歴史を直視しない、ヒトラーさながらの男
トチ狂った安倍は、『カミカゼ特攻』を、ユネスコの世界記憶遺産に登録することにも、前のめりだという。
安倍がご執心なのは、鹿児島の知覧特攻平和会館が保存する、特攻隊員の遺書などの資料だ。
信じられない発想だが、こんな安倍ベッタリのメディアのせいか、最近の若者は、特攻隊員の遺書を読むと、
「国を守ろうとする使命感を感じた」
「自分にはできないことをしたすごい人たち」
などと言い、時には涙を流すという。
こうした『特攻美化』を、元隊員たちはどう思っているか。
4月30日付の朝日新聞で、ある特攻の生き残り隊員が、「志願じゃない。強制ですよ」と証言していた。
特攻隊員に選ばれて、失神する仲間もいれば、逃げ出して憲兵に捕まり、自殺した人もいたという。
当事者の元特攻隊員が、
「逃げても地獄、突っ込んでも地獄。これが特攻ですよ」と訴えているのに、
安倍たちは「お国への忠誠心」をでっち上げ、暗黒の戦前・戦中を美化しようとする。
「この確信犯的発想は、ナチスの手法そのもので……(以下、略)」
↑以上、書き起こしおわり
以前、元特攻隊員の方が、いろいろと当時の話をしておられたビデオを観たことがあります。
その番組の、元特攻隊員の方々の証言を、文字起こししてくださっていた方がいらっしゃいました。
そこから少し抜粋して、ここに載せさせていただきます。
「振武寮」に隔離された元陸軍 特攻隊員の証言など
http://d.hatena.ne.jp/dj19/20090420/p1
陸軍では、特攻隊員として出撃したが、何らかの要因により、攻撃に至らずに帰還した特攻隊員を、
死んだはずの軍神が生きていてはおかしい、ということで、人目につかないよう秘密裏に、『振武寮(しんぶりょう)』(福岡市薬院)に隔離した。
「お前たち命が惜しくて帰ってきたのか。
そんな死ぬの嫌か。
卑怯者だとか、死んだ連中に申し訳ないと思わないかとか、そういことを毎日毎日言う訳です。
おまえら人間のクズだと」
「お前ら1人帰ってきたために、何人もの(アメリカ軍の)兵隊が助かっとる、言うんです。
なんで死んでこなかったのかと言われた。
理由のいかんを問わず、お前ら国賊だ、言うて」
「振武寮に入ったらビックリしましたね。
周り見たらもう、出撃して死んだと思っていた奴らが、ごろごろしとったんですね。
ここは、特別攻撃隊の収容所かと思いましたね。
そのときの参謀の態度も、非常に腹が立ちましてね。
腕組みして、長靴履いた足をバーンと、こういう(机の上に足をのせる)格好でだしましてね。
ふんぞり返って、貴様らなんで帰ってきた。
飛行機が具合悪かったんでございます。
悪かったのはお前らの腕前だろ」
紙が配られ、特攻隊員になることを『熱望する』『希望する』『希望せず』の、3つの文字のいづれかに○を付けて、提出するよう言われたという。
「『希望せず』に○を付けた者でも、特攻隊になってるの者がおりましたから。
そんなもん、形式的なものだけであって、希望するもしないも全部ひっくるめて、特攻隊を指名したんじゃないでしょうかね。
こんなんがおりました。
オレは希望せずなんだよなぁ~、言うて、しかしやっぱり指名されてしまったわ、というのがおりました」
「軍としては、飛行機の良いのができたら、まず戦闘部隊ですよ。
特攻隊じゃなくて戦闘部隊。
飛行団というのがいっぱいありまして、飛行戦隊、そういうところに良いのがある。
戦闘部隊というのが、天皇直結の部隊だからね。
同じ死ぬのでも、天皇直結に死ぬのだから。まさか、天皇直結の部隊に、ボロクソの飛行機やれないですよ」
「私の立場はね、特攻隊がみんな行って、みんな突っ込んでくれるという前提で、仕事をしてたんですよ。
だから私の方では、そんなにたくさん帰ってくるとはね、夢にも考えなかったです。
帰ってきて、みんなに言わないほうがいいわけですよね。
おれは途中で帰ってきた、なんてね。
結果的に(振武寮は)、隔離所になるわけですよ」
「多くの隊員を出撃させたので、恨みに思われるのは仕方ないし、遺族からも反感を買っているので、
いつ報復されるかわからないと、夜も安心して寝ることができなかった。
80歳までは、自己防衛のために、ピストルに実弾を込めて持ち歩き、家では軍刀を手離さなかったんです」
↑以上、引用おわり
心も思想もなくした予科練
無職 加藤 敦美(京都府 85)
祖父と父は戦前、旧満州(中国東北部)への権益拡大の国策でつくられた、南満州鉄道(満鉄)の社員だった。
私は、旧満州国と関東軍と満鉄が、中国侵略を進める中で成長した。
日本の子どもは、天皇の命令一つで死ぬように育てられ、命は自分のものではなく、死ねば靖国神社の神と化すと教えられた。
命令されて死ぬより、命令される前に命を捧げる忠義が美しいと感じた私は、中学生の時、海軍飛行予科練習生(予科練)に志願した。
それは、特攻隊への道だった。
郷里の神社であった、入隊者を送る神事を覚えている。
私たちは、既に靖国の神になったかのように扱われ、周りから隔離された。
入隊すると、上官に散々なぐられ罵倒され、心も思想もなくし、私は人間ではなくなった。
消耗品だった。
2等兵は「犬にも劣る」とされた。
訓練中に敗戦を迎えた。
最近、映画化もされた『永遠の0』という本を読んだ。
消耗品だった私たちを、立派とほめていると思った。
かつての国家神道の中心施設で、A級戦犯を合祀する靖国を参拝し、英霊に哀悼の誠を捧げると言った、安倍晋三首相の倫理と同じと感じた。
私は、予科練時代を呼び覚まされ、ぞっとした。
老いた私たちに代わり、また若い人たちが、戦場に連れ込まれようとしている。
私は必死で願う。
行くな、行ってはならぬ、地獄だぞ!