ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

よりにもよって

2010年02月23日 | 家族とわたし
というより、考え無しに、ただもう明後日から仕事が始まるからというので、みぞれが降っているニュージャージーに夜中の未明に戻ってくる息子T。
ポンコツのスポーツカーを、800キロメートル弱、たったひとりで運転してくるというのに、
雨が降っただけで、ギアの入れ方をひとつ間違えたら、ゆるいカーブでさえも危なっかしくなるのに、
ほんとに腹が立つやら心配やら……あの計画性の無い、逆算のできない、間際になってどうしようもなく動く癖は、いつ直るのでしょうか。

今夜の最後の生徒を教え終わって家の外に出ると、みぞれがバラバラと、大雨のような勢いで降っていました。既に道路には氷が薄らと積もっています。
昨日今日明日の間には帰ってくるはずだろうから(木曜日からインターンの仕事が始まるので)とこちらから連絡してもなしのつぶてだったT。
やっと昨日、旦那のところに、月曜に戻ると一言メールが届いたらしい……。
でも帰って来なかった……で、今日は火曜日。朝からみぞれ模様のとても寒い日です。
なので、明日の、曇り空でも周りがよく見える時間に帰ってきたら?と言おうとして、車の乗ってすぐにTに電話をかけました。

「あ、もう車の中。夜中に着くし」
「あんたなあ、こっちはみぞれが降ってえらい道路状況になってんねんで」
「え?まじぃ~?」
「もしまだ出てすぐやったら戻って明日出直しなさい」
「いや、まだヴァージニアやけど、戻れる距離でもない」
「雨ちゃうねんで。氷やねんで。それに夜中はまた零下になってもっと滑りやすなるやんか!」
あぁ~もぉ~!!

もうすぐ女子のフィギアスケートのショートプログラム。アメリカの未来ちゃんはとても見事な演技をし終えました。
16才……すごいなあ……それにしっかりしてるわ……

P.S.
たった今、フィギアスケート観終わりました。
ヨナちゃんも真央ちゃんも、なんちゅう心の強さ?!あんなとんでもなく重い期待とも圧力とも言えるカタマリを肩に背負ってるのに、
もちろん練習に練習を、そしてその上にまた練習を重ねて、技だけでなく心身ともに鍛え抜いてるのでしょうけれど、
まだ19才の貴女達の根性、自分を信じてやるだけと決めて、見事にやり切った姿は、ほんとにキラキラ輝いていました。
摂食障害を乗り越えてオリンピックの舞台に上がった明子ちゃん、そして美姫ちゃんも、どんまいどんまい、ここまで来た自分をうんと誇りに思って欲しいです。


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ちょっとほっこり

2010年02月21日 | ひとりごと


ちかごろいろいろあったなあ~かあちゃん。
まあ、ひだまりのわたしのかおでもみて、ちょっとほっこりしてちょうだい。
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限りなく我がままに

2010年02月21日 | 音楽とわたし
昨日は午前中からお昼過ぎまで、激安チケットの購入でてんやわんやの大騒ぎをしていましたが、夕方には『I Got Rhythm』の初合わせのため、アルベルトがうちに来てくれることになっていました。
まだまだ弾けないところがいっぱいのままだったわたしは、ここならあんまり目立たないであろう所は適当に、なんていう技も使いつつ、練習に励みました。
元気いっぱいにやって来たアルベルト、家に着くなり楽譜を取り出し、「弾こう弾こう!」あっちゃ~、盛り上がってはるわぁ~!
言い出しっぺの彼が第一ピアノ、わたしが第二ピアノの担当です。
ガーシュインの作品は、ジャズの要素がふんだんに散りばめられていて楽しいのですが、この曲はなかなかのくせ者、合わせるのに大変な部分がたくさんあります。
特に第一ピアノは譜読みの段階からして難しく、第二ピアノのすぐ上に書かれた音符を見るたび、気の毒に……などと思いながら練習をしていました。
でも、やっぱりアルベルト!音はデカ過ぎるけど、弾ける弾ける!感動しました!
けどさあ~、そんなバンバン弾いたらわたしの音がいっこも聞こえへんやんかっ!
多分、次回の練習(2週間後)の際には、そこんとこをきちっと突っ込ませていただこうと思っております。やっぱペアだもんね。

