NHK・BS2で吉田喜重製作・監督・脚本の'71年作品「告白的女優論」を見ました。
海岸で黒マントの女性(浅丘ルリ子)が男と口論しています。それを撮影する人々。彼女は女優の海堂アキで、心の中で独白します。急に声が出なくなり、映画に出られないという女優の数森ショウコ(岡田茉莉子)の気持ちを大袈裟に演ずる付き人のリエ(太地喜和子)。その相手をするマネージャーの南川(三国連太郎)。飛行機から人気のない空港に降りる女優、伊佐久マキコ(有馬稲子)。彼女は恋人の唐沢と会う約束を破って、故郷の町に来たのです。寝ているふりをしてカウンセラーに、別居中の夫と付き人が抱き合う夢を語るショウコ。マキコは満州から引き揚げて来たこの町で、女優だった母(月丘夢路)と再婚した父と暮らし、父はこの町で病死したと語ります。そして演劇サークルで知り合った男(細川俊之)と心中し、自分だけ助かったと言います。アキは男(峰岸徹)とのセックスを人に見られたと話し続けます。それを撮影する人々。出演を終え、帰るアキの写真を撮っていたカメラマン(原田芳雄)は、アキの同居人のキョウコ(赤座美代子)も撮ります。アキのもとへ浮気相手の監督(木村功)の妻がやってきます。南川は監督をアキに取られたのだからショウコは嫉妬しているはずだと言います。女優について語る南川とショウコ。アキとキョウコのいる家にカメラマンがやってきて、以前にアキと関係したと言います。マキコが帰宅すると唐沢が来ていて、あの町でマキコを見たという電話が母にかかってきたと言います。アキの家の風呂場でキョウコと監督が抱き合っているのをアキが目撃し、自慰をします。ショウコが夢の話をしたいと、カウンセラーを呼び、夫の役をカウンセラーがして、夢を再現し、南川はマキコと争い、勝つためにショウコは夫と結婚したことを語ります。カウンセラーは夫の弱味を知りたい気持ちが夢に表れていると言います。リエはショウコが結婚する前からショウコの夫と関係していて、ショウコを踏み台にして女優になるためにそうしたことを告白します。カウンセラーはリエの話は嘘だと言います。南川はショウコが単に男女のみだらな姿を見たかったのだ、と言います。そして南川はショウコの男遍歴を述べます。マキコは母から受話器を取り上げますが、電話は切れてしまい、父が生きてることを知ります。そして父はマキコの心中の相手でした。キョウコはアキに見せるため監督を家に呼んだと言います。高校の時、クラスの担任(川津祐介)をアキとキョウコが訪ね、キョウコは犯され、アキは何もせず、その事実を投書したことを、キョウコは未だに恨んでいます。しかし実際にはアキも犯されていたのでした。マキコは唐沢を譲った女に、今まで心中を繰り返し相手の男を殺してきたこと、そしてそれを踏み台にして女優になったことを暴かれます。そして女優をいう人間を決して信じない、と言って出ていきます。海でアキを見たというクリーニング屋(草野大悟)たちが来て、お前の生活は俺たちが一番よく知っているとアキをいたぶります。が、それはアキの妄想でした。来たのはカメラマンで、アキにより不遇な生活を送っている元担任がそんなこををするはずがないとカメラマンは言い、本当の話を聞きたいと言います。アキは男を風呂場に閉じ込め、穢れた体を洗え、と言います。そこへ監督の妻がやってきます。アキは男のシャワー姿を見せ、妻を退散させます。アキは全裸になり、シャワーの下で男と抱き合います。ショウコは南川に秘密を作るためにカウンセラーと寝たが、もう終わりにすると言います。唐沢は過去のことをすべて許すとマキコに言いますが、マキコは部屋に閉じこもります。唐沢はあなたは女優で死ぬのも演技だ、と言うと、マキコは自殺を図りますが、父が生きていると思うと死ねません。ショウコは南川が女優としてしか自分を見なかったことを理由に彼を捨てます。そして南川はその直後にトラックに轢かれて死にます。そして最期に「女優はぶざまなものを見ちゃいかん。俺を見るな」と言います。アキは軽井沢でインタビューに答え、無難な答えを言います。マキコは正直に答えます。ショウコは女優にこだわる答えをします。3人が並んでこちらに向かって歩いてくるところで、タイトルが流れ始めます。
あらすじを読んで分かるように3人の女優のエピソードが次々と重層的に語られ、誰が誰とどういう関係にあるかが分かりにくくなっています。映画の題名から分かるように女優について多くが語られますが、結局女優とは何か、は最後まで分かりません。70年代の前衛的映画を見たい方にはオススメです。
