私が毎日冒頭でお伝えする数字。
あの数字。
あれは、天国から降ってくる適当な数字ではありません。
あれは、私達の日々の行動の結果。
私達が、あの数字を生み出しているんです。
天気が良くて外に出たいのは分かりますが、こんな密集状態は絶対にあってはなりません。
人が死んでいるんですよ。
医療従事者はもの凄い覚悟で、自分はおろか家族を危険にさらすリスクを背負って、毎日現場に向かうんです。
あなたの行動はあなただけでは無く、彼らに、あなたの知らない彼らに響くんです。
自制して下さい。
他人を苦しめるんです。
あなたのその行動が。
あなたの無責任さが。
あなたの知らない他人を。
そんな事ははっきりいって許されません。
社会的責任を自覚して下さい。
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先日来、ニューヨーク州知事のクオモ氏が非常に優れた政治家であり人格者であることを何度もお話ししてきました。
前回の記事では、先日の非常事態宣言の会見中に、イタリア人記者の質問に答えた安倍首相の言葉と、クオモ氏が再々口にしている言葉を載せてツイートしました。
すると、その二人の政治家の、「責任」というものに対しての考え方の差を目の当たりにした、本当に大勢の人たちが、それぞれの気持ちを載せてリツイートをしてくれました。
そのクオモ知事の連日の会見を、毎日翻訳をして公開してくださっているMakoto Kikuchiさんに、わたしはもうどう感謝していいのかわからないぐらいに感謝しているのですが、
日々壮絶な、とも言える新型コロナウイルスとの闘いに、先頭に立って挑んでいるクオモ知事の言葉を、みなさんにもぜひ共有していただきたいので、Makotoさんの力を借りて紹介させてもらいます。
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それではここで、昨日と今日の二日分の会見を、ざっくり訳をしてくださったMakotoさんの文章から、クオモ知事の話の部分を転載させていただきます。
クオモ氏は紙を持たずに話します。
数字もシステムの変更も全て、頭の中に入っているからです。
そして必ず気持ちを込めて呼びかけます。
時には厳しく諫めることもあります。
でも、彼はこのウイルスの闘いの結果全てに責任を持つと宣言して、毎日会見に臨んでいます。
彼の言葉は、非常事態宣言が出された日本のみなさんにも、とても役立つ、そして勇気づけられるものになると思います。
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4月6日
本日のデータ
陽性 130,689(前日比+8,658)
入院 16,837(前日比+358)
人工呼吸器使用(ICU)4,504(前日比+128)
退院 13,366(前日比+1,179)
死亡者 4,758(前日比+599)
死亡者数が明らかに2日続けて横ばい。
新規入院者数、新規人工呼吸器使用数、退院者数全て減少。
感染増加率が一定化した可能性があります。
統計と予測をマラトラス博士に説明してもらいます。
(中略)
では私達がすでに台形の頂上にいるとしましょう。
ここは既にかなりの医療負荷の頂上です。
ここにとどまる事は非常に危険です。
医療機関はアクセル全開で走っています。
これでは持ちません。
そして、少なくとも数値が横ばいになったという事は、socilal distancingに意味がある事の証拠です。
これからもしっかり自分を制して、続けて下さい。
局地的に医療負荷の多いホットスポットに物資を回す、surge and flexを続けて行っています。
そして、Javitsセンター特設病院がCOVID専用になった事は、先日お伝えしました。
連邦政府が1100人の人員を派遣してくれます。
300人ほどは既に到着し、市内の病院へ。
残りは明日/明後日に到着し、Javitsセンターに常駐してもらいます。
その段階で、Javitsセンターの2500のベッドが、COVID患者受け入れ開始となります。
それに加えて、今までCOVID以外の患者専門であった病院船も、COVID専用にしてもらうよう、今日大統領に話します。
車も走っておらず、犯罪率も激減していて、COVID以外の緊急患者が大幅に減っている為、連邦政府にもっと、対COVIDに参加してもらう、という訳です。
ここには1000ベッドがありますから、Javitsと合わせて3500。
これは、既存の病院の負荷を大幅に減らす事ができるでしょう。
3500ものベッド数に対する人員を、ここまで高速に動員できるのは、軍=連邦政府しかありません。
彼らの有能さと大統領の迅速な支援に感謝します。