練習の合間に、「そりゃそうとまうみ、オーディションのことはどうなってるの?3月1日が応募締め切りっての忘れてないよね」と聞いてきたアルベルト。
「うん……けど……」
「フランクやりたいって言ってたよね」
「うん……けど……」

先日の演奏会の会場で、ACMAのメンバーでヴァイオリン奏者のマイケルと話をしていた時、タイソンが今夜で終わりだと言うと、
「それじゃまうみは誰とオーディション受けるん?」とマイケル。
「探してはいるけど、どうも見つからない」とわたし。
「う~ん……まうみにはオーディションを受けてもらいたいなあ……ちょっとボクに時間ちょうだい」
そう言って姿を消したマイケル。コンサートの休憩時間が過ぎ、二部も終わりに近づいた頃、
「まうみ、紹介するよ。エリオット君。彼はなかなかうまいヴァイオリン奏者だよ」と言いながら、ひとりの若者を引っ張ってきてくれました。
早っ?!
見覚えのあるような無いようなエリオット君と握手をして、フランクの四楽章なら大学時代に弾いたという彼とメールアドレスの交換をして別れました。
わくわくどきどき……彼はどんなヴァイオリンを弾くのかしらん?
その日の夜、早速エリオットからメールが送られてきて、彼がクィーンズに住んでいること、合わせのためにニュージャージーのわたしの家まで行くのはちょっと大変過ぎるので、中を取ってマンハッタンでやりたいこと、曲を早速練習し始めようと思っていることなどなどが書かれてありました。
そこで、いつ合わせるかということになり、お互いにまだ完璧に演奏できない状態なので、まず1週間時間を取ろうということにしました。
いよいよ日が決まったので、彼の演奏がどこかに残っていないものかとACMAの演奏録音データを調べてみたら、あった!ありました!
なんと、タイソンとわたしがドヴォルザークを演奏した同じ日に、モーツァルトのソナタを演奏していたのでした。
希望と喜びで爽快に開け放たれていた心の窓をザァ~ッと閉じる不安色のカーテン。まさか……彼がエリオット?
恐る恐る録音を聞いてみると……やっぱり……彼がエリオットなのでした。
彼は別に下手な、というのではなく、どちらかというとまあまあ良い方の、けれども音程が所々不安定な演奏をしていました。
でも……もしかしたら、演奏した曲がモーツァルトだったからで、フランクならいける、なんていう可能性があるかもしれない。
そんな希望を抱いて、夜遅くになっていましたが、タイソンに彼の録音ソースを送り、どう思うかを尋ねてみました。
「彼のことは実はボクも覚えているよ。なぜかっていうのはまうみはもうわかってるよね。
彼がフランクをどういうふうに弾けるのか、それはボクには予想できないけれど、はっきり言えることは、彼の音程がかなりの部分で不安定だということ。
それから、1番気がかりなのは、解放弦を演奏しているにも関わらず、音程が揺れることがあるということ。これはとても気になるな。
まうみはあのフランクにどれほど執着しているの?どうしても演奏したいの?
もしそうなら余計にボクは、彼との演奏を勧められないよ。だって、練習に入った途端、まうみがすごく苦しい思いをするのが目に見えてるから」

エリオットにウソをつきました。
あなたの演奏力はわたしの望むところに達していないことがわかったので、今回のことは無かったことにしましょう、なんて言えなかったし、それをうまく包み隠せるだけの言葉が見つからないほどに、頭も心もクタクタに疲れていたからです。
エリオットは、「ボクのことは全然気にしないで。また違う機会に違う曲を演奏しよう」と返事を送ってきてくれました。

そんなこんながあって、例えアルベルトにヴァイオリン奏者を探してもらい、仮にその人がとても素晴らしい演奏をする人であっても、今さらフランクを演奏するわけにはいきません。そんなことをしたら、エリオットをどんなに傷つけるか。
アルベルトは、「パートナー探しにはそういうことは付き物。けど、みんな大人だし、理解できると思う。例え一時は傷つけたり傷ついたりしたとしても。ここはニューヨークなんだから」と言って、グズグズ言うわたしの前で、どんどん電話をかけていきます。
あっと言う間に、3人の候補者が出てきました。

