gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

アラステア・フォザーギル、マーク・リンフィールド『アース』

2009-02-17 18:35:57 | ノンジャンル
 WOWOWで、アラステア・フォザーギル、マーク・リンフィールド監督の'07年作品「アース」を見ました。
 宇宙から見た地球。雪山、砂漠、ナイアガラの空撮。鳥の大群。「北極から南極への縦断の旅」のナレーション。「北極点から1100キロ」の字幕。春に姿を現した、北極の美しい太陽。素穴から出てきた母と赤ちゃんの北極グマ。溶けて流れ出す氷と、海にはまる雄の北極グマ。「北極点から1600キロ」の字幕。ツンドラ地帯で営巣する渡り鳥たちと、陸上動物では最も遠くまで移動するトナカイの大群。そしてそれを追うオオカミに捕まるトナカイの子供の空撮。「北極点から2100キロ」の字幕。冬の針葉樹林の動物のいない沈黙の世界。獲物を求めて移動し続けるオオヤマネコ。「針葉樹林は、地球上の樹木の3分の1の数を占める」というナレーション。春に芽吹く草木。鳴き出す鳥たちと姿を現すキツネ。「北極点から4000キロ」の字幕。生命に溢れる広葉樹林。木から飛び下りるオシドリの巣立ち。季節のうつろいによる森の色の見事な変化。冬のシベリアのアムールヒョウ。「赤道」の字幕。季節のないジャングル。「地球の3%の面積でしなないジャングルに、動植物の半分の種が住んでいる」というナレーション。カンザシフクチョウやカタカケフクチョウの面白い求愛ダンス。豊かな水の流れ。「地表の3分の1を占める砂漠は広がりつつある」のナレーション。アフリカの南部のカラハリ砂漠で水を求めて移動するゾウの群れ。それに加わる水牛の群れ。砂嵐の中を進むゾウ。群れからはぐれて砂漠の中心へと向かう若いゾウ。雨季になり、草原に変わる砂漠。すごい数の鳥。地上で繰り広げられる弱肉強食の世界。2週間の旅の後、水たまりに辿り着いたゾウの群れ、そして互いに顔色をうかがいながら水を飲む他の動物たち。夜になり目が見えなくなる1頭のゾウに一斉に襲いかかる30頭ほどのライオン。インド洋からヒマラヤへ向かう湿った風。ヒマラヤを越え南へ渡るアネハヅルの群れが乱気流で翻弄される様子。ヒマラヤから見る夢のような夜空。様々な滝の競演。雨季になり湿原となった草原を渡る猿たち。水の匂いを嗅ぎ付けて、倒れた仲間を起こすリーダーのゾウ。水中から撮った泳ぐゾウ。海を見事に泳ぐアザラシ。鳴き合って子育てをするザトウクジラの上に「赤道の南800キロ」の字幕。最大時速100キロ以上で獲物を追うイルカとカジキの群れ。餌場の南極まで地球の4分の1を移動するザトウクジラの親子。オットセイを狙い、海上に飛び上がる巨大なホウジロザメ。嵐の中ヒレで海面を打って、お互いの位置を知らせ合うザトウクジラの親子。「赤道の南7200キロ」の字幕。春の南極に着いたザトウクジラの親子。冬が近づき、オーロラに輝く南極。夏の北極で溺れかけている北極グマ。飢えから必死に巨大なセイウチに襲い掛かるが、海に群れごと逃げられてしまい、餓死する北極グマ。「今のままだと北極グマは2030年までに絶滅する」「温暖化により真水の供給は著しく予想困難になっている」「ザトウクジラなどが必要としているプランクトンも減少した」「だが今ならまだ間に合う。私たちにできること、探していこう」の字幕で映画は終わります。
 幻想的な風景、決定的な瞬間を複数のカメラで撮るという見事としかいいようのない撮影など、不思議な時間に満ちた映画です。また植物が決して動かない生物なのでなはく、とってもゆっくりしたテンポで、動物と同じように動いている生物であることも分かり、認識を新たにしました。温暖化によって多くの悲劇が生まれていることを知ってもらい、環境問題にアクセスしてもらうための映画ではあるのですが、そうした目的を越えて、生物の多様性の素晴らしさに圧倒される映画でもありました。文句無しにオススメです。