三池祟史監督の'10年作品『十三人の刺客』をスカパーの日本映画専門チャンネルで見ました。
「極めて残虐な男が権力の座に着こうとしていた。それを阻止しようとする侍たちがいた。彼らが狙うは将軍の弟--。これは、広島長崎に原爆が投下される百年前の日本の物語である」の字幕。屋敷の門前で一人の侍が切腹します。「弘化元年三月五日 明石藩江戸家老 間宮図書--切腹」の字幕。訴状には残虐な主君の斉韶(なりつぐ)を諌める内容が書いてありました。明石藩老中の土井(平幹二朗)は島田(役所広司)を呼び、斉韶が来年幕府の老中になること、斉韶が参勤交代で尾張藩領に一泊した際、尾張藩の牧野(松本幸四郎)の息子の嫁を犯し、息子を惨殺したことを告げ、百姓一揆の首謀者の娘が両腕と両膝下と舌を切断され、さんざん弄ばれた後、路傍に捨てられた姿を見せ、その娘が一家が「みなごろし」されたことを口にくわえた筆で書くのを見せられます。侍としての死に場所を探していたという島田は斉韶暗殺の命を帯び、土井から役職を解かれます。一方、斉韶の家臣の鬼頭(市村正親)は斉韶が間宮の一族を縄にかけ、一人ずつ矢で射抜くのを止めますが、無駄に終わります。そして、あくまで主君を守るため、土井の家に訪ねてきた者を調べさせます。
島田の元には倉永(松方弘樹)、平山(伊勢谷友介)が集まり、彼らの紹介で三橋(沢村一樹)ら9人が参集しました。三橋は来月に斉韶が江戸から帰国することを知らせます。集まりの帰り、鬼頭の家来に拉致されそうになるメンバーを助ける平山。鬼頭は家来の死体を見て、島田が暗殺に乗り出したことを確信します。
女遊びに耄けていた島田の甥の新(山田孝之)は、島田の企みを知り、嫁のつやを置いて島田の元に駆けつけます。平山の唯一の門人と槍の名人の小倉を加えた12人は訓練に入り、卑怯な手を使っても相手を倒すことや火薬の戦法を学びます。斉韶出発の前日には島田の旧友である鬼頭が訪ねてきますが、二人はまた会おうと言って別れます。料理を混ぜて犬喰いする斉韶。
島田は美濃の国の落合宿で斉韶を待ち伏せすることに決め、三橋を先にやって宿全体を借り受けさせます。雨の中出発する12人。途中の村で鬼頭の雇った浪人たちの待ち伏せに会った島田らは、街道をそれて山を越えようとしますが、道に迷います。そこで出会った山の者・石塚に道案内を頼み、無事に斉韶らを追い越して落合に着くと、石塚も彼らに加わりたいと言い出し、棍棒で頭を殴られても平気な石塚を仲間に加えます。牧野は斉韶らに尾張藩通行お断りを貫き、斉韶らが迂回すると切腹します。落合の城塞化に励む島田らは、斉韶らの一行70数名が街道から消えたのを知り、焦りますが、島田は辛抱のしどころだと皆をなだめます。やがて200を超える数で霧の中から現れる斉韶ら一行。島田らは配置に着きます。
偵察に来た鬼頭は裸の子が路上にいるのに安心して一行を村に入れますが、やがて避難する村人や屋根に刺してある無数の刀に気付き「しまった!」と声を上げると、村の入り口が閉じられ、橋は爆破され、背に火をたかれた牛が暴走し、家々が次々と爆破されていきます。屋根の上の島田らは斉韶と鬼頭らと対面し、矢を放ちます。残り130人となったところで、島田は「小細工はここまで」と言い、娘が「みなごろし」と書いた紙を広げ、「斬って斬って斬りまくれ!」と言って、屋根から飛び降り、白兵戦に臨みます。戦に魅せられ、自分が老中になったら戦の世に戻すと言う斉韶。島田の仲間たちは一人また一人と倒れ、最後に斉韶と鬼頭と2人の家来の前には、島田と新だけが残ります。島田は鬼頭との一騎討ちに臨み、足をひっかけて鬼頭を倒すと、首を討ちます。鬼頭の首を蹴る斉韶。島田は斉韶にわざと自分の腹を刺させると、自分も斉韶に刀を射し込み、血だらけの手で顔を押して刀を抜いた後、泥だらけになって死を怖がり泣く斉韶の首を取ります。死んだ島田を後に、死体の間を歩く新は、生きていた石塚と会い、二人は別れ、新は笑顔になって立ち去ります。「弘化元年五月。参勤交代の途中で病を発した斉韶は、明石城に帰城と同時に病死を告げられた。この二十三年後、徳川幕府は消滅。明治となった」の字幕。つやが明るい顔で新を出迎えるところで映画は終わります。
前半はほとんど画面が真っ暗で、それが陰惨さを強調し、ラストは「七人の侍」を思わせる乱戦ぶりに胸踊りました。殺陣で松方弘樹の体幹だけがまったく動かなかったことも付け加えておきます。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)
