ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

わたしたち主権者は、『特定秘密保護法』に反対する!ど~ん!

2013年11月20日 | 日本とわたし
すみませ~ん!!またまた当日のお知らせで~す!!

11/21(木)
秘密保護法反対集会+デモ 
東京・名古屋・大阪・仙台・広島・富山・静岡・福島・和歌山・埼玉・春日井・福井・沖縄

国は国民から情報を隠し、国民の情報を奪う、稀代の悪法
「特定秘密保護法」が、現在、衆議院『国家安全保障に関する特別委員会』にて、連日審議されています。
(ネット中継 http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php )

法案に対する疑問点が続出し、かつてない全国的な反対運動が盛り上がっているにもかかわらず、
国会での審議が不十分なまま、安倍晋三総理大臣は来週にも、衆議院を通過させようとしています。


世論を盛り上げ、国会にNOの声を届けようと、
11/21(木)に、
全国一斉に集会・デモが呼び掛けられ
現在までに東京・名古屋・大阪・仙台・広島・富山・静岡・福島・埼玉・和歌山・春日井・福井・沖縄で開催が決定しています。
他でも計画されています。

近くで開催される場合、ぜひご参加ください

また、近くで集会・デモが無い場合、ぜひ企画してください。
その際は、当方にご連絡ください。
no_himitsu@yahoo.co.jp

秘密保護法に反対するその他のイベント情報は、以下で読めます。
http://www.himituho.com/全国運動情報/

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
11月21日(木)
NSC・秘密法反対・カンパ禁止法改悪反対!
共謀罪・盗聴法など一切の治安立法に反対する国会前行動(全日

■8:30~17:00 衆院第二議員会館前

★12時から昼集会予定
http://www.kyoubouzai-hantai.org/news/koudou.htm#1121

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
11/21 (木)
「労働者も秘密保護法に反対だ!」
官邸前行動

21日午後0時半から1時半まで、官邸前で秘密保護法反対の集会「労働者も秘密保護法に反対だ!」を開きます。
全港湾、全日建連帯、新聞労連の呼びかけです。
だれでも参加、発言大歓迎です。
http://www.labornetjp.org/EventItem/1384258851836staff01


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「女性たちは秘密保護法に反対する」記者会見(東京)
11/21・15時半
11月21日(木)午後3時半から4時半まで
衆議院第2議員会館多目的会議室
落合恵子さん、神田香織さん、満田夏花さんなど。
衆参国会議員なども参加予定。取材と参加をお願いします!
https://twitter.com/mizuhofukushima/status/402934927835951105

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「秘密保護法を考える院内集会」
11/21(木)16時~
発言:江川紹子氏、その他
主催 立憲フォーラム
場所 衆議院第一議員会館地下1階大会議室
http://tokyolaw9.blog.fc2.com/blog-entry-70.html

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・東京
STOP!「秘密保護法」 11.21大集会
~「何が秘密?それは秘密」 それはイヤだ!~
■日時 11月21日(木)午後6時半開会/午後7時半 国会請願 デモ
■会場 日比谷野外音楽堂
◆主催 STOP!「秘密保護法」11.21大集会実行委員会
http://www.himituho.com/
後援 日本弁護士連合会
<呼びかけ5団体>
●新聞労連 03‐5842‐2201 jnpwu@mxk.mesh.ne.jp
●平和フォーラム 03-5289-8222
●5・3憲法集会実行委員会
(憲法会議 03-3261-9007/許すな!憲法改悪・市民連絡会 03-3221-4668)
●秘密法に反対する学者・研究者連絡会 article21ys@tbp.t-com.ne.jp
●秘密法反対ネット
(盗聴法に反対する市民連絡会 090-2669-4219/日本国民救援会 03-5842-5842)

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
第45回「After 311~霞ヶ関の中心で愛を叫ぶ!!」
経産省前テントひろばオープンマイク
11月21日(木)18:00~21:00
【歌うたい、ミュージシャン、詩人、役者、その他表現者各位へ】
http://linkis.com/bit.ly/FuuU

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・名古屋 
STOP!「秘密保護法」 大集会(名古屋)
日時 11/21(木)18:30 スピーチ集会(久屋広場)
場所 名古屋市営地下鉄矢場町6番出口すぐ 松坂屋東    
         19:30- デモ
主催:秘密保全法に反対する愛知の会
http://nohimityu.exblog.jp/20898909/ 
賛同団体 愛知県弁護士会をはじめ多数
チラシ  
http://nagoya.ombudsman.jp/himitsu/131121.pdf

