ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

これが、一国の首相が胸張って「状況は制御されていることを私が保証する」と公言した『福島の現実』

2013年09月12日 | 日本とわたし
たくさんの新聞記事を書き起こししてくださっている大友涼介さんのブログ『大友涼介です』より、転載させていただきます。
なお、太文字や文字色の変更は、わたしがしました。

「建屋周辺地盤 液状化の恐れ」
【東京新聞】2013/09/12

<書き起こし開始→

東京電力福島第一原発の汚染水の脅威は、海洋流出による汚染にとどまらない。
現在、海側に流出を食い止める遮水壁を建設中だが、逆に1~4号機周辺の地盤に水が貯まり、軟弱化する恐れが指摘されている。
大きな地震がくれば、一気に液状化しかねない。
汚染水対策は文字通り綱渡りの状態だ。

(林啓太記者)

◇福島第一 汚染水対策綱渡り

福島原発は、沼地に立っているに等しい。地下水の水位の上昇は危機的だ。大きな地震が起きたら、惨事に直結する

脱原発市民団体「たんぽぽ舎」副代表の山崎久隆氏は、こう警鐘を鳴らす。

原発敷地の地下水位は、先月、岩盤を薬剤(水ガラス)で固める工事により、地下水が流れ難くなり、地表から1.2メートル下まで上昇していた。

地下水位の上昇について、大阪工業大の日置和昭准教授(地盤工学)は、
一般論として、基盤の打ち方が浅い建物は、水の浮力で浮き上がったり、地盤が弱まり傾く可能性がある。
地震が起きた際は、地盤が液状化しやすくなる
」と指摘する。

山崎氏が、「沼地」と表現するのは、この原発が、地下水の豊富な場所に立地するからだ。
建屋の周辺に、地下水汲み上げ井戸が約60本あり、事故前は、毎日850トンが汲み上げられていた。


◇埋め立て地の海側周辺軟弱

東京電力は現在、水ガラスの壁とは別に、海側に、全長約800メートルの遮水壁を建設中だ。
来年9月の、運用開始を目指す。
だが、山崎氏は、
遮水壁の前に地下水が貯まり、地盤がさらに緩くなる原因になりかねない」と懸念する。
とりわけ、タービン建屋の海側周辺は、埋め立て地。
砕石などで埋め立てられており、軟弱だ。

そんな場所で、大地震が起きたらどうなるのか。
山崎氏は、
今度の地震で、建屋の周辺は液状化する。放射性物質を含む地下水が、土砂とともに噴出し、手が付けられなくなる」と想定する。
建屋も傾斜しかねない。使用済み核燃料プールや、冷却水の配管が破壊されれば、大変な事態になる

4号機では、11月中旬から、使用済み核燃料プールに保管する、1533体の燃料を取り出す作業が始まるが、
地盤の緩みで大きな事故が起こらないか、不安が残る。

燃料は、キャスクと呼ばれる容器に入れ、クレーンで吊り上げて地上に下ろすが、高低差は約30メートル。
山崎氏は、
キャスクの強度は、高さ9メートル以上からの落下には、保証できない」と問題視する。

容器が破損して、中の水が抜ければ、数日で発火する。
 液体窒素をかけるなどの対応ができなければ、現場に残された残りの燃料を巻き込む火災となり、放射性物質が撒き散らされる


東京電力広報部の担当者は、
液状化は、地面の表層部については、可能性を否定できない」としつつも、
タービン建屋の下は岩盤なので、液状化の可能性はない、と考える」と安全性を強調している。

一方、東京電力は1~4号機周辺の土壌を凍らせる、凍土の遮水壁を造る予定だが、元国会事故調査委員会委員の田中三彦氏は、
氷は水より体積が大きく、霜柱と同じ原理で、建屋が浮き上がってしまう可能性がある」との、別の問題を指摘している。

↑以上、転載おわり


で、こんな事態を抱えて、後手後手の、効果があるのかないのかわからん作業や工事を、現場の人たちに押し付けたまんまの内閣総理大臣(と金魚のフン)が、
ビジネスやらファーストやらのクラスの、高額な旅費使て、遠い国まで飛んで行き、
にこやかな表情、というのを貼付けたまんまの顔で、身振り手振りで言うたことにゃ、

