アメリカ東海岸に移住して、丸14年経ちました。
今暮らしている家も、間借りしていた家も、どちらも築100年を超えていて、だから色々な所に100年を経た、良く言えば重みが感じられます。
水道管などももちろんかなり古いので、昨年、二階の浴槽の排水が普通になるよう工事をしてもらった時も、今では考えられない配管の仕方が施されており、職人さんが難儀しておられました。
同じく昨年、町の広報で、水道水に混じってはいけない物質が混入していた、との知らせがあり、
もともと飲み水のことには関心があったわたしとしては、簡易フィルターで漉しても物足らず、4リットル入りの飲料水を買い求めたりしていたのですが、
世界には、きれいな水を飲むこともできない子どもたちが大勢いるのにわたしときたら……と思ったり、余計なプラスティックのゴミを作っていることに罪悪感を感じたり、
それでもやっぱり、できることなら、できるだけ安心できるものを飲みたいという気持ちを消すことはできず……、
長い長い間、悶々としながら過ごしておりました。
で、とうとう、旦那がこれを注文し、シンクの下に取り付けようと奮闘してくれたのですが叶わず、専門の方にお願いして取り付けてもらいました。
この台所は、前の持ち主さんが使わないまま何十年も経っていたので、かなりガタがきていますが、いつか大々的に直そうと思っていて、結局はだから放ったらかし……。
その職人ポールさんですら、予定の倍の時間がかかってしまいました。
なぜかというと、古い時代と今の時代の融合を、独自のアイディアで達成しなければならないから、とのことでした。
その過程を写真に撮ってここに載せたかったのですが、如何せん、写真はダメ!と断られてしまいました。
5つのフィルターを経て流れてくる水の甘いこと!本当にまろやかで美味しいです。
3年前のわたしなら、こんなふうに、わーいわーいと、無邪気に喜んでいるだけだったと思います。
伴奏バイトのコンクールを終え、ちょいと一息つきたいところでしたが、甥っ子がまた、夏休みの帰省ついでに、うちに数泊しに来ました。
彼は、うちの息子たちと違い大食漢。
うちに居ても退屈だろうからと、土曜日は映画に、日曜日にはチャイナ・タウンに、旦那とふたりで連れていきました。
うちのおもてなしは、自分たちが元々行きたい所、行こうとしていた所に、ついでに連れて行くというのが基本です。
『Godzilla(ゴジラ)』の映画は、原発事故が原因という設定になっていること、出演者のひとりにブライアン・クランストンがいることで、絶対に観ようと思っていました。
映画の内容はここでは控えますが、子どもの頃に観たゴジラとは違い、かなりぶっといゴジラさんで、はじめ出てきた時はちょっと吹き出してしまいました。
けれども、会場は大興奮。
ゴジラが活躍すると、歓声や拍手が起こるというアメリカンな反応も相まって、なかなかに楽しい時間を過ごせました。
チャイナタウンは、いつものごとく、エネルギッシュでマイペース。
近づくにつれて、WTCの跡地に建てられた『One World Trade Center』が、真正面に見えてきました。
どこの通りを走っていても、必ず見えてきます。
チャイナタウンの入り口。
まずは、麺類でお腹を満たし、ひとつ1ドルのゴマ団子と飲み物を買って、公園にゴー。
おっちゃんたちが、それはそれは楽しそうに、得意の楽器を演奏しています。
その横では、おばちゃんたちが、賭け事に集中。
同じ敷地に、大きなサッカー場があったりもします。
あの屋根の下では、太極拳や気功に励む人、演奏をする人、おしゃべりをする人などでにぎわっています。
チャイナタウンといえばお茶。
観光客かあんたは!と言われようとも!