でも、結局、別れ際に、わたしはアルベルトにお断りの意思を伝えました。
オーディションを、そしてカーネギーを諦めるか否か、それはまだ決めかねているけれど、フランクを演奏することは、あの夜きっぱりと諦めたのだから。
あの曲はまた、演奏を聞いて一目惚れするようなバイオリニストが現れたら、なにがなんでもお願いして、いつか演奏したいと思います。

ニューヨークエリアに住んで早10年。けれどもわたしはまだまだニューヨーカーにはなりきれていないようです。
より美しく、より質のいい音楽の追求のためには、こういう我がままも必要なのかもしれませんが……。

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もう王様やないんやから

2010年02月20日 | 家族とわたし
本日限り、朝9時から夕方5時まで。5月15日までにご出発に限り、日本行き往復299ドルぽっきり!?

去年からずっと日本に行きてぇ~モード全開の旦那、こんなんを見つけて黙ってるわけあらしまへん。
買お買お!行こ行こ

わたしはというと、3月の末にオーディションがあって、4月のはじめに合格者決定会議があって、次の週に『I Got Rhythm』の演奏をして、5月に高校のコンサートの伴奏があってと、春が終わるまでは練習と仕事に明け暮れる生活になりそうで、どうしても旅行に行くぞぉ~気分にはなれないまま、ズルズルズルズル。
5月の何日にコンサートがあるのかも確かめないままだったので、我慢できなくなった旦那が、指揮者のダリルの名前から☎番号を見つけ出しました。

とにかく、そのコンサートが15日過ぎだったら諦める。けど、15日までだったら日本に行く。まあ、チケットが手に入ったらの話やけど……。

問い合わせてみると、コンサートは13日.間に合うやんってことで、旅行会社に電話してみました。
299ドルってのはやっぱり客寄せで、税金やサーチャージ、それから週末料金が明るい口調でポンポンと足され、あっという間に600ドル超え?!
でもまあ、まともに買うと1000ドル超える時期なので、まあ誘いに乗ってみるか~?

そこで思い出したのが息子Kのこと。彼も日本に長いこと行っていません。彼も今日の発売を知っていて、「ボクも行きたいかも」とボソボソ言っていたのでした。
旦那がその時、「それならK自身の大学の授業と試験の日程を調べてまた教えて」と言っていたけれど、Kからの返事はまだのまま。

「なあ、Kの分も買うといた方がええんちゃうかなあ」
「なんで?」
「だって、なんか行きたいって言うてたやん」
「そんなん、行きたかったら、今日までにちゃんと大学の予定調べて、それをまずこっちに伝えてるはずやろ?」
「大学の予定は昨日あんたが調べてたやん」
「なんも言うてけえへんから、とりあえず予備知識だけでもって思ただけや」
「大学は15日までって言うてたやん」
「それもボクが言うてただけで、Kから聞いたんやない」
「けど、こんな限定されてる日やから、まず買うといた方がええんちゃう」
「なんで21にもなった大人にそんなことしたらなあかんのや?だいたい、親にチケット買うてもらうのが当たり前みたいに考えてるのがおかしい。まず休みに入ったらバイトして、自分で稼いで、それでも足らんかったら、足らん分だけ出してもらえませんか言うて頼んでくるのやったらまだしも」

とりあえず2枚、我々の分だけチケットを買うことにしました。Kはその時まだ、3階の部屋で眠っていました。
それでわたしが3階に行って事の次第を話そうとすると、
「そうやって物事をお膳立てして、先に先にと聞いてやるから余計に甘える。そんなふうに家の中で甘えさせてたら、自分で考えて、自分で動いて、自分で決める練習ができない。チケットを買いたいのなら、今頃Kは起きて我々の前に居て、一緒に考えているはずちゃうのか」と一蹴。

昼過ぎに起きてきたK。真っ先に「チケットどうなった?」と聞いてきました。
「ああ、ボクとまうみのだけ買った」
「え?!」
「なに?」
「僕のは?」
「予定もなんもわからへん者の旅券なんかどうやって買える?」

