ジェームズ・グレイ監督『エヴァの告白』その２

　昨日でやっとメンタルケア・スペシャリスト養成講座の基礎課程の授業を終えました。１日１時間４５分の授業を３講義（朝10時から夕方４時45分まで）、それを５日間、延べ15講義25時間15分の授業でした。その場で知り合った５人の仲間と励まし合って、なんとか乗り切れた感じです。自分的には坂元薫先生の鬱病に関する授業が大変勉強になりました。当初は12月に3日間集中的に行われる実践課程も受けて、精神対話士の資格を取ろうと思っていましたが、実際にその資格を取っても、ほとんど収入には結びつかないことが分かり、今のところ、もう基礎課程だけでいいかな、って感じです。とりあえず、金曜日までレポートを２本提出しておこうと思っています。

　さて、昨日の続きです。
　貧民窟で商売を始めるブルーノ。15歳と言う少年に指名されたエヴァが部屋に行くと、オーランドが現れ、謝りに来たと言う。「ブルーノは自分のいとこだが、変わってしまった。君は恥じることない。幸せになる権利がある」と言うオーランド。ブルーノは少年に偽札をつかまされたことに気づき、エヴァとオーランドのいる部屋へ。エヴァに「外してくれ」と言い、オーランドと２人になると、ブルーノはナイフでオーランドに襲いかかり、エヴァの「助けて！」の声で警官が踏み込み、２人は取り押さえられる。
　「ブルーノがいない間困るので、みなのために金を出しな」と仲間に言われたエヴァは、金属棒で相手を脅し、金を渡さない。
　オーランドはカリフォルニアに旅立つと言い、アシスタントとして一緒に行こうと言うが、エヴァは妹がいるので無理だと答える。「ブルーノは君に惚れてる」とオーランドは言い、幸運のマフラーをくれる。
　ブルーノが釈放され、エヴァは外で待っている。待っててくれてうれしいと言うブルーノ。
　ブルーノは護身用の拳銃を見せ、オーランドが昔の彼女を取った話をする。
　教会で懺悔をし、船で集団レイプを受けたことを話すエヴァ。司教は男とは別れるように言うが、ブルーノが密かに聞いている。
　オーランドがエヴァの部屋を訪ね、ツアーが中止になったことを告げる。オーランドはエヴァに教わり、ブルーノの拳銃から弾を抜き、「カードで２晩続けて勝ち、大金を得たので、妹を連れて西部に行こう」と誘い、エヴァとキスする。そこへオーランドが現れ、エヴァはオーランドを逃がすが、オーランドは戻って来て、ブルーノに「エヴァと別れろ」と言い、拳銃をブルーノの頭に突きつける。しかしオーランドはへなへなと倒れ込み、ブルーノがナイフで刺したことが分かる。「私のせい」と言うエヴァに、「俺に任せろ」とブルーノ。エヴァの同僚がドアの陰から見ている。
　遺体を運び出すブルーノ。林に捨てると、エヴァは「ゴミ扱いしないで」と言う。「知らぬふりをしろ」とブルーノ。
　貧民窟で営業をしていたブルーノたちだったが、警察の取り締まりを受ける。逃げ出す女たち。ブルーノはエヴァを連れて下水道に逃げ込むが、エヴァを隠して、自分は捕まる。「あの女が殺したんだろ？　目撃者がいるんだ。吐け！」とブルーノに暴行を働く警官たち。ブルーノが持っていた大金を奪った警官は「明日、女を差し出せ。さもないと大変なことになるぞ」と言って去る。
　ブルーノ「逃げろ」エヴァ「アヘンを吸って。痛みが弱まる。妹を置いていけない」「君の妹を助け出す金を持っていたが、君を失いたくなくて黙っていた。その金も警官に奪われた」「私が金の当てをつける」「もし金を用意できたら、例のレストランに来い」。
　叔母を訪ね、許しを請い、「妹を救う金を出してほしい。今後は２度と姿を現さない」と言うエヴァ。
　レストランで床にうずくまり顔を隠すブルーノと会うエヴァ。
　ボートでエリス島へ向かうブルーノとエヴァ。上陸し、係員の１人と交渉するブルーノ。係員は「とても危険なことなので、これっきり他人だ」とブルーノに言う。
　病棟の手前の建物で待つように言われたブルーノとエヴァ。ブルーノは「アヘンを手放せない。アゴが折れたようだ。これがカリフォルニアへの切符だ」と言って、エヴァに切符を渡す。「あなたも逃げないと捕まる」「どうせ俺がやったんだ。白状するさ。俺は君をハメた。人間のクズだ」「あなたはクズじゃない」。エヴァは横たわるブルーノの上にかぶさる。そこに妹が現れ、エヴァは駆け寄って妹と抱き合う。エヴァと妹はボートに乗り込み、ブルーノはそれを見送るのだった。

　目立った画面構成も編集もなく、淡々と画面が進んでいく映画でしたが、演出の力で最後まで見せる映画でした。特にラストのブルーノの自己犠牲に惹かれました。

　→Nature Life（http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/）