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・大阪 
大阪弁護士会主催「ストップ!『秘密保護法』11・21大集会」


時間 11月21日(木)午後7時~8時30分
場所 大阪弁護士会館2階
http://www.osakaben.or.jp/web/02_access/index.php
主催 大阪弁護士会 
http://www.osakaben.or.jp/web/event/2013/131121.pdf

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・広島 
戦争はヒミツから始まる 特定秘密法反対 市民デモ

日時 11月21日(木)
   正午から、「洋服の青山」前で街頭宣伝
   午後6時から、原爆ドーム前で集会
   集会後、6時30分からデモに出発。
場所 原爆ドーム前~八丁堀・福屋前~金座街~本通り~原爆ドーム前のコース
主催 STOP!国家秘密法 広島ネットワーク
http://blogs.yahoo.co.jp/stop_himituhou/32580678.html
http://blogs.yahoo.co.jp/stop_himituhou/32591230.html

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・仙台 
秘密保護法に反対する集会とアピール行進

集合 11/21(木)17:30~勾当台公園市民のひろば
https://twitter.com/tak1381 
https://twitter.com/nao_haga/status/402975239866310656/photo/1

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・富山 
特定秘密保護法案に反対する集会

日時 11月21日(木)午後6時半から
場所 富山市新富町のCiCビル前広場
http://mainichi.jp/area/toyama/news/20131112ddlk16010486000c.html 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・静岡 
天下の悪法!特定秘密保護法を廃案にしよう!11・21全国行動:静岡

☆とき/11月21日(木)
 18:00~ミニ集会
 18:30~市内キャンドルデモ
☆ところ/静岡市青葉公園 B1
☆呼びかけ 改憲阻止11月行動委員会(054-263-0989森)
静岡県労働組合共闘会議(054-271-7302)
秘密保護法反対!市民ひとりひとりアクションネットワーク(054-209-5676地球ハウス) 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・福島 
秘密保護法の廃案をめざす夜デモ&夜飲みin福島市

11月21日(木)18時に福島県庁前集合。デモ行進
主催 秘密保護法反対ふくしまネット
有志で学習交流会(飲み会)をします。
交流会は予約の関係でなるべく一声かけて下さい。会費3500円程度を予定
https://twitter.com/kzskzs

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・埼玉 
安部芳裕 講演会『どうなる?わたしたちの食と暮らしの安全』

(改憲、TPP、秘密保護法)(埼玉)

【参加無料!要・申込】
11月21日(木)10時~12時半、交流会:12時半~14時(昼食持参)
JR埼京線中浦和駅より徒歩3分 託児あり 詳細:http://twl.sh/1asuuhJ 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・和歌山
「特定秘密保護法制定に反対する請願署名」


日時:2013年11月21日(木) 16時30分から
場所:JR和歌山駅西口
主催:県革新懇、安保県民会議
http://wacooplu.jp/2013/11/post-1638/#20131121_1630

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・愛知県春日井市 
特定秘密保護法反対の集会

11月21日夜7時から
場所 春日井市総合福祉センター
講師 伊藤朋紀弁護士
https://twitter.com/miyatamutsuo

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・福井  
集会+デモ

11/21(木)集合:福井駅西口歩道(許可申請済み)
17:00より反対の宣伝活動
仕事などの方は、デモだけでもご参加下さい。
23日の中央公園での集会への参加も呼びかけます。
18:30より駅周辺デモ行進
仕事帰りの労働者・市民、学生に、特定秘密保護法の危険性と訴え、反対の声をあげようと呼びかけます。
主催 秘密保護法阻止福井県連絡会

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・沖縄
STOP! 「秘密保護法」緊急集会

日時 11月21日(木)、12時15分~12時45分
会場 県民ひろば
主催 沖縄平和運動センター
コメント (8)
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安全保障と情報に対する権利の国際ツワネ原則を、「民間の取り決め」と言う人が、この法の最高責任者?