Kはドタバタと階段を上がり、大学の試験日程を調べ、それが5月13日に終わることをわたし達に伝えに下りてきました。
旦那はKにクレジットカードを渡し、「支払いはこのカード使ったらええから。ボクらの日程は5/15から5/29まで。別にボクらと一緒に旅行せえへんねんからKの好きなように。チケット代は出したるけど、他の費用は自分で稼ぎなさい」と言って仕事に出かけて行きました。
幸いにしてKもチケットを手に入れ、日程もわたし達と同じにしたので、同じ飛行機に乗ることになりました。

それにしても、今まで何回叱られてきたことか。
まうみはあれこれ先に心配して、どうするの?どうしたいの?と聞いてあげるばかりか、代わりにそれをやってやったり、やり易いように準備したりする。
そんなことやってたら、子供はなんも覚えへんし、なんも考えへんし、自分から動かなあかんと思わへんようになってしまう。
もう僕は王様じゃない。それをちゃんとわからへんまま大人になってしもたら、不幸になるのはその本人なんやから。もちろんそんなんに関わる人も不幸やけど。

またまたあかんたれのおかんをやってしまいました。
でもまあ、とにかく、チケットは手に入りました。
自分でも驚きの急展開ですが、行くでぇ~!にっぽん

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こんな寄付もあるよ!

2010年02月19日 | 世界とわたし
 

シルク・ドゥ・ソレイユの古い「大テント」が、ハイチ政府に寄付されることになったそうです。テントを寄付したのは米国人実業家。
米ネバダ州の不動産実業家トム・シュレードさん夫妻は、約10年前にラスベガスの公演の際に使われたこの大テントを、ある計画のために購入しました。
しかし、長引く不況でシュレードさんの計画は中断。テントは倉庫に保管したままでしたが、奥さんがハイチへの寄付を思いついたそうな。

テント内部の広さは3000平方メートルを超え、冷暖房完備。さらに、テント内外に照明も備え、内部には900人がすわれる座席が設置できます。
さらに、保管されている貨物カーゴごと運べば、カーゴが簡易住宅としても利用できるのです。
大テントは政府の実務を行うにも最適で、ハイチ政府側も寄付を歓迎しているのだそうです。

貨物の総量は180トンを超えていますが、送料をホテル大手ヒルトンを創業したコンラッド・ヒルトン氏の息子が負担することに決まり、これにちなんで、シュレードさんはテントに「バロン・ヒルトン」と命名。すでに移送が始まっています。
移送の手続きと現地での設営は、ハイチ支援を決めているクリントン基金が担当することになっています。
シュレードさんは、「倉庫に眠っていたテントをこうやって活用してもらう方がいいと思う」と話しておられるそうです。

ハイチの政府閣僚の皆さんが、サーカステントの中で、見事な技を磨いてくれるといいなあ~。

さてさて各国の大金持ちの皆さん、ご自分の倉庫に、なにか寄付できる、役立ちそうな物、眠っていませんか?

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米国がんばっているすべての人に事情

2010年02月19日 | 米国○○事情
寝不足が続いてる。3時間の時差はなかなか辛い。3時間前に戻っている西海岸時間に合わそうとすると、こちら東海岸は簡単に夜中になってしまう。
けれど、オリンピックはライブで観たい。
早寝王の旦那は、「そんなん、次の朝にNBCのサイトビデオでなんぼでも観られるやん」と言うが、それではあかんねん!
一緒に緊張して、一緒に興奮して、一緒に演技(←こりゃ無理か?)せなあかんねん!
オリンピックの舞台で最後の最後まで残ってくる選手達には、運があったりなかったり、公平であったりなかったり、そらまあいろいろなんやけど、
それでもやっぱり、並の者とは桁違いに違う何かを持ってるから、観てるだけでドキドキワクワクするし、あまりのひたむきさに泣けてきたりする。

