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三崎亜記『廃墟建築士』

2009-06-01 14:14:00 | ノンジャンル
 三崎亜記さんの最新刊「廃墟建築士」を読みました。4編の短編からなる本です。
 「七階闘争」は、様々なビルの七階で次々に人が死んだことにより、市がすべての七階を撤去することになり、七階に愛着を持つ知り合いの女性とともに反対運動に参加しますが、結局頓挫するも、七階の犯罪発生率が高いという統計に作為を感じ、新たに隣町の反対運動に参加するという話。
 「廃墟建築士」は、都会人に癒しを提供する場として廃墟が公認されるようになりますが、廃墟建築に不正が行われていることが発覚し、その処理に奔走した主人公の廃墟建築士が、国内の廃墟とは手を切り、伝説的な連鎖廃墟の建設に残りの人生を捧げる決意をする話。
 「図書館」は、夜に飛翔する図書館の本を、図書館を夜間開放することにより一般の人に見せる仕事をしている女性の話。
 「蔵守」は、人類誕生以前から存在し、意識を持つようになった蔵が破壊され、それを守っていた蔵守も殺されますが、その蔵から生まれた新しい蔵を、殺された蔵守に育てられた蔵守見習いがこれから守っていこうと決心する話です。

 あり得ないシチュエーションながら、そこに登場する人物たちは皆リアリティがあり、またラストが必ず希望を抱けるものになっていることに好感が持てました。今回の短編集も文句無しにオススメです。なお、詳しいあらすじは、私のサイト(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)→「Favorite Novels」→「三崎亜記」のところにアップしておきましたので、興味のある方は是非ご覧ください。

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