ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

米国「新型コロナウイルス感染騒動中のお買いもの」事情

2020年04月21日 | 米国○○事情
外出自粛生活が始まって丸40日が経った。
慣れてきたこともあるし、どうしても慣れないこともある。
機嫌が良い時もあるし、イライラが募ってコントロールできない時もある。
ぼちぼち受け取る人が出てきた一律給付金は、うちにはまだ届いていない。
夫の新型コロナ特別臨時失業保険の申し込みも、まだ宙ぶらりんのままで、収入ゼロが続いている。
こんな暮らしがいつまで続くのかは誰にも分からない。
毎日自分の町や郡別の感染データを見ているけれど、こんな小さな町でさえも新たに650人強の人の感染が見つかり、32名もの人が亡くなっている。
この人数が、減りもしないが増えもしないという状態が続いている。
ニューヨークのクオモ知事が毎日の会見で言っているように、もしかしたら今やっと、最悪の頂点に到達していて、これが台形の天辺みたいにしばらく続き、あとは降下していくかもしれない。

でも、一体どの時点で収束したと判断できるのだろう。
一旦解除した途端にまた感染が悪化した町もある。
相手が目に見えない、けれども確実にどこかにへばりついていて、とても強い力で感染し、命を脅かすウイルスだからタチが悪い。

家にずっといると食べ物への執着が増す。
これは想定外だった。
いつも気軽に買って食べていた薄焼き煎餅やコーンチップスをとうとう食べ尽くしてしまってからの1週間は、まずは夫の、次にわたしの機嫌が、みるみる悪くなっていった。
かっこ悪いので認めたくなかったが、その原因は分かっていた。
煎餅とチップス…。
スライス餅でごまかそうとしたが、二日で決壊した。
冷蔵冷凍庫と食材棚を一掃するまたとないチャンスだ!頑張るぞ!などと鼓舞するのだが、まるで効き目がない。
オンラインで、と思ったけれど、わたしたちのために誰かが買い物に行って届けてくれるわけで、大怪我をして動けないならまだしも、なんだか気が引けた。

うちから車で1時間ほどの所に住んでいる親友にお願いして、農場の野菜とオーガニックのお肉を買いに出かける計画を立てた。
彼女たちが暮らす町は、ニュージャージー州の外れで、新型コロナの被害が断トツに少ない。
断トツに多い町のスーパーよりもきっと安全だろうと思った。
けれども、それが早くて今週の土曜日になると知って、心の枝がポキリと折れた。

やっぱり自分たちで買い物しよう、行こう、ということになった。

久しぶりに来たオーガニックスーパー。
入店制限のために、外で待つ人たちの姿が見えた。

みんなきちんとSosial Distanceを守って並んでいる。

30分ほど待ってやっと店の中に入ったら、見たこともないくらいにガラガラだった。
すれ違う時は2、3歩後退りして、とにかく距離を保つ。
マスクをつけ、話もせず、黙々と買い物をするわたしたち。
買い物という日常がこんなにも呆気なく消えてしまうなんて、想像もしていなかった。

レジまでは床の足の印の上に立たなければならない。

レジでは韓国マーケットと同じく、プラスティックの板が据え付けられていた。
レジ係の人たちを、買い物客との接触から守るためだ。
いつもは話が弾むその場所も、誰も全く話さない。
商品のバーコードを読み取る機械の、ピッピッという音だけが響いていた。

買い物を家に持ち帰り、まずは玄関前に全てを置き、一つ一つ表面を拭いてから台所に持ち込む。
これがまた一苦労なのだ。
極寒の冬でなくてほんとに良かった。
紙袋は丸一日玄関ポーチに放置して、次の買い物に使う。
マイバッグの使用も禁止になったので。

でも、並んでいる間に良いことを聞いた。
高齢者(この店の場合は60歳以上)は毎日、開店時間の9時より1時間前(だから8時ですね)にお店に入ることができるらしい。
お年寄りに感染すると症状が重くなるので、人が少ない時に、という配慮らしい。
いやあ、わたしは思いっきり高齢者の枠内に入っているではないか!!
63歳がこれほど嬉しかったことはない!
なんて、ほんの5日前になったところなんだけど…。
行くぞ、8時に!
待っててくれよWhole Foods!
コメント
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