アメリカに引っ越してきて10年、オリンピックも夏冬合わせて何回も観た。
テレビ放映はNBCという局が担当していて、他のチャンネルでは普通通りの放送が流れている。
各競技が決勝を迎えると、もちろんそこにはいろんな国の選手が居るわけで、そういう時の解説者のトーンが公平で一定なのが嬉しい。

昨日は男子フィギアスケートのフリースタイルの決勝があった。
織田選手の演技が始まってすぐに、「誤解を恐れずに言うと、彼はどうしても外見的に、ジュニア大会の演技を観ているような錯覚を与えてしまう」とある解説者が言った。
「けれどもそれを覆せるだけの高度な技術でもって演技ができる選手だし、今日の演出は彼の持ち味をよく生かせられている」、と言った直後のあの事故……。
ふたりの解説者は息をのむように彼の動向を見守り、靴ひもを直すのに躍起になっている関係者に、「彼に椅子を与えて休ませてあげて!」と叫び、
またリンクに戻って行った彼を、「この素早い対応と彼の勇気はメダルに値する」と絶賛した。
結局はアメリカの選手が優勝したのだけれど、別に特別に大騒ぎすることもなく、もちろん喜んではいたけれど、いい意味で冷静な口調だった。

オリンピックの報道では、各国の、目玉選手の取材をきちんと終えていて、国母選手や高橋選手のこれまでの軌跡をわたしはここに居て知ることができた。
いろんな国の人間がごちゃごちゃに混ざり合い寄り集まることで成り立っているアメリカ。
その人となり、国だから国となりか?が、いい意味でよく出ていると、オリンピックを観ていていつも思う。


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時と場所をわきまえる

2010年02月18日 | ひとりごと
昨夜、な~んにも知らなかった息子Kに、国母選手の一連の騒動を話しました。
兄のTとはかなり違った個性を持つK。それもどちらかというと国母くん寄りの性格の持ち主で同い年なので、彼がどういうふうに思うか聞いてみたかったのです。

まずKは、彼がどんな選手であるかも知らないからと、いろいろな大会で演技をしている彼のビデオを観、最後に今回の「ちっ、うっせぇ~な」会見を観ました。
Kは観た瞬間、「くぅ~」っといううめき声を出してうつむいたので、「なによ」と言うと、「わかる、わかり過ぎる!」と苦笑いしながら一言。

「わかるって、なにがわかるん」
「説明し難い」
「ふぅ~ん……」
「けど、ボクはこんなことはせんよ。時と場所をわきまえてるから」

同い年の、なんとなぁ~く雰囲気が似通っている息子ですが、彼なりに大人になっていたようです。

などと密かに喜んでいたら……台所でお茶碗洗いしているKにちょっと小言を言った途端「ちっ、うっせぇ~な」……。
ごっつんゲンコツかましたりました。
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ルールと価値観

2010年02月18日 | ひとりごと
河野太郎さんという方がご自身のオフィシャルサイトに掲載されていた文章です。昨日の記事にコメントしてくれたかわちゃんから教えてもらいました。
わたしが漠然と思っていたことを言葉にしてもらったような気がしたので、ここに残しておこうと思いました。 
 

『スノーボードの国母選手の服装が問題視された事件が数日前にあった。この事件への対応が少し気になっている。
というのも、ルールと価値観が混同されているような気がする。

国母選手の空港での服装がだらしないと思う日本人はかなりの数いると思う。僕も国母選手の服装は格好悪いと思う一人だ。
しかし、腰パンのどこが悪いという日本人も少数派かもしれないが若者を中心にいることだろう。

スキー連盟の会長が「大いに不愉快」と発言をされていたが、そう思う人がいても不思議ではない。
しかし、不愉快に思ったり、だらしないと思ったりというのはその人の価値観であり、誰かの価値観にあわないから処分するというのは、私的な集まりではともかく、オリンピック代表団のような公の場では行えないはずだ。公の場での処分は、明確なルールに違反しているときでなければいけない。

たとえばもし、国母選手が定められた代表団のブレザーやネクタイを着ていなかったというならば、ルール違反で処分されるべきだ。
ルールは守らなくてはならない。しかし、価値観は多様だし、多様であるべきだ。
ルールで定められていないことについて、後から価値観を理由に、公の場で処分するのはいかがなものか。
しかも批判が多く寄せられたから、公式な応援を取りやめるとか、誰かが不愉快に思ったから行事に出席を自粛させるというのは、対応としておかしい。

