ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

関東以北在住市民は、世にも危険な4号機核燃料取り出し作業についての『公聴会』を開かせるべし!

2013年11月03日 | 日本とわたし
昨日の夜中に、4号機の使用済み核燃料の処理作業について、アメリカが申し出ていた支援を、東電が受け入れた、という記事を訳しました。
訳しながら、なんか腑に落ちないというか、なにこの中途半端な感じは?と、もやもやした気持ちがとれませんでした。

そして今日、友人のひとりから、その記事へのコメントを、また別の友人からメールをもらい、自分なりにまとまったことがあるので、それを書きたいと思います。


4号機の使用済み核燃料の吊り出しと移動を、どうしても行うというのなら、条件があります。

『公聴会』を開くよう要求してください。

活動家の友人から、この言葉を聞いて、わたしもハッと気がつきました。
本当は、詳細な現場状況を国民に告知し、その上で取り出し作業に伴うリスク、そして作業予定をすべて公開し、緊急時のプランを綿密に練っておく必要があります。
それなのに、しら~として始めるのは、民主主義の手続きではない。
せめてアメリカみたいに(やらせであっても)公聴会をして、国民の、意見を聞く機会を設けるべきです


その通りやと思います。


公聴会を開き、そこで作業の工程を説明させ、それらいちいちの作業につき、どのような事故が想定されているのか。
その事故の、それぞれの内容、危険の度合い、それから起こった際の作業員を含む市民の避難経路と方法、
避難はどれぐらい続くのか、戻れない可能性がある場合の移動場所の確保、作業継続が困難になった場合の対処方法などなど、

とにかく、聞きたいこと、聞かなければならないことをすべて、徹底的に聞き、まともな答を得られるまで、公聴会を開き続けてください。

今までの2年8ヶ月もの間、どれも簡単なものだとはいえないものの、この4号機の処理に比べたらはるかに容易な事故処理でさえ、
全くまともにできなかった東電という会社と、そこに丸投げしている無責任の塊のような政府。

身を護るには、それなりの時間と手間を割かなければなりません。

『公聴会』、開かせてください!!


↓続いて以下は、先日翻訳した、4号機の事故処理についての記事に、コメントを入れてくださった白やぎさんの見解です。

『記事中にもあった通り、東電社長のコメントを含め、NHKのニュースで流れました。
自分が確認した限りでは、このNHKのニュースが唯一、援助受け入れについて報じたものです。

しかし、見出しからもわかるように、あくまでも「汚染水問題」がメインであり、
燃料棒取り出しについては触れられる事もなく、「廃炉」のひとくくりで丸められています。

米長官 汚染水問題で東電と技術協力強化へ 
2013年11月1日
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131101/k10015751801000.html

アメリカ・エネルギー省のモニツ長官は、東京電力福島第一原子力発電所を視察し、
東京電力の廣瀬社長と、汚染水の処理や地下水の汚染の防止など、5つの分野で技術協力を強化することで一致しました。

福島第一原発では、山側から流れ込む地下水が、建屋やその周辺で汚染され、海に流出していますが、
汚染された地下水の動きや詳しい汚染源が、把握できない状況が続いています。

1日は、日本を訪れているアメリカ・エネルギー省のモニツ長官が、福島第一原発を視察し、
海側の地下水の、観測用の井戸や、汚染された地下水を護岸でくみ上げる設備などを、見て回りました。
視察後、モニツ長官は、
「地下水の動きを把握するのは大変だ。
アメリカ・エネルギー省の研究所で開発している、汚染水対策の技術が活用できるのではないか」と話したということです。
そのうえで、東京電力の廣瀬社長と、汚染水の処理や、地下水の汚染の防止、それにメルトダウンした燃料の回収など、
5つの分野で技術協力を強化すること、で一致しました。

アメリカ・エネルギー省は、ワシントン州にある核軍事施設で、放射性物質が漏れ出した問題などを受けて研究所を作り、
汚染された地下水を、大規模な設備でくみ上げて処理したり、地下水の動きを常時、監視したりする技術の、研究開発を進めています。


視察のあと、東京電力の廣瀬社長は、
「汚染水対策の分野で期待するところは大きい。
将来的には、溶け落ちた燃料の取り出しなど、難しい課題があるので、技術協力を頂きたい」と話しました。

