)、
週刊金曜日の編集委員の皆さんに読んで頂いて、認めて頂いたことは、大変嬉しいですし、励みになります。
機会があれば、是非ともこれも本にして、広く皆さんに読んでもらえるようにしたいと思っています。
↑以上転載おわり