オリンピックの日本代表団の編成方針には、「日本代表選手団は、礼儀を尊び規律を遵守し、活力ある日本を代表するに相応しい選手・役員をもって編成する」と定められているそうだ。
国母選手は、この編成方針に沿って選手団に選ばれている。ということは、彼のそれまでの服装や態度は、問題視されていなかったということになるのではないか。
オリンピックの日本代表には着こなしも重要な要素であるというならば、選手選考のときに、代表団の編成方針にあっていない選手はたとえ強くとも選ばなければよかっただけだ。

漫画家のやくみつるさんが「本来、制服を着崩すことがよくないのに、学校では恒常化しており先生がとがめることもない。この風潮に待ったを掛けるためにも、国母選手は本国に召還すべきだ。」と発言されている。日本相撲協会外部委員でもあるやくさんの気持ちはよくわかる。
しかし、学校で恒常化している着崩しを止めるために、国母選手を処分するということがあってはならない。
処分はルールに違反したから処分されるのであって、誰かの価値観にそぐわないからと処分をしてはいけない。

国母選手は、記者会見で、鼻ピアスもやめたという。空港での服装がちゃんとしていたら、鼻ピアスはしていてよかったのだろうか。服装がだらしないから鼻ピアスもやめろということならば、まるでルールはなく、誰かの感情や価値観で物事が決まっていることになる。
腰パンは駄目、鼻ピアスは駄目、でもドレッドヘアは良いという線引きは、何を基準にしているのだろう。
鼻ピアスはだめだけど、耳のピアスは良いのだろうか。女子選手なら鼻ピアスも良かったのだろうか。
腰パンは駄目だけれど、茶髪は良いのだろうか。金髪に染めるのはどうなのだろうか。モヒカン刈りは不愉快ではないのか。
ワイシャツの一番上のボタンが留まっていないのは許されるのだろうか。シャツの裾はズボンに入っていれば、多少ネクタイがゆるんでいても良かったのか。

日本の学校も、日本の社会も、ルールは確実に守る、ルールに違反したらなんらかの処罰がある。
しかし、価値観は多様であるということを教え、受け入れるべきではないだろうか。
だからといって国母選手がなにも痛い思いをしないというわけではない。

国母選手もスノーボードの競技を続けていくならば、強化のためにスポンサーが必要になってくるだろう。
そのときに、腰パンにゆるめたネクタイで人前に出てくる選手とぴしっとした格好で人前に出てくる選手のどちらにスポンサーがつくだろうか、ということを考えなくてはならなくなる。
そのときに彼がぴしっとした格好をするか、腰パンでも金メダルを取った選手をスポンサーが選ぶと判断するか、それは彼の選択だ。

価値観にあわないから、日本選手団の中でも特定の選手を個人的に応援しなかったり、喜ばなかったりするのは自由だ。
しかし、定められたルールではなく、特定の人の価値観にあわないからといって、処分を下すのはおかしい。
ルールがないから、処分できないので強制的に自粛させるというのはもっとおかしい。

頑張れ国母。僕は応援するぞ。

実は先日、ある通夜に行ったら、ご遺族の高校生が、制服のズボンが腰パン状態で、焼香をしていた。びっくりした。
ご両親は、注意しなかったのだろうか。高校生の彼は故人に敬意を表して制服を着ていたのだろうか。
やくみつるさんが嘆く気持ちがよくわかる。
学校も制服は定めても制服をどう着るかというルールを定めていない、あるいは定めていてもそのルールを守らせていない。
家庭でも、その場にあった服装とはどういうものかを教えていない。

それで国母のことを怒ったって。

制服の着こなし方をきちんと定めて、その通りに着てこない生徒は学校に入れない。度重なったら停学にする。
それぐらいのことを公立の中学校、高校でもやるのかどうか。それだけの覚悟が日本の社会にあるのか。

