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カンテミール・バラーゴフ監督『戦争と女の顔』その1

2022-09-15 07:22:30 | 日記
 カンテミール・バラーゴフ監督・脚本の2019年作品『戦争と女の顔』を「あつぎのえいがかんkiki」で昨日観てきました。
 パンフレットの「Story」の一部に加筆修正させていただくと、
「1945年の秋、レニングラード。戦争が終結したものの、史上最悪の包囲戦があった街は荒廃し、市民は心身ともに疲弊していた。傷病軍人が多く入院する病院で働く看護師のイーヤ(ヴィクトリア・ミロシニチェンコ)は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)をかかえており、時折、体が硬直し、目が虚ろになり、話しかけられても応答しない。周りの看護師は慣れている様子で、「発作でしょう」と気にもとめない。しばらくして意識を取り戻した彼女は、何事もなかったかのように再び業務に戻り、呼び出された院長のもとへと向かう。
 イーヤを呼び出した院長は、「死者が出た。その分の食糧をもらいなさい」「坊やのためだ」とアドバイスする。
 自宅に戻ったイーヤは、子供のパーシュカを目にすると笑顔になる。子守りに謝礼を支払い、本当の親子のようにベッドをともにする二人。子守を頼めなかった翌日、パーシュカと一緒に病因に出勤するイーヤ。勤務中、傷病兵たちのところに預けられたパーシュカ。子供を笑わせようと、順番んに動物たちの真似を披露する患者たち。パーシュカに順番が回ってくると、犬のマネをさせようと皆で鳴きマネをする。犬を見たことないパーシュカは困った様子を見せるが、やがて笑顔をみせる。
その日の夜、犬の鳴きマネをしながらイーヤにちょっかいを出すパーシュカ。嬉しそうにパーシュカの相手をするイーヤだったが、じゃれあっている最中、発作が起きてしまい、誤ってパーシュカを下敷きにしてしまい、窒息したパーシュカは死んでしまう。
 別の日、暗い表情で自宅に篭るイーヤのところに、軍服を着たマーシャ(ヴァシリサ・ペレリギナ)が訪ねてくる。パーシュカの本当の母親であり、戦友でもある。ノックをしても出てこないため、無理やり中に入ったマーシャは、暗がりの中に突っ立つイーヤに、「のっぽさん」「会いたかった」とやさしく話しかける。しかし、子供について尋ねてもまともに返答をしないイーヤに対し、しびれをきかせたマーシャが「死んだの?」と聞くと、「そうよ」「責めてもいい」と苦しく返答するイーヤ。すると、「行くよ。踊りに」と困惑するイーヤを連れて街に繰り出すマーシャ。
 出かけたものの、社交場は休業。そこへ車に乗った男二人がナンパしてくると、嫌がるイーヤと共に一緒に車に乗り込むマーシャ。しばらくして、一人の男が外に出ると、「行くのよ」と言って、イーヤを車外へと無理やり押し出すマーシャ。残ったマーシャは、落ち着きのないウブな男・サーシャ(イーゴリ・シローコフ)を前に、すぐに下半身の服を脱ぎ、サーシャをリードして関係を結ぶ。ことが終わると同時に、ドアが突如開き、サーシャを車から引き摺り下ろし、執拗に何度も叩くイーヤ。マーシャがそれを制し、二人はその場を立ち去るが、鼻血が止まらないマーシャ。彼女もまた後遺症を抱えていた。イーヤと一緒に出ていった友人が車に戻ってきたが、「腕を折られた」と笑っている。
大浴場。体を洗っていると、マーシャのお腹にある大きな手術痕に気づくイーヤ。「どうしたの?」と尋ねるイーヤに「子供が欲しい」と訴えるマーシャ。
 院長室。病院で働くことを希望するマーシャが、ニコライ院長からイーヤとの関係を聞かれると、「戦友でした。対空放射撃手です。」と応えると、事情を知らない院長は、子供を失ったイーヤを慰めてくれとマーシャに頼む。
 ある日、首より下が不随で入院中のステパンのところに妻が訪ねてくる。戦死通知が届いたものの、夫の生存を知った妻は、子供が二人生きているものの、まだ夫の生存は伝えていないと話す。そこへ、戦傷病者の慰問で政府関係者の女性リュボーフィ(クセニア・クテボア)が訪れる。また、大きな荷物を抱えたサーシャが現われ、イーヤやマーシャと鉢合わせする。リュボーフィの息子であるサーシャは、戦傷病者一人ひとりに、功績を讃えて物資を渡す。ほほえましく観察していたマーシャだったが、鼻血を出し、その場を急いで離れるが廊下で気を失ってしまう。
 マーシャを診察する院長が、お腹の傷について尋ねると、「爆弾の破片で」「妊娠してるかも」と返答するマーシャ。「手術をしてるだろ。命を生む器官は残ってない」と、わかっているだろというように返す。
 一方、院長のもとへステパン夫妻が訪ねてくると、「もう人間じゃない。終わりだ。」ち吐き捨てる夫に対して、妻は「助けてください」と懇願する。買う福の見込みがなく、介護施設も拒むステパンを思い、院長は妻に「枕を使って窒息させろ」と非情な提案をする。」

(明日へ続きます……)