カイザーノヴァは、転厩に備えて、27日、美浦トレセン近郊の吉澤ステーブルEASTへ放牧に出ています。
◇澤担当のコメント 「本日夕刻、無事に到着しました。前走後も特に大きなダメージは見受けられなかったと聞いています。まずはリフレッシュを兼ねてその状態を窺っていき、徐々に調整を進めていきましょう」
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カイザーノヴァの移動先は、とりあえず吉澤ステーブルEASTさん。出資馬がお世話になるのは実に久しぶりですが、今回は状態確認を含めたワンクッションだと思いますので、それほど長い滞在にはならないでしょう。。
と書いてはみたものの、そのあたりについては、まだ鈴木先生の進め方をよく知らないので予想のしようがありません。ただ、鈴木先生に限らず、新しく面倒を見る馬については『早めに手元で確認したい』という気になるのではと、何となくそう思ったものですから(^^ゞ
いずれにしても、カイザーノヴァが美浦・鈴木慎太郎厩舎で再スタートを切る準備は着々と進んでいます。こうなると、できればクラブからも(Online Racing Salonとかで)鈴木調教師の紹介などして欲しいところですが、このところオミクロン株がスゴイことになっていますし、いろいろ準備もあるので急には難しいですよね。
そこで、昨年の2月、厩舎開業前の鈴木慎太郎調教師について取り上げたスポーツ報知さんの記事を(たまたま)見つけましたので、それを貼りつけておきたいと思います(^^)
スポーツ報知『JRAの技術調教師とは? 美浦・鈴木慎太郎調教師の場合』
毎年12月に新規調教師が発表される。合格者は、翌年1月1日に調教師の免許が発行されてから、実際に開業するまでの期間を「技術調教師」として動き回る。開業まで2週間を切った鈴木慎太郎調教師(42)=美浦=は、どんな時間を過ごしてきたのか。経歴も含めてご紹介したい。
高校を卒業後、2つの牧場で修業し、24歳で競馬学校に入学。卒業後は茨城・美浦トレセンに配属された。思い出の馬は、堀井雅広厩舎に所属してすぐに担当したアポロソニック(13年日本ダービー3着)。「セントライト記念の前の調教で屈腱炎になって悔しい思いをしました。自分で管理した馬で大きい舞台に来たいと感じるようになりました」と初めて調教師を意識した。
馬主や牧場にコネも無かったが、牧場で一緒に働いた栗東・松下武士調教師の存在も刺激になった。「話を聞くうちに自分でもやれるのかなと。それからは1人でなるべくセリに行って、相馬眼を養いました。経営者になるために京セラ・稲森和夫さんの考え方を学ぶ勉強会などにも顔を出しました」。充実した準備期間を経て、2019年12月に晴れて合格した。
技術調教師の時間の使い方に決まりはない。主に色々な調教師の元で研修したり、牧場に顔を出したり、開業してからの馬集めなどを行う。厩舎に所属すれば給料はもらえるが、日払い制だ。鈴木も精力的に牧場を回り、会食の約束もたくさんあったが、緊急事態宣言ですべてキャンセル。5月までは堀井厩舎の調教を手伝いながら、午後は開業準備や経営者の勉強をした。
夏場はセリや牧場を回り、楽しみにしていた栗東・矢作芳人厩舎での研修が始まった。「調教師を志した頃、知り合いが何人もトレセンを辞めていって…。矢作厩舎のような働きやすい、仕事の楽しさを分かってもらえる厩舎を作りたいと思っていました」。矢作調教師と面識はなかったが、同厩舎の調教助手を通じて研修の申し入れしたところを快諾。「コントレイルの神戸新聞杯の翌週からお世話になって、立ち上げる過程とか菊花賞に向かう過程も間近で見させてもらいました。3冠達成当日も立ち会えて、一生の財産になりました」。史上3頭目になる無敗3冠馬のコントレイルとともに過ごした時間を振り返った。
矢作調教師が発した言葉で印象に残っているのは「最初は模倣から入るのもあり」という一言。「なので自分が良いなと思ったところは矢作先生に限らずどんどんパクらせてもらいます」と鈴木は笑うが、その素直さこそが成功の近道だと思う。
最後に目標や、どんな厩舎にしたいかを尋ねると「この世界を目指そうかなと思ってる人に、『鈴木でも調教師になれるんだから』と思ってもらえるように。自分をここまで育ててもらった方々や競馬界に、どう恩返しできるかだと思ってます」と返ってきた。自分よりも、まず周りを思いやる調教師が、間もなく誕生する。(中央競馬担当・玉木宏征)
◆鈴木 慎太郎(すずき・しんたろう)1978年12月19日、愛知県名古屋市出身。42歳。小西厩舎で6年半、加藤征厩舎で2年、堀井厩舎で9年の経験を積み、2019年12月、5回目のチャレンジで調教師試験に合格した。趣味は読書。5年前に離婚し、小学5年と6年の男児のシングルファザーでもある。「おととし父が定年になり、両親で茨城に引っ越してきてくれて助かっています。子供達にも頑張っているところを見せたい」と覚悟。厩舎カラーは(子供の名前から)青と緑。厩舎のロゴは「鈴は鈴木より。鈴の数は、馬、ファン、厩舎で3つです。蹄鉄の周りの縄は円=人の縁を大切にしていきたい」
厩舎カラーは青と緑、広尾TCの勝負服カラーです!( ・`ー・')キリッ
いや、開業前の鈴木慎調教師がわざわざ広尾TCにゴマをするはずもなく、記事にある通り、息子さんたちのお名前から厩舎のラッキーカラーを青と緑にしているのでしょう。シングルファザーであろうがなかろうが、ご家族を守るために頑張る大黒柱の姿は尊いものです。(息子さんたちのお名前は知る由もありませんけれど(^^;))
