gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

吉田喜重監督『嵐が丘』

2013-09-21 06:28:00 | ノンジャンル
 昨日の報道ステーションで、次期駐日アメリカ大使のキャロライン・ケネディさんが私より1つ年上の55歳であることを知りました。同じ生粋のリベラル派として心強く思うとともに、不思議な縁を感じました。

 さて、吉田喜重監督・脚本の'88年作品『嵐が丘』をDVDで見ました。
 霧の荒野。鎌倉時代。東の荘の太夫・高丸(三國連太郎)は旅先で鬼丸(松田優作)を拾ってきて、かわいがりますが、高丸の息子・秀丸(萩原流行)はそれに反発し、東の荘を去ります。腹が空いたと町に降りてきた鬼丸は、荘の者が町に降りてくると祟りがあると言われて、町民から暴力を受け、乱闘となります。高丸は帰宅した鬼丸を仕置きの部屋に入れ、禊をさせます。高丸は娘のお絹(田中裕子)に、これまでの荘の掟にしたがって、都に出て巫女になるように命じますが、お絹は鏡を見て女を捨てることを拒みます。お絹は鬼丸の許を訪ねると、鬼丸はお絹と一緒に都に行くと言いますが、お絹は東の荘の分家で仲が悪い西の荘の光彦(名高達郎)がまだ独身なのを知り、彼と結婚しようと思うと鬼丸に言います。
 お絹は光彦の許を訪ね、以前東の荘の曾祖父と西の荘の曾祖母が結婚した時に豊作だったことを言い、光彦に結婚を承知させます。馬で荒野を走る鬼丸。高丸もお絹の申し出を受け入れますが、生まれてきた子が男の子ならば東の荘を継がせ、女の子ならば鬼丸に継がせると言います。そこへ高丸の領地を横切ろうとする一団が現れ、それを食い止めようとした高丸は一団に胸を射抜かれて死にます。
 鬼丸は明日から東の荘の太夫は自分だとお絹に言い、太夫にふさわしく風呂で身を清め、白装束でお絹を仕置きの間に呼びます。明日には西の荘の者となるお絹に対し、鬼丸はお前を呪い続けることによって、お前のことを忘れないと言い、彼女を抱きます。父の死を知った秀丸は、妻の紫乃と娘の絹を連れて東の荘に帰り、鬼丸に対し、下人の分際で太夫を名乗るとはと怒り、自ら太夫を名乗り、妹のお絹も下人扱いします。雪の中を馬で走る鬼丸。鏡を見ていたお絹を見ていた鬼丸は去り、2人は今生の別れをしますが、お絹は「鬼丸はここにいる。鬼丸は私、私は鬼丸」と独白します。
 お絹は光彦との間にお絹にそっくりな娘を出産します。紫乃はそれを知らせるために、西の荘から東の荘に向かいますが、途上追い剥ぎに会い、強姦されて殺されます。その遺体を見つける秀丸。
 一方、東の荘を離れていた鬼丸は戦争で手柄を立て、中央政府から東と西の荘の地頭になる褒美をもらい、帰ってきます。光彦は荘の太夫になるのはいいが、お絹には会わせないと鬼丸に言います。お絹は産後の肥立ちが悪く、余命いくばくもない状態でした。お絹は光彦に、鬼丸は恐ろしい人だから気をつけてと言い、鬼丸はお絹が死ねばお前ら皆殺しだと光彦に言います。
 とんびの声。鬼丸の許を訪ねた光彦の妹の妙(石田えり)は、あなたの女房になってもいいと言いますが、鬼丸は仕置きの部屋を彼女の部屋とし、お前を女房にせずとも東の荘の女は皆俺のものだと言います。やがて鬼丸への呪いの言葉を吐きながら、お絹は死にます。鬼丸はお絹の墓を暴き、彼女の遺体が血だらけで、うじが湧いているのを見て驚きます。鬼丸に抱かれ、首を吊る妙。再びお絹の墓を暴き、白骨化したお絹と柩の中にあった鏡を運び出す鬼丸。西の荘の動きが怪しいと感じた鬼丸は集合していた武士を奇襲し、光彦は自害します。秀丸の娘のお絹はいとこの良丸(古尾谷雅人)を頼って東の荘に行きますが、鬼丸に犯されそうになります。
 収穫の祭りが行われ、能を舞う鬼丸。お絹は剣を良丸に渡し、良丸は鬼丸の片腕を斬り落します。「絹が呼んでいる」と繰り返す鬼丸。良丸とお絹は母のお絹の遺体を墓に戻そうと馬に乗せますが、馬は勝手に走り出し、鬼丸の許へ行きます。そして霧の中に、鬼丸の姿が消え、映画は終わります。

 富士の裾野を使ったという屋外のシーンはすべて荒野で、殺伐とした雰囲気を醸し出していました。田中裕子の代表作の1つでしょう。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto