展示会報告を再開します。
1歳馬に関しては坂東牧場編で全て終わっていますので、今回からは当歳馬の紹介になります。
それから、追加募集馬についてはクラブが一部の情報と関係者コメントをアップしてくれていますので、そちらもあわせて確認頂けると、より正しい情報が入手できますので、そんな感じでよろしくお願いしたいと思いますm(_ _)m
*広尾TC募集馬ページ → https://www.hirootc.jp/sellhorses/
では、まずは桑田牧場の紹介からいってみます。
公式HP『桑田牧場・MULBERRY FARM』(http://kuwatabokujo.com/)によれば、桑田牧場さんは1962年に繁殖牝馬2頭の規模でスタートしたとのことですから、もう50年以上の歴史があるんですね。
現在、広尾の主力生産牧場である木村秀則牧場は、桑田牧場と比べればまだまだ歴史が浅いということになりますね。。
と、ここまで書いてふと思い立ったのですが、木村秀則牧場と桑田牧場を活躍度で比較をしたらどうなるのかなと…
若干、結果を見るのが怖かったのですが、やってみたら意外にも“イイ感じ”だったので、JBISサーチで検索した2018年成績データを比較表にして掲載しておきます。
ランキング1位は当然のようにノーザンファームなのですが、本当に頑張っていると思いますよ、規模の小さな牧場も。
そりゃあ常識的に、そして総合的に考えれば、小規模牧場が社台ノーザンに勝つのは夢のまた夢ですが、それでも個々の馬の争いになれば逆転の可能性がある、それが競馬の面白さでしょう。
近い将来、木村秀則牧場や桑田牧場の馬が大レースで社台ノーザンの馬をブッ千切る、そんな事が起きても不思議ではないですし、その馬が広尾TCで募集されていて、さらには私の出資馬だったりしたら最高です(^^ゞ
いきなり話が大脱線しましたが、気にせずやります。
桑田牧場の代表は(カタログの“生産者コメント”欄に登場されていますが)桑田美智代さんと仰る方で、女性だからというワケではなく、今回お目にかかった牧場、育成場関係者さんの中でも、独特のオーラを発していたように思います。
堂々としていて、信念・こだわりがあって、おそらくですが、ご自分の仕事にいい意味で自信がおありなのでしょう。
(ご本人は、「自信なんてゼーンゼン!」とか仰りそうですけれど(^_^;))
そりゃあ思い通りにならない事も多いでしょうが、狙った牝系の繁殖を手に入れて、多少高くても付けたい種牡馬を思い切って付ける。 生まれた仔が牡なら「この仔は種牡馬に!」と期待をし、牝なら「牧場に戻って牝系を拡げて!」と願いをかける。
こうやって文章にしてしまうとアッという間ですが、実際には年単位で時間がかかるし、時には手が震える決断が必要かもしれず…
そういう勝負の中に身を置きながら、夢をもって明るく頑張る姿勢が、私が感じた“オーラ”に繋がっているのかもしれません。
そして、その明るいオーラは、(種類は多少違いますが)桑田牧場と木村秀則牧場に共通しているような気もします(^^)
そろそろ本題の馬の紹介に行かないと怒られそうなので、デプロマトウショウ'18です。
先ほど少し触れましたが、本馬の母デプロマトウショウは、桑田代表が「高かったけど頑張って買っちゃいました」と仰るほど期待をしている繁殖で、4代母が天馬トウショウボーイを産んだソシアルトウショウという、ソシアルバターフライ系の本流血統馬。
まあ、(桑田代表も仰っていましたが)トウショウボーイと言われても何のこっちゃな競馬ファンも増えているかもしれませんが、今でも史上最高のレースとして名高い1977年TTGの有馬記念をテレビで見た私としては、ソシアルバターフライ直系牝馬の産駒が募集されるとは、実は、かなりクラクラするほどの驚きがありました。
本馬はデプロマトウショウの2番仔になりますが、最初の仔はディープインパクト産駒、来年生まれる三番仔はハーツクライだそうで、配されてきた種牡馬の名前を見ただけで、期待の高さを窺い知ることが出来ますね。
