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イングマール・ベルイマン監督『冬の光』

2008-02-01 18:13:15 | ノンジャンル
 スカパーの260チャンネル「洋画★シネフィル・イマジカ」で、イングマール・ベルイマン監督・脚本の'63年作品「冬の光」を見ました。
 牧師のトーマス(グンナール・ビョルンストランド)は5年前に妻を亡くし、ミサにも力が入らない毎日。ペーション(マックス・フォン・シドー)の夫人が相談に来て、夫が何か悩んでふさぎこんで困っているので、話しかけてやってほしい、と言ってきます。春に新聞で「中国は敵意に満ちている。まもなく原爆を開発するだろう」という記事を読んでからだと妻は言いますが、本人は首を横に振ります。トーマスは神を信じなさいと言いますが、相手の目を見て言う事ができません。何にすがって生きればいいのか、何のために生きるのか、牧師は答えられず、ペーションはこんな話をしてても無駄だと言います。そこで一旦妻と帰って、20分後にペーション1人で来ることになります。愛人のマッタ(イングリット・チューリン)が差し入れを持って来て、神の沈黙に悩む牧師を慰めます。マッタは愛することを覚えるべきだと言います。妻の写真に見入る牧師。マッタからの手紙には、トーマスの不信心を指摘した後、あなたを愛しているし、あなたに尽くして生きたいのだが、私は間違っているだろうか? 正しいと言ってほしい、と書いてありました。戻って来たペンションは、ずっと自殺願望があり、原因については答えません。牧師は自分の話をし始め、妻が死んで自殺しようと思ったが、誰かの役に立ちたいと思いとどまり、スペイン内戦で現実の残酷さを知って、神と自分だけの世界に閉じこもったと言い、自分は聖職者失格だと言いました。ペンションは救われないまま帰って行き、マッタは牧師を慰めます。そこへペンションが銃で頭を撃って自殺したという知らせが入ります。牧師は死体が発見された川岸へ行き、死体の搬送を手伝います。マッタも来ますが、車で待つように言います。マッタを学校まで送り、教室で風邪薬をもらいますが、マッタに冷たいと責められます。牧師は周囲がうるさいからだと言い、マッタからの結婚の申し込みも断ります。そして結婚しない本当の理由は君を愛していないからだと言います。君のおせっかいや忠告にも飽き飽きしたとまで言います。愛していた妻とともに自分も死んだのだと言うのです。牧師がペンション家に行くのにマッタも付いて行きます。妊娠中の妻にペンションの死を伝えると、妻は子供に話しに行きます。教会に戻ると、信者がキリストの受難の本当の苦しみは、神の沈黙だったのでは、と質問しますが、牧師は答えられません。マッタは優しさを与える勇気を持ち、真実を信じたいと祈ります。マッタしかいない中で、夜の礼拝が始まります。

 重い映画です。楽しい場面は一つもありません。敢えて言えば朝のミサに出ていた子供のかわいらしさぐらいでしょうか? いろいろ議論されていますが、結局、神を信じる事のできないのに牧師になってしまった男の不幸と、女性をふる男性の話です。それ以上でも、それ以下でもありません。ということで、ストーリーは面白くありません。ただ、一見の価値があるのは、スヴェン・ニクヴィストの室内に差し込む光を繊細に捕えた撮影でしょうか。「鏡の中にある如く」と同じく、登場人物の表情をアップで強調し、対話が多く、シーンの転換はオーバーラップが使われていました。私はうっとうしい映画だ、という感想しか持てなかったのですが、皆さんはどうでしょうか?

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