『フクシマについてお案じの向きには、私から保証をいたします。
 状況は統御されています。
 東京には、いかなる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、今後とも及ぼすことはありません」 

あんたが保証できることなんか、ひとつとして無いわ!
いかなる悪影響ってなんや!
悪影響ってなんや!
福島を、東北を、いったいなんやと思てるんや!
同じ国の、首相のあんたが守るべき国民が生きてるとこちゃうんか!
謝れ!
被災地の人に謝れ!
ほんで、あんたのせいで、あんたみたいな利己主義で無責任な人間と一緒にされて、辟易してる東京人に謝れ!

五輪に参加してはる国々の、選手やコーチやその家族のみなさん、
2020年までに、そして開催されてる期間に、東京及び東京の周辺が、どういう環境にあるのか、
そのことにしっかりと注意を払てください。
IOCも、主催国も、なにかとんでもないことが起こっても、「非常に遺憾である」のひと言を、マイクの前で言うだけです。
自分らは無責任極まる人間のくせに、他人には『自己責任』を押し付けるのがだぁ~い好きな連中です。
そやから、自分でよう調べて、考えて、決めてください。
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汚職と責任回避と利権の温床『IOC』と『政治屋集団』に、汚され破壊され続ける肉体と精神と自然環境

2013年09月12日 | 日本とわたし
お三方の、今回の東京五輪に対するそれぞれの思いを、ここに紹介させていただきます。

いわきの初期被曝を追及するママの会』ブログから。



東京オリンピック開催決定!あなたの喜びは、私たちの悲しみです
2013.09.11

東京オリンピック開催決定。

このクレイジーな事態が、私たちに与えるショックの大きさは、言葉にできるものではありません。

世界の同情を引くために、原発事故の被害を受けてしまった福島の子どもたちを利用した、安部首相の最悪のプレゼンは、忘れられない内容です。

「福島の子どもたちが青空のもとで元気にサッカーをしている」

「福島の子どもたちに夢を……」


原発事故の真実を知ってか知らずしてか、東京での開催を求めたみなさんの声が、福島の子どもたちの未来を、更に奪うことに繋がったという罪深さを、
私たちは、重大なものと受け止めています。

あなたたちの喜びは、私たちの悲しみです。

あなたたちの犯した罪の重さを、私たちは問い続けます。

福島の問題を封じ込めようとする動きに、あなたが加担していることを、自覚して下さい。

私たちの子どもは、未だに救済されないまま、あなた方の幸せの犠牲になっているという事実に、向き合って下さい。

たとえ、どんなに声が小さくても、私たちは、福島から叫び続けます。

原発事故の被害を受けた子どもたちの未来を、真剣に考えて下さい。

社会全体として、救済する流れを、早急に作ることに力を貸して下さい。

過ちを正しましょうと、一緒に叫んで下さい。

誰かの犠牲のもとに成り立つ幸せは、幻です。

その栄光もまた、幻にすぎません。

人生の中の、輝かしいはずの栄光が、誰かの犠牲のもとにある、罪深いものであるということに、気付いて下さい。

なにかを極めるということは、ほかのことなどどうでもいい、ということではないはずです。

せっかくの積み上げてきた努力の舞台が、原発事故を闇に葬るための、国を上げての大芝居の舞台であった、ということに気付いた時、
アスリートのみなさんの喜びは、罪悪感に変わることでしょう。

人生をかけて努力を積み重ねてきた、アスリートのみなさんの栄光を、そのようなものにしてしまうこともまた、とても残酷なことだと感じます。

7年後に東京で開催されるオリンピックは、私たちの問題を揉み消すための、最悪のオリンピックだということを、十分に理解して頂きたいと思います。



室井佑月 東京五輪決定も「世の中の雰囲気についていけない」
〈週刊朝日〉9月11日(水)
 
56年ぶりに、東京で、オリンピックが開催されることとなった。
その直前の最終プレゼンで、安倍晋三首相は安全性を強調したが、作家の室井佑月氏は、疑問を呈する。

*  *  *
 
法案成立後から、ずっと放置されていた「子ども・被災者支援法」は、放射線量基準値を決めないまま、
福島県内33市町村を、「支援対象地域」に指定するようだ。
復興庁が、そんな基本方針案を出してきた。

線量を基準にしたら、もっと広い範囲に、対象が広がりそうだからじゃないのか。
ホットスポットが見つかった場所の、放射線測定費として、国はこれまで、6億4千万円の予算をつけたが、
結局、原子力規制庁は、なんにもしなかった。

ほんとうに、それで大丈夫なの?