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外出禁止令PAUSE法(対老人はマチルダ法)を、4/29まで延長します。
学校と不要なビジネスは、引き続き閉めます。
経済にとっての打撃は私も十分理解しています。
ただ私は、人の命と経済活動を天秤にはかけません。
私達が医療負荷曲線の頂上Apexにいようがいまいが、Social distanceは続けて下さい。
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少し数値の上昇が止まっているからと言って気を緩めないで。
香港も、韓国も、この状態で気を緩めて事態が悪化しました。
私達はそれを繰り返さない。
最初の陽性患者がでたときから、私達はこのウイルスを甘くみていた。
同じ間違いを繰り返さないで。
PAUSE法をしっかり守って下さい。
先週末はとてもいい天気でした。
皆さん、外に出過ぎです。
(*口調が厳しくなります)
天気が良くて外に出たいのは分かりますが、こんな密集状態は絶対にあってはなりません。
人が死んでいるんですよ。
医療従事者はもの凄い覚悟で、自分はおろか家族を危険にさらすリスクを背負って、毎日現場に向かうんです。
あなたの行動はあなただけでは無く、彼らに、あなたの知らない彼らに響くんです。
自制して下さい。
他人を苦しめるんです。
あなたのその行動が。
あなたの無責任さが。
あなたの知らない他人を。
そんな事ははっきりいって許されません。
社会的責任を自覚して下さい。
各地域の行政は、しっかりPAUSE法を施行してください。
今日から、この州法に従わなかった方の罰金最高額を、$500(5万円)から$1,000(10万円)に上げます。
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医療従事者、警察、消防などの、First responderを支援するファンドを設立しました。
「First Responder Fund」
DOH(衛生局)が寄付を受け付けています。
Blackstoneが、$10milion(10億円)の寄付をしてくれました。
感謝します。
メンタルヘルス、Headspaceが協力してくれます。
「headspce.com/ny」で、安価でサービスが受けられます。
同時に、「Emotional Support Hotline」もあります
1.844.863.9314で、精神カウンセラーと無料で話ができます。
活用して下さい。
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私達は、全ての現象をコントロールしたいと思っていますが、それは無理です。
全ての問題を解決したいと思っていますが、それも無理です。
このウイルスは本当に強力で、弱い人達を選んで襲ってくる。
できる事をできる限りやるのが、私の仕事です。
毎日、何百もの死者数を報告するのは、本当に辛い。
しかしこの数は、あぐらをかいて行動しなかった為の数ではなく、やれる事を全てやった上で出てしまった数である事は断言できます。
ニューヨークのタフさは共感/協力/愛/賢さを内包します。
ニューヨーク•タフをもって乗り切りましょう。
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4月7日
本日のデータ
陽性 138,836 (前日比 +8,147)
死亡者 5,489(前日比+731)
一日の新規入院者数は、昨日に比べて上がっていますが、統計では3日をまとめて見ています。
全体的に下がっている傾向は変わりません。
新規人工呼吸器使用数も下がっています。
この傾向は天国から降ってくる数字ではありません。
私達一人一人の行動の結果です。
悲しいニュースは死亡者数。
昨日は731名のニューヨーカが亡くなりました。
彼らは全員、誰かの父であり、母であり、姉であり、兄です。
家族の痛みは計り知れない。
お悔やみを申し上げます。
一日の死亡者数としては過去最高です。
長く人工呼吸器を装着していて、力尽きて亡くなったケースですので、(*COVID患者は11日以上人工呼吸器を付ける)入院患者増加ピーク時に病院に来られた方々がいま亡くなっている、との見解です。
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医療システム支援3本柱
ベッド
スタッフ
PPE(Personal Protective Equipment)
ベッドは元々5万3千だったのが、今は9万台。
順調に準備はできています。
スタッフ、問題です。
前線のスタッフは自らも罹患し、疲弊し、ストレスを抱えています。