2013年11月20日 | 日本とわたし
昨日の夜11時に締め切られた、国会議員に対する『特定秘密保護法案に反対せよ!』署名に、本当にたくさんの方々が署名してくださいました。
実は、署名フォームがパンクしたため、日本時間の21日の朝6時まで延長されていたそうです。
ごめんなさい!知らずにいました。
けれども、ここのブログ記事を読んでくださった方が、なんと3万5千人を超えるという、びっくり仰天の結果が出ていて、
やはりみなさんも、大変に心配しておられる、危機感を持ってくださっていると、しみじみと実感することができました。

この署名に関してのその後のお知らせです。
↓↓↓
★11月20日(水)10時までに集まった署名は、10,742筆に達しました。
メッセージもとても理性的で、説得力のあるものでした。
本日の議員事務所訪問で、衆議院の自民党・公明党・みんな・維新の議員たちに、提出させていただきました。

★21日(木)に、各党の国会議員に提出します。
ぜひ、みんなで提出に行きましょう!
朝10時に、参議院議員会館ロビーにご集合ください。

★提出したあと、11時から記者会見を行います。
こちらにもぜひ、みなさんご出席ください。
場所はまだとれていないのですが、参議院議員会館ロビーに、11時にご集合ください。


ということで、時差の14時間というのはやはり、なかなか厳しいです。
みんな、すでにもう終ってしまってました……。
お知らせが後手後手になってしまい、本当にすみませんでした。
署名という行動で、秘密保護法案への反対の意思を表してくださったみなさん、
闘いはまだ始まったばかりです。
などというようなことを言うわたしは、もう完全に『扇動罪』の対象ですね。
いやもう、こんなとんでもない悪法は、なにがなんでも却下です!
決めようとしている者達の顔を見ただけでわかります。
意味分かってませんもん。
分かろうという気も無い。
国会議員になった途端に、いや多分それ以前から、
選挙運動で声枯らして自分の名前を連呼する。
議会の席に座って、大多数が賛成しそうな案件に賛成しとく、
あとは適当に、自分のためになりそうな物事や人物に擦り寄る、ぐらいが仕事で、
そんなこんなの大事な法案もTPPも原発も、基地も公害も、
どういうもので、どういう影響があるのか、などということを学ぼうとする議員が、あまりにも少な過ぎて話になりません。
まともに仕事をしないのならクビにしてやる。

主権者を怒らしたら恐ろしい。

わたしらの力を今、この今、見せるべきです。
今が境目だと思います。

自民党はこれまでも、ずっとずっと、いろんなことを隠し続けてきました。
その量は膨大で、真っ黒に塗られた書類は数知れず。
それが当たり前の世界の人間たちなのです。
その結果のひとつが、54基もの原子力発電所であり、使用前、使用中、使用済み核燃料が、小さな領土にぎっしりと置かれているという現実。
しかもその小さな領土の真下には、何層もの活断層がひしめき合っている。

この無責任さの責任をとらせること。
そのためにも、こんな、権力側に都合の良い超悪法は、絶対の絶対に通させてはなりません!








特定秘密保護法案
【中日新聞・社説】
<1>自由に壁が築かれる
2013年11月18日

特定秘密保護法案は、「戦争をしない国」から「戦争ができる国」に進める歯車の役目さえ果たす。
 
日本版NSC(国家安全保障会議)を設ける法案と、セットで提案されているうえ、
その先には、国家安全保障基本法案が見えているからだ。
自民党の法案概要では、憲法九条を改正しなくとも、集団的自衛権の行使ができる魔法のような法案だ。
 
同党幹部は、米中央情報局(CIA)のような、諜報(ちょうほう)機関を新設することも公言している。
この文脈が示すのは、軍事や治安分野への傾斜度を、格段に高めることだ。
秘密保護法案をめぐる国会の議論は、この大きな視野が欠けている。
 
政府は、米国から情報をもらうために、秘密保護法が必要だと説明する。
だが、他国の軍隊や治安機関から情報を得るには、相互主義が基本である。
「ギブ・アンド・テーク」が鉄則とされる。
 
「秘密保護」という表面の言葉に惑わされず、裏面の「ギブ」にも注意を払うべきだ。
米国に提供されうる重要情報である。
現状は不明だが、その収集活動にあたるのは、防衛・公安当局などだ。
 
