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オーソン・ウェルズ監督『黒い罠[ディレクターズ・カット版]』

2013-12-23 13:06:00 | ノンジャンル
 オーソン・ウェルズ監督・脚色の'58年作品『黒い罠[ディレクターズ・カット版]』をWOWOWシネマで見ました。
 「1957年、オーソン・ウェルズは『黒い罠』の撮影および編集を終えた。公開にあたりスタジオ側は追加シーンを撮影し再編集を行った。それを見たウェルズは58ページもの文書で編集のやり直しを強く求めた。本バージョンは彼の要求を極力取り入れ、ウェルズの意図に沿って完成させたものである」の字幕。「私が長い時間と労力を費やして作り上げたこの短い映像についてご同意頂ける事を切に願って、この書面を閉じます。オーソン・ウェルズ」の字幕。
 アメリカとメキシコの国境の街。爆弾がセットされ、車のトランクに入れられ、その車にカップルが乗車し、車は出発します。やがて車は爆発炎上します。メキシコ人のヴァルガス刑事(チャールトン・ヘストン)とその妻スージー(ジャネット・リー)は新婚でこの街を訪れ、ヴァルガスは麻薬取引のボス、グランディを拘束していて、スージーはグランディの弟ジョーから兄を釈放するよう脅されます。アメリカ人のハンク警部(オーソン.ウェルズ)は、爆殺されたのは街の大物リネカーで、リネカーの娘マーシャを尾行するよう命じます。ハンクは自動ピアノを昔から置いてある馴染みのタナ(マレーネ・ディートリッヒ)の店を訪ねます。ヴァルガスに酸をかけようとするグランディの息子。ジョーは兄が釈放されるまで勝手なことをするなとグランディの息子に命じます。
 身の危険を感じたスージーは街を出ようとしますが、ジョーからジョーと一緒に写った写真を送られ、残ることにします。ヴァルガスは検事に妻をモーテルに送ってもらいます。ハンクは鉱石場を訪ね、ここでダイナマイトが盗まれたとし、数カ月前にここを解雇されたマーシャの恋人のサンチェスが怪しいと疑います。ハンクとヴァルガスらがマーシャの部屋に行くと、そこにはサンチェスと彼らの弁護士のフランツがいました。家宅捜索すると、ダイナマイトが出てきますが、ヴァルガスはそれがでっち上げの証拠だと見抜きます。サンチェスはマーシャと既に籍も入れていて、父を殺す動機などなかったとヴァルガスは言います。
 ヴァルガスはハンクが爆発物を購入した記録を探すように部下に命じ、そうした事実があったことを突き止めます。一方、田舎のモーテルに閉じ込められたスージーは、グランディの甥たちに無理矢理ヤクを打たれます。ヴァルガスはハンクが過去に扱った事件についても調べ、そのほとんどで容疑者が証拠物件の存在を否定していることを知ります。モーテルにスージーを迎えに行ったヴァルガスは、スージーが連れ去られた後で、自分のスーツケースの中から書類と銃が奪われていることを知り、グランディの経営する「ランチョ」を目指します。
 ハンクはジョーにスージーがヤク中になっていることを教え、やってきたジョーをスージーが寝ている前で絞殺します。スージーがジョーを殺した容疑で逮捕されたと聞くヴァルガス。しかしハンクの部下のピートはジョーが殺された部屋にハンクの杖が残されていたことをヴァルガスに教えます。ヴァルガスはピートの服に盗聴器を仕掛け、タナの店にいるハンクにピートを近づかせ、証言を取ろうとします。自分の未来をタナに占わせ、何も無いと答えられるハンク。ハンクはピートと歩きながら、自分がジョーを殺し、リネカーも爆殺したことを話しますが、橋にかかった時に音が反響し、近くでヴァルガスが盗聴しているのに気付きます。ピートを撃ったハンクは、ヴァルガスの銃でヴァルガスも殺そうとしますが、まだ息のあったピートに撃たれます。ゴミの山からどぶ川に巨体を投げ出すハンク。そんなハンクの姿をタナは冷たく見放すのでした。

 爆弾をセットしてから車が爆発するまでの冒頭のワンシーンワンカットは見事でした。天井が見える仰角の画面が多く、見事な“ショット”からなる映画だと思いました。

→「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/

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