現場で「自分が罹患しないように」、家に帰れば「家族にうつさないように」、心の休まるときがありません。
緊急医療スタッフ志願者(元医療従事者)の中から、7千人を正式に雇用しました。
患者の流れを動かして、局地負荷を分散させています。
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連邦政府=軍からの医療支援は、Javitsセンター(2500ベッド)と病院船Comfort。
昨日の午前中に、大統領に、病院船をCOVID専用にしてもらうように連絡しました。
午後には承諾の電話がありました。
大統領の迅速な対応に感謝します。
病院船には1000ベッドありますが、COVID患者を受け入れるに当たって、間隔を空ける必要があり、500ベッドに目減りします。
それでも大きな助けです。
国防総省の対応は素晴らしく、この規模の仮設病院を、ここまでの速度で稼働可能に出来る彼らの能力に感服します。
国防総省と大統領に感謝します。
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隣接するトライステートエリア、ニューヨーク、ニュージャージー、コネチカットで、共同してこの事態に臨むべく、知事達を密に連絡を取り合っています。
社会生活に戻る段階の話もしています。
勿論今は、その段階では無いですが、時が来た時、スイッチのようにいきなり戻る事はできません。
私の意見はテスト、テスト、テストです。
このウイルスに、誰が罹患したのか、誰が回復したのか、誰がまだ接触してないのか、見分ける必要があります。
既に回復していて、抗体を持っているなら、家にいる必要はありません。
社会生活を再開できます。
州衛生局は、抗体テストを認可しました。
更にFDAが認可すれば、テストキットの制作が増大します。
高速テストは既に存在しますが、大量生産ができません。
NY州の人口は1900万人。
私企業が、このスケールのキットを、高速に生産する事は不可能です。
NY州とNJ、CTが、これらの生産に投資をします。
出来ると言う企業は連絡を下さい。
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州税収は激減しています。
予算も税制も崩壊しています。
連邦政府の経済支援がどうしても必要です。
今の時点で通っている経済支援法は、我が州の見地から言って全く助けになりません。
読めば読むほどダメです。
本日NY州代表の連邦議会員に、NYの状況、必要事項を記した手紙を送付しました。
今の支援法はnot fair to NY。
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NYで最初の陽性患者が発見されてから、37日が経ちました。
毎朝起き上がるのが大変ですね。
何度も何度も同じ毎日の繰り返し。
外の景色だけはどんどん明るくなり、天気もよくなり、「ああ、あれがしたかった」「これがしたかった」との予定を思い、暗澹とした気持ちになるでしょう。
分かりますよ。
その気持ち、私も分かります。
でも、たった37日です。
私が毎日冒頭でお伝えする数字。
あの数字。
あれは、天国から降ってくる適当な数字ではありません。
あれは、私達の日々の行動の結果。
私達が、あの数字を生み出しているんです。
1918年のインフルエンザ パンデミック(*スペイン風邪ってやつですね…カンザス発なのにスペイン風邪)では、NYでピークは6ヶ月続き(第3波まであった)、推定3万人が亡くなった。
私達は、これを繰り返さない。
なぜだか分かりますか?
感染拡大を抑制する術を知っているからです。
感染拡大カーブが台形になって、頂上にいるかもしれませんね。
あれはどうしてですか?
私達があの曲線を変えているんです。
Social Distancingは、確実に効果があるんです。
学校が締まり、経済が停滞しています。
その痛みも分かります。
しかし、効果が確実にあるんです。
PAUSE法は効いています。
続けなければいけません。
コミュニティの重要性、人との繋がりの重要性、普段から良く聞きます。
今、それを行動に移す時です。
「私」ではなく「私達」なんです。
(私が)あれをしたい(私が)これをしたい、ではなく、私が彼らに影響を及ぼす、彼らが私に影響を及ぼすことを想って。
あなたの行動が、あなたの家族、知らない他人、そして今、身を削って社会に奉仕している医療従事者に、影響を及ぼします。
It’s about ‘us', not ‘me’.
社会全体の事を考えて行動して下さい。
自制していて。
賢くいて。
安全でいて。
家にいて。
stay disciplined.
stay smart.
stay safe.
stay home.