恒例となった、東京新聞の水曜日に掲載されている斎藤美奈子さんのコラムと、同じく日曜日に掲載されている前川喜平さんのコラム。
まず6月24日に掲載された「本音のあいさつ」と題された、斎藤さんのコラムを全文転載させていただくと、
「二十三日の沖縄全戦没者追悼式に安倍晋三首相はビデオで登場した。これ見よがしに日の丸をしょって現れた首相のあいさつは八割くらい去年といっしょ。いつも通り中身も甚だ空々しい。心にもないことを言っているからであろう。【】で本音を補ってみた。
今日私たちが享受している【本土の】平和と繁栄は、沖縄の方々の筆舌に尽くしがたい苦しみ、苦難の歴史の上にあることを、私たちは決して忘れません【といっておきますが、本土にとってはどうでもいいことです】。
我が国は戦後一貫し、平和を重んじる国家として、歩みを進めてきました【ことが私には不満です】。戦争の惨禍を二度と繰り返さない。この決然たる誓いを貫き【通すつもりはなく】、平和で希望に満ち溢れる世の中を実現する【気も私にはありません】。そのことに今後も不断の努力を重ねていくことを【約束はできないと】改めて御霊(みたま)にお誓いいたします。
沖縄の方々には、永きにわたり、米軍基地の集中による大きな負担を担っていただいております【のは致し方ないところです】。この現状は、到底是認できるものではありません【が私にはどうでもいいことです】。政府として、基地負担の軽減に向け、一つ一つ確実に、結果を出していく決意であります【が約束はできません】。
違います? 違いませんよね。
また、7月1日に掲載された「恐怖の現金」と題された斎藤さんのコラム。
「河井克行・河井案里夫妻の公職選挙法違反(買収)容疑をめぐる告白ドミノ。現金を受け取った広島県の市議らの証言を朝日新聞から拾うと…。
「(克行議員に)コントロールされていく、手足を縛られていくような感覚があった」(広島市・石橋竜史市議)。「『いけません』と返そうとしたが、『いいからいいから』と押し切られた」(安芸高田市・水戸真悟副議長)。「返して関係を崩すより、『政治家の付き合い』を続けたほうがいいと考えた」(呉市・土井正純市議)。「現金だとわかってゾッとした」(江田島市・胡子(えびす)雅信市議)。「(記者に話して)少し楽になった」(広島市・沖宗正明市議)。
金銭の授受というよりもまるで心霊スポットで悪霊に取り憑(つ)かれ、金縛りにあった人たちの証言である。彼らが語っているのはなべて「恐怖の体験」だ。選挙の金には怨念がこもる。となると最高の恐怖はやはり中国新聞が報じたこれか。
「安倍さんから」おtいわれて三十万円受け取った。「安倍さんの名前を聞き、断れなかった。すごく嫌だったが、聞いたから受けた」(府中町・繁政秀子元町議)。
類似の事例は「『安倍晋三からです』といわれて百万円受け取った」(森友案件)、「総理のご意向だと聞いている」(加計案件)。首相の名前が脅しの切り札になる国。ほとんどホラー映画である。」
そして6月28日に掲載された「お友達の産業遺産」と題された前川さんのコラム。
「ユネスコ世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の内容を紹介する「産業遺産情報センター」が十五日公開された。
2015年7月のユネスコ世界遺産委員会で登録が決まった際、日本政府は「意思に反して連れてこられ、厳しい環境の下で働かされた多くの朝鮮半島出身者がいたこと」を認め「犠牲者を記憶にとどめるため」情報センターに設置を約束していた。だが実際には、朝鮮半島出身者が働かされた軍艦島(端島炭坑)で、朝鮮人差別は「聞いたことがない」という元島民の証言が展示されている。これに対し、韓国政府は「歴史的事実の歪曲(わいきょく)だ」と反発。ユネスコ事務局長に書簡を送り、世界遺産委員会で日本政府に約束の履行を求める文書の採択を求めた。
この案件は、安倍首相の幼なじみである加藤康子という人物が熱心に進めてきた。安倍氏は加藤氏に「俺がやらせてあげる」と約束していたという。13年9月、文化審議会が答申した「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」を押しのけ、政治的に推薦案件に決定。その異常な経緯は、京都産業大学を押しのけて加計学園が獣医学部を新設したのによく似ている。情報センターの所長である加藤氏は、軍艦島で「虐待を受けたという証言はなかった」と言って憚(はばか)らない。歴史修正主義という点でも、加藤氏と安倍氏はお友達なのだ。」
どれも一読に値する文章だと思いました。