この夏、増え続ける、汚染水の問題が出てきた。
しかし、それは、オリンピック招致のニュースで、消されてしまった感じ。
収束の目処がつかない原発のニュースは暗いから、オリンピックの明るい話題にしましょうってことじゃないよね。

こういった世の中の雰囲気に、ついていけない。
そして最近では、そういった自分に、罪悪感を抱くようになってきた。
まるで、世の中を暗くしている元凶が、自分なのではと思えてきたりして。
そういう気持ちにさせられてしまう、雰囲気が怖い。

かろうじて、雰囲気に流されていないのは、子供の親だからだ、と思う。

じつはこの夏、息子の甲状腺のエコー検査と、尿検査をしにいった。
一度、心配してしまえば、不安な気持ちが大きくなるばかりだったから。

結果、息子の喉には、5個の嚢胞(のうほう)が見つかった。

医者がいうには、そのこと自体はそんなに大変なことじゃないし、大事を取って、二十歳くらいまで、1年に1回、エコー検査と尿検査を受ければ問題ない、のだとか。

とりあえず検査して安心した? 
いや、あたしはその後、もっと暗い気持ちになった。

福島や、ホットスポットに住んでいる、子供のいる親たちは、どういう気持ちで今を過ごしているのだろう、と想像するからだ。
叫び出したいくらい不安なんじゃないか。
子供を守るのは親の役目だから、あたしは間違ったことはしていないはずだ。
うちは気にしていると、あたしが正直に書くことにも、意味があると思っている。

でも、東京にいる者がなにやってんだと、後ろめたい気持ちにもなる。
させられるのだ、今の世の中の雰囲気に。

あたしは不思議でならない。
「子ども・被災者支援法」に携わっている、復興庁の人々や、ホットスポットの放射線測定費の負担事業を任された、原子力規制庁の人々に、子供はいないのか。
いたとしたら、自分の子供の心配は、まったくしないのか。

自分の子供が、線量が高いといわれる場所にいたら、どういう気持ちになるか、人として最低限の想像力を、なぜ持っていない?

国の方針に間違いはなく、絶対に信じられるものだという情報を、なにか握っているなら、あたしたちにもわかりやすく教えて欲しい。
時間が経てば経つほど、不安は増幅していく。

※週刊朝日 2013年9月20日号



オリンピックは要らない
小幡 績

あえて今書こう。

正確に言えば、IOCは要らない。

もっと正確に言えば、開催地決定プロセス、招致活動は要らない。

開催地を競わせるのは、IOCの力を強めるためだけのことであり、ソルトレイクで示されたように、汚職の温床だ。

官僚制の典型で、開催地決定プロセスにおいて激しく競わせることにより、個人的にベネフィットを得ると同時に、
立候補地に、多額の投資、あるいは成功を約束させ、自分たちの組織の失敗を回避、責任を回避している。

そして、開催決定プロセスですら、大きなビジネスの利権となってきた。

ロサンゼルス以来、オリンピックは、アマチュアアスリートのピュアな祭典から、ビジネスとなり、
サマランチにより、それは、組織の利益最大化となった。

私は、アスリートの活躍には感動するが、東京の招致決定にも、華やかなプレゼンテーションにも感動しない。

開催地は、地域ごとの持ち回りとし、これまでの選手の実績、および開催を、最低限実施できるかどうかの客観的な足きり基準を設けたら、
その後は、出場選手数の多い順に、機械的に開催すればよい。
その国が辞退したい場合は、もちろん自由だ。

それで何が悪い。

アマチュアスポーツの祭典として、安全に、アスリートが力を発揮できれば、それ以外は何も要らない。
コメント (6)
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