対象は、中国や北朝鮮、イスラム系など、在留外国人の動向にとどまらないはずだ。
米軍基地の反対運動や、反原発運動など、幅広い市民活動に対しても、監視が強まるだろう。
これを正当化し、本格化させるのが、裏面の目的といえよう。
 
そもそも、法案の前提にされる、「日本はスパイ天国だ」という指摘は本当だろうか。
安倍晋三首相が、「過去15年間で、情報漏えい事件を5件把握している」と答弁したのが、正直な現状ではないか。
現行法でも十分に対処できるうえ、立法事実も存在しない
 
もし、この法案が成立すれば、蛇口を閉じるように、行政機関からの情報量が、大幅に減る心配がある。
何が「特定秘密」かも明らかでないため、公務員側は、ジャーナリストの取材にたじろぐ。
一般情報さえ口にしにくい空気が、役所内部に醸成されよう
 
個人情報保護法ができたとき、さまざまな名簿が、忽然(こつぜん)と消えた
それ以上の萎縮効果が広がるだろう。
民主主義社会は、自由な情報に基づいて築かれている
厳罰法制は、知る権利や報道の自由などに、鎖をつけるに等しい。
 
行政機関の情報漏えいならば、内部の情報保全を徹底すれば済む。
社会全体に投網をかける必要はない。
情報統制色を帯びる法案を、成立させてはならない。



<2>情報は国民のものだ
2013年11月19日

迷ったら、公務員は情報を開示することが原則だ」

米国のオバマ大統領は、一期目の就任初日に、こんな趣旨のメモを記した。
軍事大国で、元CIA(米中央情報局)職員スノーデン氏が告発したように、通信情報を広範に収集している国だ。
 
だが、基本的に、情報はオープンという伝統を持つ、自由と民主主義の大国である。
情報公開を促す、「情報自由法」を持つ
国家機密でも解除は10年未満に設定され、25年たつと「自動解除」原則がある。
50年、75年の例外的なケースもあるが、行政機関がずっと秘密を持ち続けることの方が、困難な制度をつくっている。
 
機密の指定段階でも、大統領令で、行政機関の「長」はフリーハンドで行えず、常に「説明しなさい」という状態に置かれる
疑念があれば、行政内部で、異議申し立てが奨励される。
外部の委員会に、審査請求できる仕組みもある。
 
ここで機密解除された裁決は、2010年度で68%にのぼる。
秘密の範囲が無限定になると、民主主義が危機に陥ってしまう。
同年には、過剰な機密指定を削減する法律もつくったほどだ。
 
秘密保護法案(日本)は、秘密の指定や保管、解除、処罰に大きな欠陥を抱えている
海外メディアの特派員でつくる「日本外国特派員協会」が、「報道の自由、および民主主義の根本を脅かす悪法だ」と声明を出したのも、うなずける。
 
そもそも、行政情報は国民のものである。
国民主権原理が常に働いているからだ。
外交上の秘密であっても、必要最小限のみを指定すべきであり、秘密保持期間も、本来は一時的でなければならない
その外交政策が後に適切であったかどうかの、検証も必要である。
 
国政に関する情報が、基本的に国民に開かれていることが原則である。
(中略)なんでも秘密だというのでは、自由の原則が崩れてしまう
 
1980年代に、スパイ防止法案が論議されたとき、谷垣禎一法相は、月刊誌にこう書いた。
刑罰で秘密を守ろうという場合は、よくよく絞りをかけておかないと、人の活動をいたずらに萎縮させることになりかねない」とも記した。
まっとうな意見だ。
 
現在、谷垣氏は「当時と状況が違う」と語るが、「自由の原則」は不変のはずだ。
民主主義の根幹を揺るがす法案には、外国特派員とともに、「悪法」と呼びたい


<3>崖っぷちの「知る権利」
2013年11月20日

国民の「知る権利」と安全保障は、いわば綱引きのような関係である。
政府は「秘密にしたい」と言い、国民は「情報を公開してほしい」と願う
調整をどのように図ったらいいのか。
 
あらゆる人は、公的機関が保持する情報に、アクセスする権利を有しており、その権利を制限する正当性を証明するのは、政府の責務である
 
今年6月にできた「ツワネ原則」は、そう定めた。
安全保障と情報に対する権利の、国際原則である。
世界70カ国余りの専門家、約500人で作成した。
兵器開発や軍隊の作戦など、限られた範囲での情報制限は認めているが、政府に証明を負わせる点は重要だ。
 
