ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

22才の誕生日

2008年12月18日 | 家族とわたし
今日は息子Tの誕生日です。22才になりました。

息子は今日で試験が終わり、わたしも今日でコンサートが終わりました。
エンジニアの試験はかなり大変だそうで(ガールフレンドのJ子ちゃんが力説していました)、きっと彼もわたし同様、今日はヘトヘトのよれよれでしょう。
遠く離れているので、電話ぐらいでしかおめでとうを言えません。
試験中に電話なんてできないので、試験の終わる頃を見計らって、ハッピーバースデーの歌でお祝いしようと旦那とかけてみましたが、留守電でした。

親子ともども命を落としかけたあの日から22年。
子供の誕生日は、子供が無事に年を重ねていく姿を見守らさせてもらえる幸せを、改めてしみじみと感じることができる日です。

彼はツルツルのきれいな肌の赤ちゃんでした。
3才半のある夏の日に、プール遊びから上がってきた彼が、睾丸袋の後ろが痒いと言いました。
その日から実に丸々10年、徐々に悪化するアトピーとの闘いが始まりました。
顔と首以外の全身に症状が広がってしまった小学校中学年には、起きている時どころか眠っている間も、ものすごい痒さに見舞われていました。

桃の葉、枇杷の葉、食事療法、手袋、海水、埃の徹底的な除去、もう忘れましたが、図書館に通ってはいろんな療法を知り、取っ替え引っ替え試しました。
けれども完全に良くなることはなく、眠りながら掻こうとする彼の手を掴み、こんな小さな子供が気持ち良く眠ることもできないなんてと、彼の寝床の横に立ちながら泣いた晩も数えきれません。
もう為す術が無いと諦めかけていた頃、ある健康雑誌の中の記事が目に入りました。
『誰も治せなかったアトピーを僕なら治せる』
丹羽先生という方の言葉でした。
藁をもつかむ心境で調べてみると、まず患者、または家族の者が講習を受けることが条件ということで、指定された会場に出向きました。
少し新興宗教っぽい感じがしないでもなかったけれど、彼の話や治療方法、それから信念など、共感できることが多かったので、治療を受けさせてみようと思いました。
診療所にTを連れて行くと、そこには様々な病状のアトピー患者であふれていました。
わたしは、彼らに比べるとTはまだまだマシかもなどと思っていましたが、
Tの背中を診察した医者が開口一番、「どうしてこんなになるまで放っといたんですか」と言い、
驚いて言葉も出ないわたしに、「土佐清水の本院に入院させなさい」と怒ったような口調で言いました。
えらいことになった。そんな入院費用、いったいどこから捻出できるだろう。それに学校だって……。
本院に入院しなければならないほどTの症状が酷いことが分かり、親として申し訳が無い気持ちでいっぱいになりました。
けれどもやっぱり先立つ物がありません。本院で治療するのと同じことを、自分がやってみるので、塗り薬だけ分けてもらいたいとお願いしました。

先生が開発したSOD様食品EOAという粉末を食べ、処方された4種類の塗り薬を塗る毎日が始まりました。
4種類のうち、1番重症な部分に塗る薬はそれはそれは強烈な臭いがして、お風呂上がりに塗ったその薬の臭いを取るのが大変でした。
けれども、本当に何年かぶりに、スウスウと寝息をたてて眠るTの寝顔が、臭いなんかなにさ、という気持ちにさせてくれました。

自分が年を取って、肌が乾燥しがちになり、足やお腹の周りが痒くなる回数が多くなりました。
ああ痒いとガリガリ掻いている時、決まってあの頃のTのことを思い出します。
彼は、こんな痒みが全身にあって、起きている時も寝ている時も、思いっきり引っ掻きたいのをじっと我慢し、
たまらなくなって掻いてしまって傷を作り、そこがかさぶたになってまた痒くなる、そんな日々を4千日以上続けていたんだなあと。

我慢強さと、いつかきっとやって来る良き日、良き事を待てる気長さ、これらは彼が、彼自身の暮らしから得た長所だと思います。



Tよ、誕生日おめでとう!
コメント (2)
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老眼

2008年12月18日 | ひとりごと
終わりましたっ!!すっきりしましたっ!!目がもう音符読みたくねぇ~と叫んでます。
夕方から行ったレッスンでも、生徒に弾いて聞かせてあげようと思っても、目は音符を読んでるつもりなのに、指が変な所に着地しまくり。
「まうみ、大丈夫?」と、心配そぉ~な顔で覗き込まれてしまいました。ダハハ、かっちょ悪。

この目の疲れ、これは単純に弾き過ぎとか疲れ過ぎとかでは無く、老眼がかなり影響していると思います。
数年前から細かい物や小さい字を読むのがちょっぴり辛くなってきて、ああ、これが老眼ってもんかなあ、なんて思っていました。
去年の冬、初めて遠近ではなく中近眼鏡を作ってみました。度数としてはまだまだひよっこ、またいつかは作り直しをするに決まっているので超安です。
縫い物をする時や寝る前の本読みにはかなり役立っていますが、楽譜のためにわざわざ距離を計って作ってもらった部分を使い切れていません。
それはきっと、あの横長楽譜のせいです。
でも、各曲10~15ページあるので、いちいちめくって弾くことなんてできないし、ダ・カーポやリピートで何ページも前に戻るなんてことも不可能です。
なので、結局は裸眼で弾いているのだけど、これがきっと疲れを倍増させるんだろうなあと思います。

こういう、頭から首の付け根にかけて、なんともいえない痛怠い、大きなこぶでも背負ってるような感じは、わたしにとっては新しいものです。

なんとか解決できる方法があるでしょうか?

明日からまた、クラリネットコンチェルトの伴奏譜の練習をしなくてはなりません。クリスマスまでに1度合わせて、1月にコンサートです。

明日は雪がたくさん降るそうです。夕方から20センチぐらい積もる予報が出ています。
お昼2時に、売りに出されている家を3軒、見に行く予定になっています。
さて、予報通り、わたし達は雪に見舞われないうちに回ることができるでしょうか。
コメント (3)
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