今日の会場、ニュージャージー州はニューアーク市内にあるスポーツ&コンサートアリーナ、プルデンシャルセンターに着きました。
なぁ~んて、なんの問題も無くスッと着いたように書きたいところだけど、そこはもう、なんというか、いろいろとございました、はい、今回も……。
まずはこれ。
今日の会場の名前が『Prudential Center』。ああ、アレか!と思ったこの建物。それを目当てに車を走らせるのだけど、ナビゲーションは「それは違う!」と言い張ります。暑くて機械が狂ってんじゃないの?と自分を信じて疑わないわたしは、ナビをプツンと消し、とにかくその建物に比較的近い路上に車を止めました。
ところが……やはりナビちゃんの方が正しかったのでした。
これは『Prudential』は『Prudential』でも銀行の『Prudential』の方。要は我々が行かんとしているセンターのスポンサー会社なのでした……ごめんナビ。
テクテク歩きながら、路上でセンターの在処を聞くと、「そらあんた、こっからやとずぅ~っとずぅ~と真っすぐ歩いて行かなあかんで~、2ブロック先までずぅ~っとな!」と強烈に念を押しながら説明してくれた黒人のおばちゃん組。けどさおばちゃん、2ブロック先っていうたらそこやん……と心の中では思いつつ、「ありがと~!」とお礼を言って再び歩く歩く歩く!
が、けれども着きません。それらしき建物が見えてきません。集合時間が近づいてくるし、もともと遅らせてもらっている立場上、それを遅れるわけにはいかず、かなり焦ってきました。
大きな通りに出て、路上で小売り商売をしている黒人のおっちゃんに尋ねようと近づいて行きました。
「あのぉ~、プルデンシャルセンターはどう行けばいいのでしょう?」
「あそこになんの用事?」
「え?あの、ゴスペルのフェスティバルがあるもんで」
「こんな時間から?」
「あ、いや、リハーサルに参加しに行くので」
「へ~」
なにやら俄然興味津々のおっちゃん。東洋人がゴスペル?みたいな顔してニタニタ。連れのふたりを顎で指し、「どっから来たん?」と逆に聞いてくる始末。
面倒なので「3人とも日本から」と答えると、「おぉ~日本かぁ~!」と言いながら近くにいるお仲間と一騒ぎ……。
あんまり盛り上がっているので、「知ってるの?」と聞くと「知らん!」と、明るく即答されてしまいました。疲れる……。
丁度近づいてきた市バスの運転手さんに、「このバス、プルデンシャルセンター前に停まりますか?」と聞くと、「次の通りを左に曲がったらあるから乗らなくてもいいよ」と笑顔で言われてしまいました。近くに来てたんやん!
ということで、また一騒ぎしてからようやく着いたセンター前。
今日も快晴。日差しがかなり強くなりそう。そんな中、なぜか1時間近くも会場入りを待たされた我々。
本格的なセキュリティチェックを受け、リストバンドを付けてもらい、これで会場の出入りが自由になりました。
やっと中に入り、まずは演奏会場を見学。
ライトや音響のリハーサルに必死のスタッフの皆さん。
会場は……絶句するほどに広い……。今日も2万人近くの人達が入るらしいと聞いて再び絶句……。
カメラを向けると……みなさん、とってもアメリカンな反応です。
舞台リハーサルが3時。なので、2時半までの間にお昼ご飯を食べておこうということで、まず外に出ました。
日差しが強い!今日はどっから見ても夏!という日です。
まずは遠くに停めてある車の所まで戻り、センターすぐ横にある巨大駐車場に車を入れ直してから、どこかレストランを探そうということに。
ところがところが、さすがニューアーク。評判通りのとってもお粗末なレストラン事情。あ~ぢぃ~……と言いながら町を彷徨うわたし達。
市役所の金色頭の輝きまでもが暑苦しい……。
結局見つかったけれど、これじゃ家に戻って食べても、時間的にはそんなに変わりがない、と思ったのでした。
会場に戻り、またまたいろんなことが延びていて、リハーサル開始を待たされたわたし達。
アメリカのノリと日本のノリの狭間に立ち、いろいろと気を遣う代表者のUさん。大変だなあ……。
やっと準備が整い、舞台に上がり、航志くんが弾き語るピアノの位置などの打ち合わせをして、いよいよバンドと一緒の演奏が始まりました。
う~ん……わたし的には、昨日の航志くんのピアノ演奏だけの方がよほど良かった……。
バンドの音量がすごくて、わたし達の声がモニターからほとんど聞けなかったので、めちゃくちゃ歌いにくいったらもう!