ことし9月に、原子力規制委員会に申請した柏崎刈羽原発の6号機と7号機の、安全審査が進んでいないことについては、
「福島第一原発でしっかり対応しないと、柏崎刈羽原発が大丈夫かと不安を抱かれるのはもっともで、
汚染水対策などをしっかり行い、トラブルを防ぐことが極めて重要だ」という認識を示しました。


↑この中で
>汚染水の処理や地下水の汚染の防止、それにメルトダウンした燃料の回収など、5つの分野で技術協力を強化することで一致しました
とありますが、どんな5分野なのかすらあいまいです。

この5分野については、東電のHPに、社長のコメントが掲載されていました。

米国エネルギー省モニツ長官の福島第一原子力発電所ご視察について 
平成25年11月1日 
http://www.tepco.co.jp/cc/press/2013/1231868_5117.html

東京電力株式会社 代表執行役社長 廣瀬直己

(…中略)当社は現在、5つの分野に関して、DOE傘下の国立研究所との技術協力関係を構築するべく、調整をしていますが、
今回、モニツ長官との会談を通じて、発電所の安定化と、廃炉に向けての技術と知見を共有・蓄積し、
二国間はもとより、世界の原子力発電や廃炉事業に貢献すべく、協力関係を一層強化していく必要がある、との認識で一致しました。

<5つの分野>
・地下水汚染防止
・原子炉建屋内の止水
・廃止措置における廃棄物の処理・処分
・燃料デブリの回収並びに保管・処分
・汚染水の処理



ただ、残念ながらここでも、燃料棒について具体的な記述はありません。

先日の、取り出し認可の件でも、
 
規制委員会は、東電が提出した実施計画について、審査を実施。
その結果、
「使用済燃料は十分に冷却されており、燃料破損が生じた場合でも、周辺公衆に対する被ばく線量は十分小さい」とし、
「落下試験においても、燃料被覆管の密閉性が確保されていた」と評価した。(マイナビニュース 10月30日)
 
■東電は、昨年7月、試験的に取り出した未使用の燃料2体で、腐食が確認されなかったことなどから、
プール内の燃料の健全性は、確保されているとみている。(産経新聞 10月31日)
 
■東電は、水中カメラを使った燃料の健全性の確認方法や、破損していた場合の作業員の被ばく低減策などを示し、
規制委は、「災害の防止上、十分なもの」として、計画を認可した。
更田豊志委員は、
「予想しないこともあると思うので、十分な監視を行うべきだ」と述べた。(毎日新聞 10月30日)


と、どのメディアも、「東電の計画が妥当である」との報道をしており、
10月31日付の河北新報では、ゲンダイ同様、
規制委田中委員長が、
使用済み燃料は潜在的に大きなリスクを持つ。汚染水以上に心配だ。
14年末まで終えると言うが、そんなにうまくいくか分からない
」と述べた。とのコメントをのせています。

当初から、4号機の危険性は指摘されているはずなのに、
燃料破損が生じた場合でも、周辺公衆に対する被ばく線量は十分小さい」とは……。

しかも、規制委員会のトップ本人が、「汚染水以上に心配。そんなにうまくいくかわからない」と考えているのなら、
失敗が許されない作業だからこそ、なぜ、こんなずさんな計画を認可したのか?

そして、ついに今日……、

燃料最多の福島第一4号機、月内に取り出し開始 
【読売オンライン】11月3日
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20131103-OYT1T00193.htm

東京電力が、福島第一原子力発電所4号機の使用済み核燃料プールから、燃料を取り出す計画について、
原子力規制委員会は2日、取り出し用設備の最終検査で、安全が確認できたとして、
東電に、今週にも、「合格証」を交付する方針を決めた。
これを受け、東電は、月内に取り出し作業を始める。


