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エドワード・ヤン監督『クーリンチェ少年殺人事件』その5

2018-09-02 16:35:00 | ノンジャンル
 また昨日の続きです。
 「君は学校を非難するが、家庭の教育は?」小四の父「目上に対して無礼だぞ」「両親が躾ず、学校を責めるのか?」「もう一度だけ機会を」「無理だ。この状況で学校側が放置すれば正しい指導をしていないと言われる。もう私の手にいは負えない」「私の責任だ。衝動的な行為を許してやってくれ。再び減点になれば留年になる。それは息子にとって不公平だ」「前回は学校を批判した上に、減点するならしろと言ったくせに。今回は怖いのか? お互い公務員の身だ。あまりいい気になるな」。バットを手にする小四。それを大きくふりかぶって電球を割る。
 うつむきながら自転車を並べて押す小四と父。「父さん、退学でちょうどいい。夏休みは編入試験だ。昼間部に挑戦する。心配しないで。僕は忘れてない。父さんの言葉『自分の未来を信じろ』と『努力で未来を作れ』って。バットで殴ったのは相手が卑劣過ぎたからだ。前回は父さんが……」。(中略)
 大樹の根元に座る小四と小明。「次はいつ会えるの?」「僕の試験の後だ」「学校に会いに来て」「次に校門をくぐる時は昼間部の学生だ」「何だかハニーの台南話みたい」「機嫌が悪いね。君が心配だ」「勉強に専念しなさいよ。私は励ましたいだけ。今日の外出は止める?」「予定通りに行こう。小猫王と飛機も来る」。
 母「お手伝いさんがやめて人手が足りないの。ごめんなさいね」とジュースを出す。(中略)「他の人はどこに?」。
 軍隊ごっこをやる小猫王と飛機。(中略)小明も加わり、ふざけて拳銃の照準を小四に会わせて撃つと、実弾が発射される。驚く一同。小四は小明を平手打ちする。
 勉強する小四。
 母「お父さんは公務員として行き詰まる。夏先生の件で。皆、頑張ってくれて、特に小四、逆に安心したわ。退学したらやる気が出たみたい」。
 姉「母さん、卒業したら私、先に働くわ」「奨学金を得たらすぐ留年しなさい」「うちはあと3人子供がいるのよ」「今までも同じよ。アメリカに行ってから心配して」。雑貨屋の親父「お米4斤(きん)だね」「ツケでお願いできますか?」「水臭いな。俺は余計な口を出すと思われてるが、張さんと似てるのさ」「ピータン、ありますか?」「そこだよ。この間小四に助けられてね、大したことはできないが、恩返しさ」。
 母「林(リン)さんは本省人で、誠実な人だわ。青果の輸出を考えていて、有能な人材を求めている。最初の給料は少なくても、人に邪魔されないし、あとは努力よ」「倒産しないか?」「話をしてから判断すれば? 会わずに疑っても意味ないわ」「僕は公務員が長い。保証があり、生活が安定する」「今の暮らしが安定してる?」。
 テープレコーダーをいじる小猫王。小四「最近学校は?」「何も変わりない」「小明に会う?」「見かける。元気そうだ。勉強に専念しろ。何かあれば俺たちがいる。シャドーボクシングをする小猫王。
 母「張瓊(チャンチョン)、手伝って。7時に人が来るの。テーブルを片付けて」「小四は?」「映画を見にいかせたわ」。次女が本を落とすと、本の中から紙が落ちる。そこには「滑頭はXデーを避けられない」と書かれている。
 食堂の掃除をする娘。「滑頭ならずっと姿を見てないわ。この店であの子が斬りつけられて、父親も降格処分を受けた。向いの中山堂も例会程度で貸し出さない。ついてないのは私。お客が来ない。来るのはお巡りだけ」「もう閉店か?」「噂してたら現れたね」「小四、図書館で勉強してるんだって? 退学になったのか? お前変わったな。昔はイキがってた。毎日イカレてて、今思うとおかしい。昔のことは忘れてくれ。悪いと思ってる。どこを受ける?」「昼間部への転部入学」「さすがだ。俺は軍事学校がせいぜいかな。ケンカに明け暮れて、今はお互い憐れだ。女の問題も同じ結末か?」「どういう意味だ?」「小馬だ。ひどすぎる。お前も俺と同じで放っておくだろ? 小翠をひっかけて今度は小明だ。申請はいつ?」「英語と数学は最悪だ」「小四! 連絡し合おう」。小四、男を殴る。娘「またコトを起こすつもり? 警察を呼ぶからね。容赦しないよ」。小四、去る。
 「誰に用ですか?」「小馬いますか?」「少しお待ちください。名前は?」「小四」「久ぶりだな。何してる?」「お前こそ何だ? 俺が何をするんだ?」「小明がうちにいるんだ。この前一緒に来たろ? 使用人が辞めて小明がお袋に相談に来たんだ。お袋が小明を気に入ってる。小明はイケるぞ。上がれよ。小明もいる」「小明とどうなんだ?」「どうって? 女相手だろ。それだけだ。与えるものは与えて、いちゃつくさ。面白くないのか? “兄弟”が女ごときでもめるか? ハニーのことを話していたろ? お前といても不安らしい。女で腑抜けになるようなお前じゃない。上がれよ。数発撃つといい」「映画を見に行く」。(また明日へ続きます……)