海岸で黒マントの女性(浅丘ルリ子)が男と口論しています。それを撮影する人々。彼女は女優の海堂アキで、心の中で独白します。急に声が出なくなり、映画に出られないという女優の数森ショウコ(岡田茉莉子)の気持ちを大袈裟に演ずる付き人のリエ(太地喜和子)。その相手をするマネージャーの南川(三国連太郎)。飛行機から人気のない空港に降りる女優、伊佐久マキコ(有馬稲子)。彼女は恋人の唐沢と会う約束を破って、故郷の町に来たのです。寝ているふりをしてカウンセラーに、別居中の夫と付き人が抱き合う夢を語るショウコ。マキコは満州から引き揚げて来たこの町で、女優だった母(月丘夢路)と再婚した父と暮らし、父はこの町で病死したと語ります。そして演劇サークルで知り合った男(細川俊之)と心中し、自分だけ助かったと言います。アキは男(峰岸徹)とのセックスを人に見られたと話し続けます。それを撮影する人々。出演を終え、帰るアキの写真を撮っていたカメラマン(原田芳雄)は、アキの同居人のキョウコ(赤座美代子)も撮ります。アキのもとへ浮気相手の監督(木村功)の妻がやってきます。南川は監督をアキに取られたのだからショウコは嫉妬しているはずだと言います。女優について語る南川とショウコ。アキとキョウコのいる家にカメラマンがやってきて、以前にアキと関係したと言います。マキコが帰宅すると唐沢が来ていて、あの町でマキコを見たという電話が母にかかってきたと言います。アキの家の風呂場でキョウコと監督が抱き合っているのをアキが目撃し、自慰をします。ショウコが夢の話をしたいと、カウンセラーを呼び、夫の役をカウンセラーがして、夢を再現し、南川はマキコと争い、勝つためにショウコは夫と結婚したことを語ります。カウンセラーは夫の弱味を知りたい気持ちが夢に表れていると言います。リエはショウコが結婚する前からショウコの夫と関係していて、ショウコを踏み台にして女優になるためにそうしたことを告白します。カウンセラーはリエの話は嘘だと言います。南川はショウコが単に男女のみだらな姿を見たかったのだ、と言います。そして南川はショウコの男遍歴を述べます。マキコは母から受話器を取り上げますが、電話は切れてしまい、父が生きてることを知ります。そして父はマキコの心中の相手でした。キョウコはアキに見せるため監督を家に呼んだと言います。高校の時、クラスの担任(川津祐介)をアキとキョウコが訪ね、キョウコは犯され、アキは何もせず、その事実を投書したことを、キョウコは未だに恨んでいます。しかし実際にはアキも犯されていたのでした。マキコは唐沢を譲った女に、今まで心中を繰り返し相手の男を殺してきたこと、そしてそれを踏み台にして女優になったことを暴かれます。そして女優をいう人間を決して信じない、と言って出ていきます。海でアキを見たというクリーニング屋(草野大悟)たちが来て、お前の生活は俺たちが一番よく知っているとアキをいたぶります。が、それはアキの妄想でした。来たのはカメラマンで、アキにより不遇な生活を送っている元担任がそんなこををするはずがないとカメラマンは言い、本当の話を聞きたいと言います。アキは男を風呂場に閉じ込め、穢れた体を洗え、と言います。そこへ監督の妻がやってきます。アキは男のシャワー姿を見せ、妻を退散させます。アキは全裸になり、シャワーの下で男と抱き合います。ショウコは南川に秘密を作るためにカウンセラーと寝たが、もう終わりにすると言います。唐沢は過去のことをすべて許すとマキコに言いますが、マキコは部屋に閉じこもります。唐沢はあなたは女優で死ぬのも演技だ、と言うと、マキコは自殺を図りますが、父が生きていると思うと死ねません。ショウコは南川が女優としてしか自分を見なかったことを理由に彼を捨てます。そして南川はその直後にトラックに轢かれて死にます。そして最期に「女優はぶざまなものを見ちゃいかん。俺を見るな」と言います。アキは軽井沢でインタビューに答え、無難な答えを言います。マキコは正直に答えます。ショウコは女優にこだわる答えをします。3人が並んでこちらに向かって歩いてくるところで、タイトルが流れ始めます。
あらすじを読んで分かるように3人の女優のエピソードが次々と重層的に語られ、誰が誰とどういう関係にあるかが分かりにくくなっています。映画の題名から分かるように女優について多くが語られますが、結局女優とは何か、は最後まで分かりません。70年代の前衛的映画を見たい方にはオススメです。
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