こういう風景がニュージャージーだと勘違いしている人が、アメリカには大勢います。
ピンぼけですが、こういう湿地帯が延々と続くのも、ニュージャージーらしい風景のひとつです。
さて、先日、とても悲しいニュースを聞きました。
隣の、元はこの家の庭だった土地がとうとう売れてしまい、その買い主が近々家を建てる、というものです。
カエデの爺さんが、切られてしまう……。
守り切れなかった自分が、本当に情けないし、悔しいし、悲しいです。
台所の左側の窓から見える、カエデ爺さんの姿も、
その横の白樺さんの姿も、
いつかは見られなくなるということを、覚悟はしていましたが、やはりとても辛いです。
こんな、100才を超える大木は、よほどの事情が認められない限り伐採をしてはいけないという法律が、隣の町にはあります。
わたしはただただ、毎日、カエデ爺さんのゴツゴツした体にもたれながら、ごめんね、ごめんねと、お別れの日が来るまで、謝り続けるしかありません。
今暮らしている家も、間借りしていた家も、どちらも築100年を超えていて、だから色々な所に100年を経た、良く言えば重みが感じられます。
水道管などももちろんかなり古いので、昨年、二階の浴槽の排水が普通になるよう工事をしてもらった時も、今では考えられない配管の仕方が施されており、職人さんが難儀しておられました。
同じく昨年、町の広報で、水道水に混じってはいけない物質が混入していた、との知らせがあり、
もともと飲み水のことには関心があったわたしとしては、簡易フィルターで漉しても物足らず、4リットル入りの飲料水を買い求めたりしていたのですが、
世界には、きれいな水を飲むこともできない子どもたちが大勢いるのにわたしときたら……と思ったり、余計なプラスティックのゴミを作っていることに罪悪感を感じたり、
それでもやっぱり、できることなら、できるだけ安心できるものを飲みたいという気持ちを消すことはできず……、
長い長い間、悶々としながら過ごしておりました。
で、とうとう、旦那がこれを注文し、シンクの下に取り付けようと奮闘してくれたのですが叶わず、専門の方にお願いして取り付けてもらいました。
この台所は、前の持ち主さんが使わないまま何十年も経っていたので、かなりガタがきていますが、いつか大々的に直そうと思っていて、結局はだから放ったらかし……。
その職人ポールさんですら、予定の倍の時間がかかってしまいました。
なぜかというと、古い時代と今の時代の融合を、独自のアイディアで達成しなければならないから、とのことでした。
その過程を写真に撮ってここに載せたかったのですが、如何せん、写真はダメ!と断られてしまいました。
5つのフィルターを経て流れてくる水の甘いこと!本当にまろやかで美味しいです。
3年前のわたしなら、こんなふうに、わーいわーいと、無邪気に喜んでいるだけだったと思います。
伴奏バイトのコンクールを終え、ちょいと一息つきたいところでしたが、甥っ子がまた、夏休みの帰省ついでに、うちに数泊しに来ました。
彼は、うちの息子たちと違い大食漢。
うちに居ても退屈だろうからと、土曜日は映画に、日曜日にはチャイナ・タウンに、旦那とふたりで連れていきました。
うちのおもてなしは、自分たちが元々行きたい所、行こうとしていた所に、ついでに連れて行くというのが基本です。
『Godzilla(ゴジラ)』の映画は、原発事故が原因という設定になっていること、出演者のひとりにブライアン・クランストンがいることで、絶対に観ようと思っていました。
映画の内容はここでは控えますが、子どもの頃に観たゴジラとは違い、かなりぶっといゴジラさんで、はじめ出てきた時はちょっと吹き出してしまいました。
けれども、会場は大興奮。
ゴジラが活躍すると、歓声や拍手が起こるというアメリカンな反応も相まって、なかなかに楽しい時間を過ごせました。
チャイナタウンは、いつものごとく、エネルギッシュでマイペース。
近づくにつれて、WTCの跡地に建てられた『One World Trade Center』が、真正面に見えてきました。
どこの通りを走っていても、必ず見えてきます。
チャイナタウンの入り口。
まずは、麺類でお腹を満たし、ひとつ1ドルのゴマ団子と飲み物を買って、公園にゴー。
おっちゃんたちが、それはそれは楽しそうに、得意の楽器を演奏しています。
その横では、おばちゃんたちが、賭け事に集中。
同じ敷地に、大きなサッカー場があったりもします。
あの屋根の下では、太極拳や気功に励む人、演奏をする人、おしゃべりをする人などでにぎわっています。
チャイナタウンといえばお茶。
観光客かあんたは!と言われようとも!
こういう風景がニュージャージーだと勘違いしている人が、アメリカには大勢います。
ピンぼけですが、こういう湿地帯が延々と続くのも、ニュージャージーらしい風景のひとつです。
さて、先日、とても悲しいニュースを聞きました。
隣の、元はこの家の庭だった土地がとうとう売れてしまい、その買い主が近々家を建てる、というものです。
カエデの爺さんが、切られてしまう……。
守り切れなかった自分が、本当に情けないし、悔しいし、悲しいです。
台所の左側の窓から見える、カエデ爺さんの姿も、
その横の白樺さんの姿も、
いつかは見られなくなるということを、覚悟はしていましたが、やはりとても辛いです。
こんな、100才を超える大木は、よほどの事情が認められない限り伐採をしてはいけないという法律が、隣の町にはあります。
わたしはただただ、毎日、カエデ爺さんのゴツゴツした体にもたれながら、ごめんね、ごめんねと、お別れの日が来るまで、謝り続けるしかありません。