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豊島ミホ『大きらいなやつがいる君のためのリベンジマニュアル』

2015-11-10 08:15:00 | ノンジャンル
 豊島ミホさんの ‘15年作品『大きらいなやつがいる君のためのリベンジマニュアル』を読みました。
 本文から引用させていただくと、「この本は、誰かに傷つけられ、その人(もしくは、その人たち)を憎んでいる人のために書いた本です」、「私は自分の『憎しみ』がたどった長い道のりを書き記してみようと思いました。それがこの本です」、「教室の中は、おおまかにまっぷたつに分かれていました。自分の好きなように振る舞ってもいい『上』の子たちと、それが許されない『下』の子たち」、「新しい教室で口をきけるのは、1年から仲良しだった友だち、ひとりだけ」、「4月のうちに、私の『孤立』は固まりました。クラスの女の子から挨拶もされず避けられているのは、私だけ。それを思うと、1秒ごとにぴりぴりと頭が焼け焦がれていくような感覚があります」、「ここまではまだ、あくまで、私の頭の中で起こっていることでした。しかし次第に、孤立やスクールカーストは、目に見える現象として現れてきました。『上』グループの子が放課後の掃除当番を放り出して帰る。結果的に私たち『下』だけが掃除を押し付けられる。掃除当番は一ヶ所につき6人のはずですが、3人いればまだまし、自分以外に男子がひとり来るくらいが標準。学祭の準備も、2年なんてまだ大した展示もできずただ面倒なだけだから、準備作業は全部『下』の担当になります。準備まではまだ学級会で割り振ったので男子の担当もいましたが、当日は担任の先生の指示が曖昧だったため、蜘蛛の子のように生徒が散っていき、残ったのは私と友だちのふたりきり……。結果的に私は、1日中教室で展示の案内をするだけの学祭を過ごしました」、「私の目に映るのは、モラルというものが一切存在しない世界でした。そこで当然、さえない私は軽く悪口みたいなものも言われるようになります。すれ違いざまに変なあだ名で呼ばれる。遠いクラスの知らない男までうちのクラスの男子と一緒になってせせら笑いをよこす。クラスの女子からは名前で呼んでもらえない。二者面談や修学旅行のシャワーの順番を当然のように回してもらえない。体育の授業で失敗してバレーやバスケットのボールを弾こうものなら、舌打ちが飛んでくる」、「私は2年生の5月の末に日記帳を買い、そこに学校生活で感じたことをぶちまけていきました。『学校行きたくねえ』『てか生きたくねえ(笑)』『あいつら全員死ねよ』」、「保健の先生は、2時間目、3時間目と留まり続ける私を、仮病だとか、そろそろ行けとか言って追い出すことはありませんでした」、「結局私は脱落者。もうまっとうな道を外れかかっている、人生の脱落者だ。そんな不安がいつも頭の奥に居座っているのでした」、「『いいから教室に来なさい。何も考えないで、黙って座っているだけでいいから』(中略)それが、私の不登校に対し学校サイドが与えた、唯一の論理的解決策でした」、「いじめや蔑みの程度にかかわらず、多くのケースに共通することがひとつ、あると思います。それは、“あくまでも傷ついた側の人間が、環境への『適応』を求められる”ということです」、「ちょっとここで、別の角度からこの『気にするな』という言葉を見てみて下さい。実はこの言葉、ものすごくネガティブなメッセージをふたつ、私たちに与えている可能性があります。ひとつは、『自分と周りを対等だと思うな』ということ。(中略)そしてもうひとつのメッセージは、『だいたいどこに行っても、世間はこんなもの』というもの」、「暴力。それは、コミュニケーションを断絶された人間が取ることのできる最後の意思伝達手段です」、「19歳なのでインターネットでエロいサイトを見たり」、「人を磨くのは、人だけなんだって」、「人間関係で自信を失った人は人間関係でしか自信を取り戻せない」、「私はこれから、ふたつのことを守って生きていこうと決めました。“ひとつは、『誰かのルール』に乗っからないこと。認められるとか認められないとか、そういうことに自分の行動の基礎を置かないこと。”(中略)“それからもうひとつは、今の話から当然導き出されることですが、自分がやりたいことを素直に、それからもう少し根気強くやること。”」、「今の私の『ヤなやつ』対策のポイントは、(中略)④:相手を変えようと思わない。相手と自分との接点だけを切る」、「それから、自分を信じる。これはJ-POPの歌詞などにもよく出てくる言葉で、私は28歳くらいまでさっぱり意味がわからなかったのですが(笑)、自分が何が好きで、何が嫌いなのか、はっきりさせておくこと。そしてその気持ちにフタをしないこと。--------だと思います」。
 豊島さんがこんなに苦しんで生きてきたなんて、想像もしていませんでした。’09年に小説の筆を折ったとのことでしたが、豊島さんの小説のファンの1人として、また小説の世界に復帰されることを祈っています。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/

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