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ジョン・ヒューストン監督『黄金』

2009-02-14 16:17:21 | ノンジャンル
 昨日の春一番のおかげで、今日の私の家の庭で、しだれ梅が多く花咲かせました。春はそこまで来ているようです。

 さて、WOWOWで、ジョン・ヒューストン監督・脚本の'48年作品「黄金」を久しぶりに再見しました。
 1925年メキシコ。薄汚れた格好の中年男ドブズ(ハンフリー・ボガート)は、道行くアメリカ人に金を恵んでもらうほどの落ちぶれようです。彼は、若いアメリカ人の食いつめ者カーティン(ティム・ホルト)と知り合い、同じアメリカ人(ジョン・ヒューストン)にまた金をせびると、金を人から恵んでもらうのはこれで最後にして自立しろと金を倍もらいます。ドブズとカーティンは重労働の力仕事に就きますが、雇い主は給料を払わず、とんずらしてしまいます。二人は安宿で、金は魔物だと言う金鉱掘りの老人ハワード(ウォルター・ヒューストン)に出会い、一獲千金の話に魅せられます。翌朝街角で見つけた雇い主から給料を取り戻した二人は、ハワードを道案内に金鉱掘りに出発します。列車が山賊に襲われ、銃撃戦になりますが、無事に切り抜け、ロバを買って険しい山道とジャングルを越え、食事を取る元気もないほど疲労困ぱいしたドブズとカーティンはもう諦めて引き返そうと言いますが、ハワードは今俺たちは金の上に立っているんだぞと踊り出します。3人は水路を作り、砂金を集め、5千ドル分になったところで、ハワードが金を3等分にすると、残りの二人は目の色が変わります。彼らは坑道を作って必死に掘り出し始め、落盤で生き埋めになったドブズはをカーティンが助け出します。ハワードはこれが終わったら引退すると言い、カーティンは自分の農場を持つ夢を語りますが、ドブズは取りあえず風呂に入り、服を新調し、レストランのメニューを全部頼んで全部突っ返し、そして女だと言いますが、やがて金の分配のことでドブズとカーティンが揉め出し、ハワードが諌めます。夜ドブズが目覚めると、ハワードの寝床が空で、ドブズは疑心暗鬼になり、独り言を言い始めます。そしてカーティンが町へ買い物に行くと、アメリカ人のコーディに彼が砂金を集めていることを悟られ、後をつけられて砂金掘りの現場まで付いてきてこられてしまいます。ハワードの反対にもかかわらず、結局コーディを殺すことに決まりますが、そこへ山賊がやってきて銃撃戦となり、コーディは山賊に撃たれて死に、盗賊たちも退却した後、軍隊に皆殺しにされます。コーディの持っていた手紙から、彼には果樹園を持つ妻がいたことが分かり、3人は埋葬してやります。3人は砂金堀りを切り上げ、帰ることにします。カーティンが金を4等分してコーディの妻にも上げようと言っているところへメキシコ人たちが現れ、川に落ちて瀕死の状態の少年を救ってほしいと言うので、ハワードが彼らに同行します。ハワードは人工呼吸で少年を助けると、村人たちはお礼をするため村に留まってほしいと言い、ハワードは仕方なく数日村に留まり、二人は先に荷と一緒に村に降りることにします。ドブズはハワードの金を二人で横取りしようと言いますが、カーティンが断ると、カーティンとハワードがグルだと疑います。そしてスキを見せた方が負けだと言って、二人は眠ることもせずにお互いを監視しますが、睡魔に勝てずに寝てしまったカーティンをハワードは殺そうと銃で撃ちます。村でもてなしを受けていたハワードのところに重傷を負ったカーティンが運ばれてきて、事情を話し、二人はメキシコ人たちの護衛と共にドブズを追います。ドブズは疲れきって水を飲んでいるところを山賊に殺され、荷を奪われます。山賊は町でその荷を売ろうとしますが、ロバが盗まれたものであることがばれ、逮捕され処刑されます。ハワードたちは町に着き、ドブズが殺されたこと、そして山賊が金の入った小袋を荷を重く見せるための単なる重りと考えて途中で捨ててきたことを聞き、その現場に急行しますが、強風に飛ばされ、既に砂金は袋の中には残っていませんでした。ハワードは神様のユーモアだと言って大笑いし、ショックを受けていたカーティンもつられて笑いだします。ハワードはメキシコ人の村で村人に称えられながら医者をして余生を送ると言い、カーティンには果樹園を持つコーディの妻のところに行ってやれと言うのでした。
 テッド・マッコードのシャープな撮影が見事で、「偉大なるアンバーソン家」でお馴染みのティム・ホルト、ジョン・ヒューストンが親父にこの役を演じてもらうためにこの映画を作ったとも言われているウォルター・ヒューストン、そしてエキセントリックな役を見事に演じているボガートら演技陣も素晴らしいのですが、上のあらすじからも分かるようにとにかく時間が長過ぎで、エピソードを詰め込み過ぎている印象を受けました。また、ラストでウォルター・ヒューストンがティム・ホルトに「取りあえず笑っとけ。笑わないと気が狂うぞ」と言う素晴らしい台詞があった覚えがあるのですが、まったく違う台詞になっていました。「気が狂う」という表現が放送コードに引っ掛かるので、別の言葉に訳したのでしょうか? 謎です。ということで、長い映画でも面白ければ大丈夫という方にはオススメです。