秘密指定を、行政機関の「長」に委ねる特定秘密保護法案と、出発点が決定的に異なる。
さらにツワネ原則は、国際人権法に反する情報など、「何を秘密にしてはならないか」を明確にしている
どこまで秘密に覆われるか不明な日本の法案とは、まるで正反対である。
 
国家の公衆監視も規制し、裁判所で秘密が公開され、審理できる保障も定めている
ことごとく考え方が逆方向なのだ。
国連や米州機構、欧州安保協力機構などのメンバーが加わった最先端の原則から、わざわざ踏み外す法案を、なぜ政府はつくるのか。
 
秘密に対する、日本の官僚のおそまつさを示す一例を挙げよう。
2006年と08年に、当時の「原子力安全・保安院」の、審議官クラスらが渡米した。
原発への航空機衝突や、火災などの場合について、対処法の説明を受けた。
 
だが、米国側から、「秘密だ」と注意された。
そのため、保安院側は、原子力安全委員会にも、電力会社にも伝えなかった
原発の過酷事故に関する重要情報を、せっかく米国から提供されていたのに、全く生かせなかったわけだ。
 
秘密情報であっても、関係機関内で共有され、活用されなくては、何の意味もない
重罰で秘匿化をより強める法案は、実用的でないうえ、官僚をさらに束縛する
 
逆に官僚は、公文書の公開には無関心すぎる。
11年度に保存期間が満了した、行政文書のファイル約230万件のうち、廃棄された割合は、実に92.5%にものぼる。
国立公文書館に移管されたファイルは、たったの0・7%にすぎない。
 
このうえ、秘密の密封度を高める法案とは何事か。
国民の「知る権利」は、崖っぷちに立っている


<4>捜査が暴走し始める
2013年11月21日

普通に生活する町のクリーニング業者が、まさかスパイであるはずがない。
でも、米軍の機密情報を入手したとして起訴され、有罪判決を受けるという、信じ難い出来事が過去にあった
 
米海軍の横須賀基地(神奈川)に所属する、軍艦の乗組員を相手に、商売をしていただけだ。
クリーニング店の支配人は、営業上の必要から、基地に勤務する軍人を、料理店でもてなしたりした。
そして、基地に出入りする軍艦の、入港予定日や時間などを記したペーパーをもらっていた
 
これが、米海軍の機密にあたるとされた。
不当な方法で、探知し、または収集した」とし、1957年に、横浜地裁は、懲役8月執行猶予2年の判決を出したのだ。
罪名は日米地位協定に伴う、刑事特別法違反である。
 
安全保障条約に基づく法律で、機密漏えいばかりでなく、探知も陰謀、教唆、扇動も処罰する。
最高刑は懲役10年である。
陰謀は共謀と同じだ。
骨格が、今回の法案とそっくりなのだ。
もてなしも「不当な方法」と認定された。
 
特定秘密保護法案は、防衛や外交、特定有害活動やテロリズムの防止-の4つの分野を対象にしている。
しかも、「その他の活動」や「その他の重要な情報」など、「その他」の言葉が、三十六回も散乱する。
いかなる解釈もできるよう、官僚が意図して、曖昧に書いているのではないだろうか。
 
社会の幅広い場面で、法律が適用される懸念は大きい。
しかも、何が秘密であるかも秘密にされる。
必然的に、どこまで処罰の範囲が広がっているのか、国民には全く手掛かりがつかめない。
 
民間人が、秘密に近づく事前行為さえ、処罰する。
「話し合い」は共謀であり、「呼び掛け」は扇動となる。
近代刑法は、犯罪の実行を要するのに、その前段階で取り締まることが可能なのだ。
 
刑事裁判の場合も、秘密は公開されないはずだ。
「外形立証」という、秘密指定の理由や手続きなどの審理だけで、「実質的に秘密に値する」と認める手法だ。
 
被告人は、内容を知らないまま罪に問われる
無実の証明は困難になるだろう。
裁判の適正手続きを侵害する」などと、刑事法学者らも反対の声をあげている。
 
捜査当局は、新たな“武器”を得るのに等しく、どんな運用をするかもわからない。
歯止めのない法律は、やがて暴走し始める。
  
(論説委員・桐山桂一)
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