→サイト「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
まず6月24日に掲載された「本音のあいさつ」と題された、斎藤さんのコラムを全文転載させていただくと、
「二十三日の沖縄全戦没者追悼式に安倍晋三首相はビデオで登場した。これ見よがしに日の丸をしょって現れた首相のあいさつは八割くらい去年といっしょ。いつも通り中身も甚だ空々しい。心にもないことを言っているからであろう。【】で本音を補ってみた。
今日私たちが享受している【本土の】平和と繁栄は、沖縄の方々の筆舌に尽くしがたい苦しみ、苦難の歴史の上にあることを、私たちは決して忘れません【といっておきますが、本土にとってはどうでもいいことです】。
我が国は戦後一貫し、平和を重んじる国家として、歩みを進めてきました【ことが私には不満です】。戦争の惨禍を二度と繰り返さない。この決然たる誓いを貫き【通すつもりはなく】、平和で希望に満ち溢れる世の中を実現する【気も私にはありません】。そのことに今後も不断の努力を重ねていくことを【約束はできないと】改めて御霊(みたま)にお誓いいたします。
沖縄の方々には、永きにわたり、米軍基地の集中による大きな負担を担っていただいております【のは致し方ないところです】。この現状は、到底是認できるものではありません【が私にはどうでもいいことです】。政府として、基地負担の軽減に向け、一つ一つ確実に、結果を出していく決意であります【が約束はできません】。
違います? 違いませんよね。
また、7月1日に掲載された「恐怖の現金」と題された斎藤さんのコラム。
「河井克行・河井案里夫妻の公職選挙法違反(買収)容疑をめぐる告白ドミノ。現金を受け取った広島県の市議らの証言を朝日新聞から拾うと…。
「(克行議員に)コントロールされていく、手足を縛られていくような感覚があった」(広島市・石橋竜史市議)。「『いけません』と返そうとしたが、『いいからいいから』と押し切られた」(安芸高田市・水戸真悟副議長)。「返して関係を崩すより、『政治家の付き合い』を続けたほうがいいと考えた」(呉市・土井正純市議)。「現金だとわかってゾッとした」(江田島市・胡子(えびす)雅信市議)。「(記者に話して)少し楽になった」(広島市・沖宗正明市議)。
金銭の授受というよりもまるで心霊スポットで悪霊に取り憑(つ)かれ、金縛りにあった人たちの証言である。彼らが語っているのはなべて「恐怖の体験」だ。選挙の金には怨念がこもる。となると最高の恐怖はやはり中国新聞が報じたこれか。
「安倍さんから」おtいわれて三十万円受け取った。「安倍さんの名前を聞き、断れなかった。すごく嫌だったが、聞いたから受けた」(府中町・繁政秀子元町議)。
類似の事例は「『安倍晋三からです』といわれて百万円受け取った」(森友案件)、「総理のご意向だと聞いている」(加計案件)。首相の名前が脅しの切り札になる国。ほとんどホラー映画である。」
そして6月28日に掲載された「お友達の産業遺産」と題された前川さんのコラム。
「ユネスコ世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の内容を紹介する「産業遺産情報センター」が十五日公開された。
2015年7月のユネスコ世界遺産委員会で登録が決まった際、日本政府は「意思に反して連れてこられ、厳しい環境の下で働かされた多くの朝鮮半島出身者がいたこと」を認め「犠牲者を記憶にとどめるため」情報センターに設置を約束していた。だが実際には、朝鮮半島出身者が働かされた軍艦島(端島炭坑)で、朝鮮人差別は「聞いたことがない」という元島民の証言が展示されている。これに対し、韓国政府は「歴史的事実の歪曲(わいきょく)だ」と反発。ユネスコ事務局長に書簡を送り、世界遺産委員会で日本政府に約束の履行を求める文書の採択を求めた。
この案件は、安倍首相の幼なじみである加藤康子という人物が熱心に進めてきた。安倍氏は加藤氏に「俺がやらせてあげる」と約束していたという。13年9月、文化審議会が答申した「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」を押しのけ、政治的に推薦案件に決定。その異常な経緯は、京都産業大学を押しのけて加計学園が獣医学部を新設したのによく似ている。情報センターの所長である加藤氏は、軍艦島で「虐待を受けたという証言はなかった」と言って憚(はばか)らない。歴史修正主義という点でも、加藤氏と安倍氏はお友達なのだ。」
どれも一読に値する文章だと思いました。
→サイト「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)