ちなみに桑田代表は、デプロマトウショウを(頑張って)セリ落とした後、繁殖としての身体を作るために、わざわざ1年間空胎のまま休ませて、その後に(満を持して)繁殖として供用を開始したとのこと。
もちろん、買ってきてすぐに種付をしても悪くはないのでしょうが、気合を入れて手に入れた繁殖牝馬にどう接したのか、強いこだわりを持って馬づくりに取り組んでいることがよく分かるエピソードだと思います。
(こういう拘りと妥協をしない姿勢が、私には代表の“自信”、“信念”として感じられたのかもしれません)
デプロマトウショウ'18は現在132cmで、この時期の当歳としてはやや小さいぐらいだそうです。
確かに、あとで紹介をするヴェイパー'18よりも少し小さいかな?と感じましたが、まだ当歳の10月で、離乳をしたばかりですからね。 これから大きくなるのは当然ですし、父オルフェーヴルに似た、中型サイズで運動神経の良い馬になっていくイメージでしょうか。
性格的にはオルフェーヴル産駒らしいキツさを持っていて、非常にやんちゃで離乳の時もそれなりに苦労があったそうです。
ただ、離乳後に人間との接点が増えるにつれて、『自分は人間を頼るしかないのだ』ということを理解してからは落ち着いたとのことで、頭の良さ、理解力などに問題がなく、人間との信頼関係もしっかり出来つつあると思われます。
本馬が広尾TCで募集となった経緯は、実はウインアルエット'17と同じだそうで、もともとは池江先生が桑田牧場の当歳を見て、一番評価が高かったのがこの馬なのだだそうです。
(それを先に言われてしまうと、私が馬のデキについてアレコレ言う必要はなくなってしまいますが、確かに歩きはキビキビと俊敏で、いかにもオルフェ産駒らしい、運動神経の良さが前面に出ている魅力的な当歳馬でした)
で、池江先生が評価したほどの当歳ですから、当然、他の馬主さん(結構有名な人たち)も欲しがったのだそうです。
そんな中、たまたま広尾TCが先に本馬を見て高く評価をしていたこと、ウインアルエット'17つながりの池江先生ライン(とY代表の頑張り!?)を武器に、激しい競合の末に今回の募集にこぎ着けたとのことでした。
(本馬の姉、ディープ牝馬はとある大馬主さんに買われていて、池江先生が管理する予定だそうです)
今後の話になりますが、デプロマトウショウ'18は育成場(多分、吉澤ステーブルでしょう)に行く前に、池江先生が選んだ中間育成場に移動をさせるなど、池江スペシャルな育成プロセスを踏ませる予定なのだそうです。
こだわりの牝系にこだわりの配合、こだわりの育成を施される本馬がどのように成長していくのか。
馬個体の良さはもちろんながら、関係者の思いや期待が詰まった本馬の行く末を、自分も出資者として見守ってみたい。。
まんまと展示会マジックにハマった気がしないでもありませんが、素直に『出資したい…』と思ってしまった私なのでした(^^ゞ
デプロマトウショウ'18
牡当歳 黒鹿毛 2018.02.20生 浦河産
父:オルフェーヴル 母:デプロマトウショウ (母の父:ファスリエフ)
栗東・池江泰寿厩舎
販売総額 4,180万円 / 総口数 2000口
募集写真
桑田牧場の2頭目は、ヴェイパー'18です。
本馬の母ヴェイパーも桑田代表が惚れ込んで買った繁殖だそうですが、デプロマトウショウとは違い、こちらはセリ(米国キーンランド)で主取になったあとに、桑田代表が差し値交渉の末に「かなり頑張っちゃって」手に入れたのだそうです。
それでもこれだけの血統のGalileo牝馬ですから、値段は大分高かったそうで、「買った時にお腹の中にいたSpeightstownの牡馬が売れてくれて助かった」(2017セレクトセールで5,400万(税抜))とのぶっちゃけ話もして頂きました。
こういう話をきくと、牧場経営は馬が好きなだけではダメで、有限である経営資源をどう活用するのか、牧場の将来価値をどう最大化するのかなど、いわゆる経営センスが大きく問われる仕事なんだと改めて実感させられますね。