そんな小ネタは別にして、やはり、カイザーノヴァの鈴木慎太郎厩舎への転厩は矢作先生の紹介、肝いりによるものだったようです。だから何だというつもりはないですが、少なくとも矢作厩舎から鈴木慎厩舎へ、カイザーノヴァに関する申し送り事項はしっかり伝わるでしょうし、場合によっては転厩後もアドバイスがもらえたりするかもしれませんしね。
まあ、いろいろと考えてはみたものの、周りがどんなに頑張っても、カイザーノヴァが本来の走りを取り戻さなければ話になりません。ひょっとすると、鈴木慎厩舎の皆さんには多大なご苦労をおかけするかもしれませんが、もともとは素質も高く、大きな期待をされていた馬ですので、多少のことには目を瞑り(^^;)、何とか上手く導いて頂きたいと思いますm(_ _)m
それにしても、青と緑のこの偶然… 運命の赤い糸というヤツかもしれませんねぇ(o´艸`)ムフ
【2021/12/26阪神12R 猪名川特別でのカイザーノヴァ:公式HPより】
◇小泉厩舎長のコメント 「先週末もショックウェーブ放射を行いましたので、おそらくこれで大丈夫。26日朝は半マイル57秒7で登坂しており、ここからしっかりと乗り込んでいきたいですね。馬は大人になったという表現よりも、ハツラツとした若さにパワーがついてきた感じでしょうか。スピードもありますし、普段乗っている限りでは、マイラーのような印象を受けることもあります」
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募集前に木村さんの牧場で見た時には、欠点が少なくバランス良くまとまった馬、という印象でしたが、古馬になり、重賞を勝つまでに成長した今の姿からは、単にバランスが良いだけでなく、堂々とした風格が備わってきたように感じます。それは出資者の贔屓目だろ、と言われるとそんな気もしますが、ここにきて「ハツラツとした若さにパワーがついてきた」と言われるほど成長したのは嬉しいですし、いよいよミスペン仔・パンサラッサの本領発揮といきたいところです。
ちなみに小泉厩舎長は、「普段乗っているとマイラーのような印象を受けることも」とも仰っています。これは、実は私もそう考えていまして(乗ったことはないですけど(^^;))、パンサラッサの適距離は(本質的には)1600、1800mで、それを調教と実戦の繰り返しで2000mまで伸ばしてきたパターンではないかと思っています。
まあ、馬の距離適性は数学のようにピッタリ答えが決まるものではないですが、矢作先生もマイラー資質を感じていたからこそ、昨年は中山記念~マイラーズCのローテだったわけですし。。それが、休養を挟んで成長し、休み明けの2000m戦で結果を出したことで、今では春の大目標が大阪杯ですから大したものです。
いずれにしても、チャンピオンヒルズでの調整が順調で、パンサラッサが元気一杯なのは何よりです。中山記念にしろ金鯱賞にしろ、パンサラッサが良い状態であれば、大阪杯へのステップという以上に面白いレースになると思いますので、このまま良い流れに乗って、どんどん調子を上げていって欲しいです。
【チャンピオンヒルズ在厩のパンサラッサ:公式HP(2022/1/24更新分)より】
チャンピオンヒルズ在厩。おもに周回コースでのウォーミングアップ後、坂路にてハロン17~18秒ペースのキャンター1本を消化。先週末より、徐々にピッチを上げて乗り込まれています。
◇小泉厩舎長のコメント 「先週末15-15に近いところを登坂し、26日朝は半マイル58秒程度。馬のコンディションに問題はありませんが、予定していた時計よりも1つ2つ速めになってしまいがちな点が本馬の凄みでもあり、課題でもあるんですよね。なるべく我慢させるような調教を心掛けながら、乗り込んでいきたいと思います」
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先週の近況で「なかなか脚が溜まらず、うまくバネを活かしきれない」との話がありましたが、坂路でやるとつい時計が出てしまうところにもそれが出ているという、なかなか難しい課題は相変わらずのようです。もちろん、そんなに簡単に解決したら何の苦労もないわけで、我慢のきいた走りができるようになるまでには、まだしばらく時間が掛かりそうですね。
時間が掛かりそうということは、阪急杯(2/27阪神)までに大きな改善を望むのは難しいのかも…。であれば、(レースと調教で違うことをやるのはアレですが)阪急杯は1400mへの距離短縮になりますし、ここは一発開き直って、スタートからパワーとスピードで一気に押し切る競馬をしてみるのも面白いかもしれません。
【チャンピオンヒルズ在厩のバスラットレオン:公式HP(2022/1/24更新分)より】
◇小泉厩舎長のコメント 「硬さはそれほど気にならなくなりましたし、馬自身もきっと楽になっているのでしょう。少しずつ動けるようになってきましたね。それに最近では腰まわりにボリュームが出てきたようにも感じます。まずは半マイル56秒を上限として本数を積み重ね、さらに状態を上げていければと思います」
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先々週、先週からさらに状態が上がってきたようで、いよいよトレセン入厩が近づいてきた感じです。まだゴーサインが出たわけではないものの、早ければ来週あたり、何らかの動きがあってもおかしくないと思います。正直、良化ペースが予想よりも緩やかで、2月出走が確定的とは言えない雰囲気ですが、いずれにしてもそう遠くない時期に中央再デビューを果たすことになるでしょう。
写真を見ると古馬らしいなかなか堂々とした身体つきになっていますし、早く中央での走りを見たいところですが、あともう少し、逸る気持ちをグッと抑えて見守りたいと思いますm(_ _)m
【チャンピオンヒルズ在厩のプライムライン:公式HP(2022/1/24更新分)より】