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日々の暮らしのなかで

春という季節

2010年04月15日 | 日記・エッセイ・コラム
まっさらなバッグが荷台にある
ヘルメットも真新しい
 
桜の季節
 
春の日差しとは程遠い、北風が身に染みる
寒さで伸びた背筋であったが
新しく始まった風景にも身が引き締まる
 
夕食の買出しにスーパーへ
いつもの場所に車を止めると
目の前に数台の自転車が止まっているのが
視界に入った
 
駐輪所とは反対側だが
誰もが利便性を考えて自転車をとめる
それはさして特別な風景ではなかったが
いつも見る自転車より、いくらか、新しく見えた
 
(中学生の一行か?) 
 
我が物顔で闊歩する中学生の姿が
目に浮かんだ
女子らしく、賑やかにはしゃいでいるかも?と
 
店内に入ると、一行は視界になかった
 
今日の献立は、肉じゃがと焼肉
まさに、肉三昧!しかも牛!
今までは肉じゃがの肉には豚を使っていたが
ここは関西人らしく、たまには牛で!って
朝から決めていた
 
いつものように店内を一周してレジへ
 
すると、女子中学生の姿が始めて
視界の中に入ってきた
赤いほっぺの新入生
セーラー服姿が、自然と新入生だと
言うことを教えてくれているように思えた
 
赤い顔をした彼女たちは、何かを待っている
 
レジのオバチャンに呼ばれた別の
オバチャンが対応にやってきた
恥ずかしげに、なにやら耳打ちのようなしぐさ
 
「まぁ、そうぉ!ナンバーは?」
 
どうやら、駐車場の車の話をしているようだ
 
肉と食用油をエコバッグにしまい
店の外に出ると、ヘッドライトが
つきっぱの車があった
 
「あっ、ほんと」
 
オバチャン、車の前に近づいて頷く
 
「ありがとう、ね」
 
オバチャンが中学生に頭を下げる
彼女たちは、はにかんだ笑顔でヘルメットを
かぶった
お互いの顔を見合わせては、また、笑顔
 
それを観ていたオッサンも、また、笑顔
 
僕の背筋が伸びたのは
寒さのためだけじゃなかった
 
 


コメント
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