ここまできても、まだ「安全神話」は頑強に残っているのだ…としか思えません。

↑以上、転載おわり


ということで、東電の役員はもちろんのこと、この田中という原子力規制委員会の委員長のいい加減さが、浮き出ています。

そこでこんな記事を、続けて載せさせてもらいます。
前回の記事で紹介させていただいた、秋場氏が書かれた記事です。

田中委員長「事故で引っ越してストレスで病気になるなら、年間20ミリシーベルト以下まで許容した方が良い」の発言に怒髪天

原子力規制委員会委員長である田中俊一は23日、IAEA(国際原子力機関)調査団の報告書に関して、次のような発言をしている。

「(年間1ミリシーベルの数字が)独り歩きしている」

事故が起きた時は、知らない場所に引っ越し、ストレスで病気になる人がいることを考えたとき、
年間20ミリシーベルト以下までを許容した方が良い、というのが世界の一般的な考えだ


ぼくは腹の底から、この発言をゆるせない。
怒髪天を衝くとは、このことだ。

知らない場所に住むより、年間20ミリシーベルトの場所の方が良いだと。
ふざけるなよ。

年間20ミリシーベルトの場所に住む方が、身体への放射線の実効的な影響、さらにそれにたいする精神的ストレスによって、
安全な場所で暮らすより、くらべものにならないくらい、病気になる確率が大きいだろう。

これが「世界の一般的な考えだ」。

年間20ミリシーベルトの場所に住むことが、どれくらいの重いストレスになるか、
ふつうの真っ当な感性の人間なら、すぐに理解できるだろ? 

知らない場所に引っ越して、ストレスから病気になるのをそれほど憂慮するなら、海外や国内への転勤を命じる企業はどうなるんだ。

社員の知らない場所への転勤命令を出したら、傷害罪で訴えられるのではないか。

ウクライナの法律では、年間5ミリシーベルト以上は、「移住義務ゾーン」と決められている。
健康への影響が想定されるから、移住することが義務付けられているのだ。

ちなみに、同国では、1ミリシーベルト以上で「移住権利ゾーン」だ。
住民が希望すれば、国が移住を保障するわけである。

さらに0.5ミリ以上は「放射能管理強化ゾーン」で、厳重な放射能対策をとらないといけないことになっている。

ちなみに、ぼくは千葉県柏市在住だが、原発事故後から1年以上は「移住権利ゾーン」に、
現在は「放射能管理強化ゾーン」に当たる場所もある地域に住んでいるが、妻をふくめ、かなりのストレスがある。

多くの乳幼児が、無邪気に遊んでいた大きな芝生広場のある市内の公園は、事故後、その放射能の影響の恐ろしさが広まるにつれ、
1年ほどまえに除染作業が完了しているにもかかわらず、いま、子どもたちを見る姿は激減している。

子どもをもつ親のストレスは、計り知れないだろう。

ウクライナの施策は、住民の安全を考えてのことであるが、日本はウクライナとはまったく逆の、危険地域へ住民をおしとどめる施策に躍起となっている。

しかも、この発言は、原子力規制委員会のトップだぜ。

「規制」ではなく、「推進」委員会じゃないのか。
いや、日本破滅推進委員会としたほうが、名実ともにふさわしいだろう。

IAEAが国際原子力ムラの巣窟であることは、「世界の一般的な考えだ」けど、
このIAEA調査団の報告と規制委が、歩調を合わせての「20ミリ許容」は、「放射能安全神話」の新たな作・演出である。

これは、全面的な原発再稼働への序幕だ。

現に、田中委員長は、東電の広瀬直己社長と近く会うが、これは、柏崎刈羽原発再稼働の具体的なオープニングにちがいあるまい。

日本の破滅する日が、刻一刻と近づいている……。


↑以上、転載おわり


いやもう、ほんまに悪どいというか、規制なんか全くするつもりがない、寄生しまくってる委員長やありませんか。
そんなんに許可してもろても……。

ええんですか?
日本、終ってしまうかもしれんのですよ。
子どもに申し訳がたつんですか?
なんでもっとがんばってくれへんかったん?って聞かれますよ、きっと。

しつこくてすみませんが、もういっぺん繰り返します。

せめて、公聴会を開かせましょうよ。
起こりうる事故の内容と影響を、逐一公表してもらいましょうよ。
そして、そのいちいちに、どのような対処をし、避難の経路や方法は確率されているのか、
それをきちんと、大人から子どもまで、すべての日本市民が知らされているのか、
それを徹底的に追及しましょうよ。

