ピーター・イエーツ監督、ラロ・シフリン音楽の1968年作品『ブリット』をDVDで再見しました。
サイト「映画ウォッチ」の「ネタバレあらすじ」に一部加筆修正させていただくと、
「舞台はサンフランシスコ。シカゴのシンジケートの金、200万ドルを持ち逃げした男ジョニー・ロス。命を狙われていたロスは上院議員チャルマース(ロバート・ヴォーン)に裁判の証人になることを条件に身の安全を確保してもらっていた。チャルマースからサンフランシスコ警察宛にロスの警護を依頼され、担当に付くことになったのが主人公ブリット刑事(スティーヴ・マックィーン)だった。同僚の刑事に警護を任し、ブリットが非番だった晩、二人の殺し屋がロスを匿っていたホテルを襲う。
そこで同僚とロスは重傷を負い、同僚の「ロスが自らドアのチェーンを開け不審者を部屋に入れた」という証言から何か裏があると感じ取ったブリットはロスが心肺停止したのを隠し、警護していることを装い殺し屋を逮捕することを決心する。そこで生きていると思われているロスを追う殺し屋からブリットは命を狙われるはめになる。
サンフランシスコの市街地を舞台に激しいカーチェイスを繰り広げ、ブリットから逃れようとした殺し屋は、逃走に失敗し、車は炎上し、2人の殺し屋は火傷で男女の区別もつかなくなる。ブリットは、改めてチャルマースの行動を不審に思い彼の真意を調べ始める。ロスの奥さんらしき人物の殺害現場から押収されたトランクより新品の洋服、多額の小切手が見つかる。そこで押収された日用品にはレニックという刺繍が‥押収した遺品より、ブリットは自分がロスだと思い護衛していた人物こそレニックであり、レニック夫妻の代わりにトランクから消えていた旅券を使い、本物のロスはローマへ逃げようとしていることを悟る。
真実は、チャルマースが裁判を確実にするため、偽物のロス、つまりレニックをブリットに護衛させ、本物のロスから目をそむけるようにしていたのだった。すべてを理解したブリットはレニックの遺品を元にロスが乗るであろう飛行機を割り出すが、本物のロスは夜の空港でロンドン行きの飛行機に乗り換え、そこに行き着いたブリットと夜の滑走路で追跡劇を行う。空港のロビーの群衆の中に身をひそめるロス。しかし行き場を失ったロスをブリットは群衆ひしめく飛行場のロビーで仕留めたのだった。
ラスト。朝早く自宅に戻ったブリットは、妻が裸でベッドにすたすやと寝ているのを確かめると、鏡で自分の顔を見つめ、カメラは最後にブリットの拳銃を捉え、映画は終わる。」
なんといってもラロ・シフリンの音楽が素晴らしく、『スパイ大作戦』や『ダーティーハリー』の音楽も彼のものであることを初めて知りました。ジャクリーン・・ビセットの美しさ(1973年に彼女はトリュフォーの『アメリカの夜』に出演しているので、この頃はまだ国際的な大スターになる前の、初々しさと成熟した女性の魅力を兼ね備えていた存在だったのだと思います)、そしてもちろんスティーヴ・マックイーンのタフさの魅力も最大限に発揮されていました。伝説的になったカーチェイスと、夜の滑走路における追跡劇は、この映画の後、何度も他の監督にマネされることになるのですが、ラロ・シフリンの素晴らしさに比べると、ピーター・イエーツの演出の“甘さ”が随所に出ていて、あと20分か30分短ければ、よりよい映画になったのではと思いました。ちなみにロバード・デュバルも重要な役(マックイーンに有力な情報を提供するタクシーの運転手役)で出ていたことを書き記しておきます。あとついでついでに書いておくと、YouTubeでラロ・シフリンをググっていたら、「ラロ・シフリン/ジャズ・ミーツ・ザ・シンフォニー(1994)」という素晴らしい曲を見つけてしまいました。
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