そんなヴェイパーにキングカメハメハを配して生まれたのがヴェイパー'18ですが、今どき父にキングカメハメハというのは、それはそれで際どいこだわりを感じる配合作戦ではないでしょうか。
ご承知の通り、キングカメハメハは年々受胎率が下がっていて、不受胎リスクを考えると積極的には付けにくいはずで。。 無事に産駒が誕生すれば、逆に希少価値が生まれるとは言え、お手軽な種牡馬ではないですからねぇ…
いや、結果的にこうして綺麗な馬が誕生したわけですから、これから少なくなる筋の通ったキンカメ産駒が募集されただけで、(買う買わないは別にして)我々にとってはとても嬉しい話と理解すべきなのでしょう。
(父キンカメのヴェイパー'18の下は、父ロードカナロアだそうです)
ヴェイパー'18は現在135cmで、デプロマトウショウ'18よりもひと回り大きい馬でした。
そして、大きさとは別に、出てきた瞬間に本当に綺麗な牝馬だと思わせるバランスの良さ、脚の長さ、筋肉の付き方、肢勢の良さがあり、見た目の良さ(好み)なら今回の展示会で見た当歳の中で一、二と言って良いでしょう。
正直言って、現時点の見た目では、私はデプロマトウショウ'18よりコチラです。
歩きも柔らかかったし手先も素軽く、時々見られる堅くて重たいキンカメ産駒のイメージはなかったですから、このままの形で成長をしていけば、相当に本格的な活躍を期待していいのではないでしょうか。
本馬を管理するのは、新進気鋭の武幸四郎調教師。
正直、調教師としての評価はこれからなので、何とも言いようがないところではありますが、幸四郎先生と桑田牧場さんにはそれなりのつながりがあるようで、「本当にいい馬が出たのでどうですか?」的な話があったようです。
本音を言えば、こういう馬は藤原先生あたりにやって欲しいところですが、調教師が先に決まっていたのでは致し方ないですし、未知の魅力に期待をしつつ、デビュー戦武豊大先生騎乗を夢見るのも、悪い話ではないかもしれません(^^ゞ
ヴェイパー'18は本当に気が優しくて大人しい牝馬だそうで、これは母ヴェイパーの性格を受け継いでいるとのこと。
どのぐらい優しいかというと、離乳のあとに混乱して泣いているデプロマトウショウ'18などを見て、自分も離乳直後なのに気遣って面倒を見てあげるような、そんな母性としての優しさをすでに見せているそうです。
血統の良さ、馬体の綺麗さ、そしてこの性格。。 ヴェイパー'18は、競走馬としてはもちろんですが、個人的には母になってから大物を出すのではと期待をしています。(かなり気が早い話ですけれど(^^ゞ)
まあ、ヴェイパー'18を広尾で募集できたのも、クラブ馬は競争が終わった後にきちんと牧場に戻る、ということですから。
当然、競争生活後には桑田牧場で繁殖生活に入るわけですが、個人的には、すでにヴェイパー'18の子どもが欲しいなぁと(^^ゞ
Nureyev≒Sadler's Wellsの4×3(名牝Specialクロス)を持ったMr. Prospector強調系の良血繁殖牝馬で、サンデーサイレンスを持たないヴェイパー'18。 これは将来、非常に期待の大きな馬を産んでくれるのではないでしょうか。
図々しいとは思ったものの、馬見の隙をついて、私、桑田代表にこの話をしてみました。
「すみません、ヴェイパー'18の子どもが生まれたら、是非出資をしたいのですが…」
そうしたら桑田代表、「え?子どもですか?? 私あと何年やらなゃらなきゃいけないんだろう(笑)」ですって。。
何だか見事にはぐらかされてしまいましたが、そりゃあ、現時点では何も言えないのが当たり前ですからね。
でも、あとでこの件をY代表にお話したら、「大丈夫です。そのつもりで動きますから!」と仰っていただきました。
もちろん、何かを確約するとかそういう話ではないですが、ブラッドスポーツである競馬の醍醐味、その一端を比較的気軽に楽しめるのは一口馬主の大きな魅力だと思いますし、最初からそこまで狙ってヴェイパー'18のような馬に出資できるとしたら、非常に贅沢で豪勢な話ですからね。 クラブには是非頑張って欲しいと思います(^^)