とりあえず、そのことをスタッフの人に切々と訴えたのだけど、さて、これが本番に反映するかどうか……かなり期待薄、ではあります。
でも、それは仕方が無い。それがショービジネスの常だから。
リハが終わり、我々のための控え室に案内してもらうのを待つ間、今日の総合司会者を務める、多分ゴスペル界ではかなりの重鎮の男性が、航志くんに挨拶にいらっしゃいました。
控え室でもらった『KOHSHI』と書かれたパス。我々はこれで今日一日、会場のどこにでも行けます。Thanks KOHSHI!
控え室でのインタビュー。
さて、今日のイベントの内容や予定を全く知らないまま、昨日一回ぽっきりの練習と今日の舞台リハーサルで歌ったわたし。Uさんに、とうとうのとうとう、きちんと教えてもらいました。
我々が歌うのは、3時から始まるコンテストの最終選考に選ばれた人達の演奏とゴスペルの牧師さんの講演の後。スターアーティストさん達の演奏前です。いわゆる前座と呼ばれる類いのものですね。
けれども航志くんは特別に招待されたゲストなので、わたし達は彼を盛り上げる応援隊として、とにかく楽しくやろうじゃないか!と心に誓いました。
コンテストにはいろんな部門がありました。ダンス、パントマイム、自作の詩の朗読、グループの歌、ソロの歌。NAOちゃんはソロの部門のファイナルに出ます。
わたし達の席は舞台の斜め後ろだったので、写真がこの角度からしか撮れませんでした。残念!
舞台の上で自分の出番を待つNAOちゃん。とにかく歌いたい。それだけできました!という彼女。おかあさんが今日のために用意してくれた梅の絵が一面に描かれたすてきなドレスを着て、見事に歌い切りました。
ホォ~ッと一安心のNAOちゃん。ずっと読売テレビのカメラクルーと一緒に行動しているので、少し疲れも出てきている様子。左奥は、彼女のヴォイストレーナーのステイシー。A子も師事しています。
でも、彼女の前向きさ、歌が好き!という気持ちにとても感動しました。ほんの短い時間だったけれど、同じパートとして彼女のすぐそばで歌えたことが嬉しい!
そして……またまた延々と待たされ……とうとうの本番!
会場に入ると……どっひゃ~ん!めちゃくちゃいるや~んお客さん!もう満員に近いのでした。
我々のすぐ前のグループは白人100%という、超~珍しいコーラス隊。へ~、などと思いながら見ている日本人100%のわたし達。
ところが、演奏が始まった途端会場は総立ちに。激しくも統制のとれたダンスに合わせての、なんとも超パワフルな歌声。
ぎょへ~!!ニワカ仕立ての合成コーラス隊のわたし達にはとてもじゃないけど太刀打ちできない!!
気分がかなり怯みましたが、もうここまで来た以上はやるっきゃない!!
航志くんはもう、会場すべての人達を大きな渦の中に巻き込みました。わたしもどう表現したらいいのかわからないぐらい胸がいっぱいになりました。
そんなすごい感動を共有させてくれた彼に感謝の気持ちを込め、身体中のエネルギーを使って精一杯歌いました。
ありがとう航志くん!ありがとうUさん(この企画の責任者)!ありがとうA子!ありがとう師匠!
本当は今でも信じられない気がします。あんな大きな会場で、あんな大勢の観客の前で、A子と師匠と一緒に舞台に立ち、ゴスペルを歌っただなんて……。
続々と登場する有名アーティストの演奏も聞きたかったのだけど、待ち時間の多さにもうヘトヘトに疲れてしまったのと、A子がどうしても、いつもうちに来た時にテイクアウトをするタイレストランの料理を食べたいということで、会場を後に。
このフェスティバルは毎年、夜中の12時を過ぎても終わらないそうな……ゴスペルパワー恐るべし!
市役所の金色頭にも夕暮れが訪れていました。もう実際には7時半を過ぎていたんですけどね。
この、昨日と今日のゴスペルフェスティバルの様子は、関西読売テレビが特集を組み、8月15日に放映されることになっています。放送時間はわかりませんが、もし興味がおありの方は、ぜひぜひご覧ください。