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エドワード・ヤン監督『クーリンチェ少年殺人事件』その4

2018-09-01 07:26:00 | ノンジャンル
 また昨日の続きです。
「楽しませようと誘ったのに、どうだキスできたか? これでもダメか? 拒否されたのか? 行けって。小翠を連れていけよ。何だよ。人の厚意にその態度は? もういいよ」。
 「山東饅頭とあんこ入りだよ」。自転車をこぐ小四。酔っぱらって歩く雑貨屋の親父が苦しみ始め、側溝に落ちる。急いで助け出す小四。(中略)
 雨。“小公園 かき氷の店”のネオン。
 「何する! このサングラス野郎! ひとでなし。私を騙したね」と女は外へ出る。
 「新入りの入団式が何で“台風”なんだよ。肝心の坊主頭は?」「卡五(カーウ)が連れてくる。イラつくな」。
 武装集団。トイレから出てきた男を斬り殺す。気配を感じたボスはロウソクの火を一気に吹き消す。暗闇の中で乱闘。(中略)
 死屍累々。瀕死の山東に「ハニーを殺したのか」と詰め寄る小四。山東に駆け寄り、「山東! 山東!」と泣く女性。
 刑事らが小四の家を訪れる。「張(チャン)さん」「何です? 明日の勤務時間内にでも」「特殊なケースなので」「それなら着替えます」母「また小四かしら?」。
 母「先に寝なさい。私が待つから。母さんが汪さんを訪れて2時間、父さんが連行された。警備総部らしい」。ずぶ濡れの小四を見て「どうしたの?」「雨具を持ってなかった」次女「心が落ち着かないのね」「布教しないでくれ」。
 父「私は生涯やましいことはしていない」刑事「それは分かっています」「帰っていいですか? 勤務があるので」「少しこちらで休んでください」。
 板張りの部屋に座り込む父。
 「また夏先生のことを話すのか?」「昨日は部分的だった。楽にして書いてください。では私は席を外します。「止まらぬ涙はあずき豆のようだ♪柳が緑に映えて春の花咲き乱れる♪眠れない黄昏に風雨に揺れる窓際♪過去の憂いも今の憂いも消し去れない♪ごちそうものどを通らず幾度も鏡に映すやつれた姿♪眉を緩める夜明けは叶わず心が沈んでいく♪眉を緩める……」。
 「李安婷(リイアンティン)は?」「大学の同級生だ」「なぜ書いてない?」「台湾に来ず、付き合いがない」「梁晉成(リャンジンチェン)は?」「記憶にない」「よく考えて確認しろ。1937年7月上海で会計に就いただろ? あんたの前任者だ」「あの梁さんか」「なぜ書かない?」「趙念如(チャオニエンルウ)は?」(この調子で取り調べが延々と続く)。
 「すぐ背が伸びるのね。下校の時、スカートを持ち帰りなさい」と妹に言う母。(中略)
 鏡を見て帽子をかぶり、銃を構えるマネをする小四。小明来る。「誰もいないよ」「来ると思った? この間言ったこと本当?」。うなずく小四。「私を騙さないでね。耐えられないから」「土曜だし、さぼらないか?」「やめとく。これから時間はあるもの」。
 小明去る。(中略)
 教室で小四、にんまり。「楽しそうだな」。
 授業終了後、下で待つ小四に駆け寄る小明。それを見て冷やかす女学生たち。
 取り調べ室。夜明け。「もう帰ってよい」。
 食堂で食事をとる父。それに気づく母。
 父「局内で異動があった。担当が変われば面倒もなくなる」「尋問のせいかも」「推測で物を言うな」「汪さんが早々と線引きをして保身を図ったのかも」「疑って何になる!」。
 屋外で泣く母。母「辛すぎる」「僕には君と子供しか残っていない。おどかさないでくれ」。父に抱きつく母。「あなたに覚悟があるのなら私は大丈夫」。
 バスケ。「師範付属ガンバレ、師範付属ガンバレ」。無気力なプレーをする小虎。
 「小虎、どうした?」。
 小四「やっぱり小虎と話せば? 仕返しが怖いの?」「大丈夫。もう済んだこと言わないで。小虎の話は聞いてない」「何を話せばいい? 私を追う人は多い。もう聞いてるでしょ? あの若い医者も。こんなこと聞いて面白い?」「彼らを放っておくのか? あちこちで恨まれていいの? それじゃ軽蔑される」「軽蔑されるのはあなたね」。自分の頭を小四の肩に置く小明。(中略)
 小明「あの女の人は誰?」医者「香利(シャンリイ)のこと? 僕たちは9月に結婚する」「あの人気に入らない。何か違う。彼女と気持ちが通じ合ってないでしょ?」「子供には分からない」「私は多くの男性に告白されるけど、何か問題が起こると皆逃げていく」「何か問題があるのなら、僕に話してくれ」「言わないわよ。あなただって言わないでしょ?」「お母さんの治療代は問題ない。親しいのだから協力は当然だ。まだ話したくない?」。
 注射。教師「張震、こっちへ。君たちのために忠告する。君たちの年頃の恋愛は正しい導きがいる」。看護婦「先生の前できちんと立って」「くそったれ! 何のつもりだよ! 警備総部か?」「何て言ったの?」「補導室へ来い」(また明日へ続きます……)