予定はあくまでも予定であって、決定ではありません。
あ~あ、とか言うて、楽してる場合ではありません。
するならするで、きちんと説明を受けてください。
そんなことすらしないで、言うてもしゃあないがな、決まってしもてんから、とか言うてるような人がいるから、
いつまでも、なんも変わらんのです。

少しの人間でもいいではないですか。
公聴会を開き、情報が徹底されるまで、絶対に開始させてはいけません。
そしてさらに、作業の報道公開も要求する。
これは日本だけの問題ではないのです。
我々、日本人の大人は、それぐらいの自覚と責任を持ちましょうよ!
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「どうやら、原発って、人間のたましいを験すリトマス紙かもしれない、ね……」秋場龍一氏

2013年11月03日 | 日本とわたし
秋場龍一氏のブログ『秋場龍一のねごと』は、よく読ませていただいているブログです。
紹介させていただきます。

↓以下、転載はじめ

2013年11月2日土曜日

どうやら、原発って、人間のたましいを験すリトマス紙かもしれない、ね……。

ぼくは原発を推進するとか、賛成するとか、無関心であるとか、あるいは原発関連で利益を得る、ということが理解できない。

この世の問題、とくに政治的な問題に「絶対」はなく、「相対」として扱わなければならないことがほとんどだ、と思っている。

だけど、原発に関しては「絶対」に反対である。

反対しかあり得ないと考える。

その理由は、地球のほとんどの生物を絶滅させるポテンシャルを秘めているからである。
その現実性はスリーマイルで、チェルノブイリで、フクシマで、嫌というほど覚えたはずだ。

たとえ原発が事故を起こさなくても、それが稼働することによって生み出される放射性廃棄物を、10万年以上にわたって安全に管理しつづけなければならない。

後世に、そんなとんでもなく危険なものを遺していいわけがないだろう。

ぼくたちが、たった40年50年しか使わなかった発電プラントのために、その後、10万年以上も、まったくなんの関係もない人たちに、脅威を与えつづけるのだ。

ぼくは、そんな事実に耐えられない。
そんなものを、自分が生きていた時代に存在させたことに、たとえその存在に反対を唱えたとしても、罪の意識をおぼえる。

そして、こんなものを遺して死んでいくことに畏れがある。

ここのとこ、原発に推進、賛成、無関心、それで利益を得る人というのは、どう思っているのだろうか。

畏れって、ない?

もしかして、自分が死んだあとのことだから関係ない、とでも考えているのだろうか。

でも、たとえば、わが子や孫に、そんなものを「積極的に遺した自分」と、どう折り合いをつけるのだろうか。

いま、オギャアと日本に産まれた、あなたの子どもや孫は、ひとりあたり1千万近い借金、
それに「死の放射能汚染」と「死の廃棄物」という遺産を、生まれながらに背負わされている。

この「事実」に、あなたは堪えられるのか。

そんな人にわが子、わが孫がかわいい、などと言ってもらいたくない。
子どもを愛している、また国を愛している、と思ってもらいたくない。

ほんとにかわいければ、ほんとに愛していれば、そんなものを遺して死んでいくことができるはずがない。

どうやら、原発って、人間のたましいを験すリトマス紙かもしれない、ね……。

原発に関する諸事は、現生の政治の問題だけに収束するのではなく、それは現生を越えた、はるか後世に及ぶ、人類生存の問題なのだ。

だから、山本太郎さんが、原発にまつわる手紙をどんな人に渡そうとも、それは「政治的」には成り得ない。

その山本さんの行為は、現生の政治をはるかに超えた、「人類普遍」のものだから。


↑以上、転載おわり


わたしが感じていること、言いたいことをすべて、秋場さんがまとめてくださったことに感謝!
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米国『東海岸マンハッタン郊外の紅葉』事情

2013年11月03日 | 米国○○事情
今まさに、今年の葉を落とす寸前の、紅葉絵巻の最終章。

ということで、町中の、どこもかしこもきれい過ぎて笑えてくる通りを、片っ端から撮ってみた。


































ただ、この葉っぱが、ぜぇ~んぶ落ちてくることを考えると……。

でも、ありがとう~!木の神さま!今年もう~んと楽しませてもらいました!

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