そこまで今回議論しても良いと思うし、議論すべきだと思う。

ついでに言うと、お通夜に黒を着て行ってはいけない。昔、通夜に黒い礼服を着ていって、オヤジにおまえは何を考えとるのかとぶん殴られたことがある。
でも、最近のお通夜ではほとんどの人が黒を着ていく。ひょっとしたら橋本団長もスキー連盟の会長もお通夜に黒を着ていくかもしれない。

国母はそれを見てなんか言うだろうか』


オリンピックの競技がすべて終わって、なにもかもが平常に戻った時、騒ぎ立てたマスコミが、社会に向けてこの問題がどうして起こったのかについて考えよう、語り合おうという動きを見せるのなら、わたしは騒いだ意味もあるかもしれないと思っているので、興味を持ってその後の報道を様子を観察しようと思います。


 
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米国スター選手事情

2010年02月17日 | 米国○○事情
スノーボードのハーフパイプの競技をテレビ観戦しました。
アメリカのお家芸スノーボード。
今回は、国母選手の服装問題なんかが報道されていて、ここニュージャージーの日本人妻&米国人夫の我が家でも注目されていた競技でもありました。
旦那は最初、わたしが事の発端を説明しても、なんでやねん??という感じだったけれど、一連の謝罪会見やニュース報道の仕方やマスコミの取り上げ方を見せるうち、「日本のマスコミってやっぱり変わってる」と、首を左右に振りながらポツリと一言。
そして、スキー連盟ややくみつるという人が、彼を日本に召還させるべきだと言っていることを説明すると、口をぱっくり……絶句しておりました。

いきがって突っ走ったことをする若者と、それを苦々しく思う年配者。
けど、そこまで悪いと思ってたのなら、そこまで許せないと感じていたのなら、どうしてこんな騒ぎになる前に、人前に姿を晒す前に、すぐそばに居たはずの人達が口頭で教えるなり指導するなりしなかったのか、それがどうしても解せません。
騒ぎになった途端、世間の後ろ盾を背にした途端、拳を振り上げて言いたい放題。あんたらそれでも年配者か?と、ものすごく腹が立ちました。
今日は新聞で、国母くんにある意味命を救ってもらったという人の記事を読みました。彼は人を思い遣り、その思いを行動に移せる、いい青年やと思います。


おっとっと、前置きが長過ぎて、今日一番話したかったことがこんな後になってしまいました。

今日の優勝者ショーン・ホワイト選手。
競技前に、彼の普段の練習ぶりを伝える映像がテレビに数分流れました。
彼は、彼専用の、巨大なハーフパイプ(オリンピックと同サイズ)を所有していて、そしてそれは、どこだか秘密の山奥に造られていて、そこに行くには彼のプライベートヘリコプターでしか行くことができなくて、でも、そこに行ったらもう彼だけの世界。思い存分滑りまくり。

いったい日本の選手の誰が、いや、日本だけじゃなくて、世界中でも、こんな馬鹿げた、お金がかかりまくりの生活できてます?
そりゃ彼はもちろん、とても才能のある人だと信じています。練習だって人の何倍もこなしてきてるんでしょう。
けど、あの桁外れの練習ができるよう、いったい誰が、どれだけのお金を出費しているのか、わたしにはそれがとても気になりました。
オリンピックって……もう全然公平でもなければアマチュア精神に則ってもいないんだなあ……と、今さらながらに思った夜でした。
 
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天から送られた手紙

2010年02月16日 | ひとりごと
もうええかげんにしてぇ~なぁ~と、顔を合わすと、挨拶代わりにうんざりした顔を見せっこするぐらいに、今年はよう雪が降ります。



けど、雪もいろいろですね。
高い空から、なんやしらん、自信無さげにあっちこっちふらふらしながら降りてくるのやら、雪のくせに思いっきり勢いつけて落ちてくるのやら。
ちっこいのやらでっかいのやら、ふわふわしてるのやら固そうなのやら。
でもきっと、どんな雪にも、こんなふうなきれいな六角形の結晶が見えるんやろなあ。



「雪は天から送られた手紙である」
日本における雪の研究の草分け的科学者である中谷宇吉郎さんの言葉やそうです。
今年はほんまにぎょうさん手紙が送られてきました。



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