「極めて残虐な男が権力の座に着こうとしていた。それを阻止しようとする侍たちがいた。彼らが狙うは将軍の弟--。これは、広島長崎に原爆が投下される百年前の日本の物語である」の字幕。屋敷の門前で一人の侍が切腹します。「弘化元年三月五日 明石藩江戸家老 間宮図書--切腹」の字幕。訴状には残虐な主君の斉韶(なりつぐ)を諌める内容が書いてありました。明石藩老中の土井(平幹二朗)は島田(役所広司)を呼び、斉韶が来年幕府の老中になること、斉韶が参勤交代で尾張藩領に一泊した際、尾張藩の牧野(松本幸四郎)の息子の嫁を犯し、息子を惨殺したことを告げ、百姓一揆の首謀者の娘が両腕と両膝下と舌を切断され、さんざん弄ばれた後、路傍に捨てられた姿を見せ、その娘が一家が「みなごろし」されたことを口にくわえた筆で書くのを見せられます。侍としての死に場所を探していたという島田は斉韶暗殺の命を帯び、土井から役職を解かれます。一方、斉韶の家臣の鬼頭(市村正親)は斉韶が間宮の一族を縄にかけ、一人ずつ矢で射抜くのを止めますが、無駄に終わります。そして、あくまで主君を守るため、土井の家に訪ねてきた者を調べさせます。
島田の元には倉永(松方弘樹)、平山(伊勢谷友介)が集まり、彼らの紹介で三橋(沢村一樹)ら9人が参集しました。三橋は来月に斉韶が江戸から帰国することを知らせます。集まりの帰り、鬼頭の家来に拉致されそうになるメンバーを助ける平山。鬼頭は家来の死体を見て、島田が暗殺に乗り出したことを確信します。
女遊びに耄けていた島田の甥の新(山田孝之)は、島田の企みを知り、嫁のつやを置いて島田の元に駆けつけます。平山の唯一の門人と槍の名人の小倉を加えた12人は訓練に入り、卑怯な手を使っても相手を倒すことや火薬の戦法を学びます。斉韶出発の前日には島田の旧友である鬼頭が訪ねてきますが、二人はまた会おうと言って別れます。料理を混ぜて犬喰いする斉韶。
島田は美濃の国の落合宿で斉韶を待ち伏せすることに決め、三橋を先にやって宿全体を借り受けさせます。雨の中出発する12人。途中の村で鬼頭の雇った浪人たちの待ち伏せに会った島田らは、街道をそれて山を越えようとしますが、道に迷います。そこで出会った山の者・石塚に道案内を頼み、無事に斉韶らを追い越して落合に着くと、石塚も彼らに加わりたいと言い出し、棍棒で頭を殴られても平気な石塚を仲間に加えます。牧野は斉韶らに尾張藩通行お断りを貫き、斉韶らが迂回すると切腹します。落合の城塞化に励む島田らは、斉韶らの一行70数名が街道から消えたのを知り、焦りますが、島田は辛抱のしどころだと皆をなだめます。やがて200を超える数で霧の中から現れる斉韶ら一行。島田らは配置に着きます。
偵察に来た鬼頭は裸の子が路上にいるのに安心して一行を村に入れますが、やがて避難する村人や屋根に刺してある無数の刀に気付き「しまった!」と声を上げると、村の入り口が閉じられ、橋は爆破され、背に火をたかれた牛が暴走し、家々が次々と爆破されていきます。屋根の上の島田らは斉韶と鬼頭らと対面し、矢を放ちます。残り130人となったところで、島田は「小細工はここまで」と言い、娘が「みなごろし」と書いた紙を広げ、「斬って斬って斬りまくれ!」と言って、屋根から飛び降り、白兵戦に臨みます。戦に魅せられ、自分が老中になったら戦の世に戻すと言う斉韶。島田の仲間たちは一人また一人と倒れ、最後に斉韶と鬼頭と2人の家来の前には、島田と新だけが残ります。島田は鬼頭との一騎討ちに臨み、足をひっかけて鬼頭を倒すと、首を討ちます。鬼頭の首を蹴る斉韶。島田は斉韶にわざと自分の腹を刺させると、自分も斉韶に刀を射し込み、血だらけの手で顔を押して刀を抜いた後、泥だらけになって死を怖がり泣く斉韶の首を取ります。死んだ島田を後に、死体の間を歩く新は、生きていた石塚と会い、二人は別れ、新は笑顔になって立ち去ります。「弘化元年五月。参勤交代の途中で病を発した斉韶は、明石城に帰城と同時に病死を告げられた。この二十三年後、徳川幕府は消滅。明治となった」の字幕。つやが明るい顔で新を出迎えるところで映画は終わります。
前半はほとんど画面が真っ暗で、それが陰惨さを強調し、ラストは「七人の侍」を思わせる乱戦ぶりに胸踊りました。殺陣で松方弘樹の体幹だけがまったく動かなかったことも付け加えておきます。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)