最後になりますが、実は、馬を引いてくれていたスタッフさんが、当歳馬に関するネタ話を披露してくれました。
内容的にはメジロマックィーン関連やフランケル関連の話だったのですが、その内容云々よりも、スタッフさんたちが、クラブ会員である我々を一生懸命歓迎してくれる気持ちが伝わってきて、とても有難いと思いました。
そういう真面目さ、緊張感をもって仕事に取り組む姿勢は桑田代表の影響かもしれませんが、木村秀則牧場のアットホームな一体感とは違った意味で、桑田牧場さんはとても気持ちの良い牧場だったと思います。
ウインアルエット'17に続いてデプロマトウショウ'18とヴェイパー'18。 そしてそのあとの世代からも、イイ馬がいたら是非クラブで募集をして欲しい、そんな気持ちを強く持つことになった桑田牧場での見学会でした(^^)
ヴェイパー'18
牝当歳 鹿毛 2018.03.25生 浦河産
父:キングカメハメハ 母:ヴェイパー (母の父:Galileo)
栗東・武幸四郎厩舎
販売総額 3,560万円 / 総口数 2000口
募集写真
*広尾TC募集馬ページ → https://www.hirootc.jp/sellhorses/
*馬の評価は素人の感想、見解です。出資はあくまでも自己責任でお願い致します(^^ゞ
*文中の引用コメントは私の記憶に基づいて書いています。誤り、ニュアンスの違いなどは全て私の責任ですm(_ _)m
*広尾TC様のご厚意により、クラブ公式HP等からの情報転載の許可を頂いています。
それぞれ勝利を飾れなかったわけですから、100%満足にはほど遠いのですが、勝ち上がり、そしてその後の活躍が望める走りを見せてくれましたので、少なくとも昨年の馬たちより格段にいいデビュー戦だったと思います。
と言いますか、結局、1頭も勝ち上がれなかった昨年と比べちゃダメなんですけど(^_^;
替わって今週は、まずは20日東京4Rで2歳勢の3頭目、カナロアガールがデビュー戦を迎えます。
相手関係が分からないのは仕方がないとして、一週前となる先週の追い切りで出色の動きを見せたことで、デビュー戦前の評価としては、グランソヴァール、スパーブアゲインよりも上という状況です。
デビュー戦なのであまりプレッシャーをかけてもいけませんが、トレセンに戻ってちょうど一ヶ月の間、非常に順調であり、仕上げの過程に全く無駄がありませんでしたから、最高のデビュー戦になるのではと期待しています。
そして、同じく20日の京都にはディメンシオンが登場します。
前走の三面川特別を勝ってから二ヶ月が経ちますが、その間の調整も順調でしたし、藤原厩舎サイドから馬体に身が入ってきたとの報告があったぐらいで、久々の昇級戦といえども好レースが期待できます。
ディメンシオンはここ2戦で500万条件、三面川特別と連勝をして、通算成績は8戦4勝。
3戦目と5戦目で大きなポカ負けがありますが、その後は何だかんだで安定した走りをしているだけに、今度も折り合いさえマトモなら、おかしな競馬にはならないだろうと思っています。
その他では、ビジューブランシュが障害試験を受けるかもしれません。
飛越に不安はないとのことですが、そろそろ合格をしてもらわないと…
無理は禁物ではありますが、長期間にわたって試験に引っ掛かるようであれば、入障自体に疑問符がつくことも考えられます。
馬自身はずっと調子が良かっただけに、障害練習と試験準備だけで過ごしているのは勿体ない気もしますので。。
あとはですね、1歳馬の紹介終了時点で中断していた、募集馬展示会報告を今夜から再開する予定です。
残っているのは追加募集当歳馬のデプロマトウショウ'18、ヴェイパー'18を見学した桑田牧場さんと、すでに出資済み(先週末時点で満口まであと11口)のゴッドフロアー'18、ラズベリータイム'18の当歳募集馬に加え、来年のラインアップ入りが予想されるステラリード'18など6頭を見学した木村秀則牧場です。
どちらの牧場もとても良い見学が出来たと思っていますので、最後まで真面目にやりたいと思います(^^ゞ
<出資馬の状況>

<2018総合成績>

