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斎藤美奈子さんのコラム・その41&前川喜平さんのコラム・その3

2019-06-21 09:15:00 | ノンジャンル
 恒例となった、東京新聞の水曜日に掲載されている斎藤美奈子さんのコラムと、同じく日曜日に掲載されている前川喜平さんのコラム。

 まず6月12日に掲載された「靴の自由」と題された斎藤さんのコラム。その全文を転載させていただくと、
「靴は女性の解放ととも深~いかかわりがある。
 思い出していただきたい。シンデレラがお妃(きさき)になれたのはガラスの靴が入る小さな足の持ち主だったからだ。アンデルセンの『赤い靴』では大好きな赤い靴で教会に行き、舞踏会にも出た娘が死ぬまで踊ってろとの呪いをかけられる。
 靴によって女の将来は選択され、靴によって女の行動は規制される。だからこそ『長くつ下のピッピ』が履く大きな靴には意味があった。それは自由の象徴なのだ。
 『職場でハイヒール・パンプスの強制をなくしたい』というオンライン署名が厚生労働省に提出された。靴と苦痛をかけた#KuTooというハッシュタグがつき、集まった署名は一万八千筆。国会の答弁に立った根本匠厚労相は、強制は望ましくないとしながらも『社会通念に照らして業務上、必要かつ相当な範囲かと』とも答えている。で、結局強制はパワハラになるの、ならないの? どうもはっきりしない。とはいえ厚労省の意向によらず、これは各職場で早急に是正すべき案件だろう。
 ちなみに働く女性を描いたテレビドラマは増えたものの、今も『仕事がデキる女』はほぼ例外なくハイヒールで街やオフィスを闊歩(かっぽ)している。こういう表現も『社会通念』に影響していない? 発想が古いのよね。シンデレラの時代じゃないんだから。」

 また6月9日に掲載された「芦部信喜先生」と題された前川さんのコラム。
「先月の憲法記念日、長野県駒ケ岳市で開かれた集いに招かれ、憲法と教育について講演した。駒ヶ根市は憲法学者芦部信喜の生地。学生時代に講義を聴いた先生だ。米国憲法判例の研究を踏まえ緻密に構成された芦部憲法学には、「これぞ学問」という思いを抱いた。
 ゼミ生ではなかったが、先生の論文集『現代人権論』、もしっかり読んだ。文部省から英国へ留学したときは、先生に推薦状をお願いした。だから、憲法記念日に先生の故郷で憲法の話ができたことは、この上ない光栄だった。
 駒ケ岳でお目にかかった信濃毎日新聞の編集員・渡辺秀樹氏が、ご自身の連載記事『芦部信喜。平和への憲法学』のコピーをくださった。大変な力作だ。
 先生に影響を与えた小中学校の恩師のこと、学徒出陣の軍隊経験、先生が関わったもろもろの憲法裁判など、その足跡を実に丁寧に追っている。先生の『二重の基準』論(精神的自由権と経済的自由権とでは異なる違憲審査基準が必要という理論)を紹介した回には、拙著も引用してくれた。
 今は第四部『国家と宗教』の連載が始まっている。新天皇の即位や憲法改正の動きと相まって、政教分離原則が破られ国家神道が復活しかねない今日、渡辺氏の随筆への期待が膨らむ。思わず県外購読を申し込んでしまった。」

 そして6月16日に掲載された「映画『新聞記者』」と題された前川さんのコラム。
「6月28日に全国で公開される映画『新聞記者』。原案は東京新聞社会部記者望月衣塑子さんの同名の本。現政権に真っ向挑戦する映画だ。
 筋書きの中心は、国家戦略特区で首相の友人の企業が運営する国立民営大学を新設しようとする動き。加計学園問題によく似た設定だ。そこには深い闇が隠されている。その計画文書が、ある日匿名で「東京新聞」にファックスされてくる。事件を追い始める女性記者を、韓国人女優シム・ウンギョンが演じている。社内の場面は実際に東京新聞で撮影したそうだ。
 映画の中には、現政権下で実際に起きた事件を想起させる逸話も盛り込まれている。女性野党議員との関係をスキャンダル化され、某大手新聞に載せられる文科省の局長(なぜか僕に似ている)。女性ジャーナリストによる性被害の告発を、野党と結託したハニートラップ事件に仕立て上げようとする陰謀など。
 組織と良心とのはざまで苦しみ追いつめられ、ついに自殺する官僚の姿は、森友学園問題で自ら命を絶った財務省職員を思い出させる。
 様々(さまざま)な陰謀を操っているのは、内閣情報調査室、内調だ。内調の一員でありながら事件を追う女性記者に協力する若手官僚は松坂桃李が演じる。よくぞこの役を引き受けたものだと感服する。
 劇中座談会には僕もちょっとだけ出ている。」

 今回も有益な情報を得られて、感謝、感謝です。

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