常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

チーズ

2021年03月22日 | グルメ
部屋のエアコンをつけなくなって三日ほどになる。季節がどんどん進んでいく。昨日、坂巻川の畔にある桜の蕾が、白くなってふくらんでいるのに驚いた。まだ三月の半ばを過ぎたばかりで、もう開花のカウントダウンが始まっている。「ジャフメイト」の最新号に、「桜の魅力、再発見」という特集記事が目をひいた。一足早く、あの絢爛たる桜の花の世界が、ページに溢れている。作家、川上弘美の巻頭文がその魅力を語っている。友人が届けてくれた折れた桜の枝の話だ。部屋に置いたこの大きな枝は、10日咲き続けた続けたとある。桜のこんな楽しみ方もあるのか、そう言えば、日帰り温泉の瓶のなかでは啓翁桜は咲き終わり、ソメイヨシノの花芽のついた枝が生けられた。室内に置けば枝の芽はあっという間に咲いて、花ははかなく3日ほど目を楽しませて散っていく。いかにも短い。川上氏の部屋で10日も咲いていたのは奇跡に近い。

話は変わるが、週末、テレビでサンドの「こども博士ちゃん」を見た。世にはとんでもない物知りの「こども博士」がいるものと感心しながら見ることが多い。先週はチーズの博士ちゃんにチーズの食べ方を教わった。モッツァレラチーズを味噌汁に入れて食べる、という変わった食べ方である。愛菜ちゃんもサンドもあまりおいしそうに食べるので、業務スーパーの袋入りチーズで試してみた。これが、味噌汁の味も損なわず、おいしくチーズが食べられる。ゴルゴンゾーラとギョウザの皮、カマンベールで作るチーズフォンデュなど博士ちゃんのレシピはどれも簡単で美味しそうな食べ方だ。ものの本によると、チーズにはタンパク質と脂肪が20%~30%も含まれている。ビタミンAは、原料の牛乳の10倍~20倍。ミネラルやカルシュウムについても、加工することで含有量が大幅に増える。その上消化吸収の面でも、原料よりも各段によい。何しろいいことづくめ、高齢の栄養補給に理想的な食品だ。博士ちゃんに感謝しながら、チーズをたくさん食べていきたい。
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どんがら汁

2021年01月24日 | グルメ
んがら汁は方言で、魚のあら汁のことだ。寒鱈の季節は、鱈のアラをつかったどんがら汁が庄内のソールフードになっている。寒ダラ祭り、と称して商店街の一郭で大鍋で煮たどんがらを来客にふるまう催しも行われていた。内陸にいる人たちも、雪道の月山道を通って、会場まで遠征す人も多かった。今年はコロナ禍、スーパーへ行くと「お家で寒鱈まつり」の幟を立て、パックに内臓やアラ、切り身をパックにした寒鱈が1,080円で売っていた。毎年、大寒になると寒ダラを賞味するのが我が家でも恒例である。早速、買って我が家での「寒タラまつり」を楽しんだ。

調理法が小さな紙に印字してある。①鍋に湯を沸かし、ひと口大に切った肝を入れる②肝が煮えたところで切り身・アラを加える③アクが浮いてきたら掬いとる。魚に火が通ったら白子を加える④味噌をとかし、豆腐、ネギを入れる⑤
好みで酒粕、岩のり加える

煮あがったどんがら汁は、期待通りに美味。雪道遠征せずに、日本海の磯の味が堪能できた。改めて確認できたのは、これを食した後の身体のあたたまりである。満腹になったのは言わずもがなだだが、寝るために蒲団に入っても身体が火照るように暖かく、眠りに落ちるまでやや時間がかかった。身体が冷える寒の季節、血管に病気で入院のニュースが流れている。この時期に、鱈一尾をどこも捨てずに食べ、身体を暖める食文化はこれからも守っていきたい。

薄月の鱈の真白椀の中 松根東洋城
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冬至カボチャ

2020年12月20日 | グルメ
明日は冬至、昼の時間が一年で一番長くなる。同時に翌日からは、少しづつ、ほんの少しづつ昼の時間が長くなっていく。一陽来復はこの日最大になった陰気のなかに陽気が生じ始めることを言う。運気がいい方に戻ってくる日でカボチャは、食べ物としては最適なのかもしれない。現在では、夏野菜も八百屋やスーパーに行けば、いつでも入手可能だが、かってはそうはいかなかった。カボチャは保存のきく野菜の代表である。人参とともにベータカロチンを多く含み、体内に入るとビタミンAに変わる。昔の人は、カボチャを大事に保存して、冬至からの野菜のない冬の時期の食べ物として食べられてきた。

冬至とて南瓜嫌ひも食はさるる 下村ひろし

冬至カボチャは切ったカボチャを煮た上に、小豆餡子を乗せるのが定番だが、カボチャスープという手もある。無水鍋切ったカボチャを少量の水で蒸し煮して、箸が通ったらブレンダーに取り、回転する程度に牛乳を入れてスープにする。牛乳の量によってさらっとしたものから、濃度の濃いものまで調整できる。鍋に移して塩で調理、好みでコショウを加える。カボチャをたくさんとれるので、かっての保存食の精神からは少し離れるが、実に美味しいスープができる。

画家のロートレックが考案したカボチャ料理がある。カボチャのグラタンである。ロートレックは友達を呼んで、料理を作ってふるまうのをこよなく愛した。カボチャ(1㌔)は手のひらの半分ほどの大きさ、厚さ5ミリにスライス。皮は薄くとる。小麦粉のまぶして揚げていく。量は鍋の底に一層になるくらい。別にスライスしたタマネギ(500g)を炒めしっとりするのを待つ。そこへトマト(250g)は湯剥きして加えトマトが煮くづれするのを待つ。グラタン皿にカボチャを敷き上にタマネギとトマトを乗せて更にカボチャを敷きつめる。上からパン粉をむらなくかけ、溶かしたバターたらす。オーブンにかけて45分、表面が茶色になるあぶくが出始めたら出来上がり。今年の冬至は、こんな南瓜料理でコロナに負けない抵抗力のある体づくりを目指す。

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銀杏ご飯

2020年12月12日 | グルメ
尾花沢の親戚に大きなイチョウの木がある。晩秋に黄色に色づくのは見事であるが、それにもましての楽しみは実の収穫である。大木になるほど、たくさんの銀杏をつける。熟すると自然に落ちてくるのもあるが、枝にロープを括り付けて枝を揺さぶって実を落す。それを拾い集めるのだが、果肉が異臭を放つのはよく知られている。水や小川の流れで果肉を除去するが、市販されている銀杏にするまでには手数がかかる。この時期になると、乾燥した鬼皮つきの銀杏を貰う。毎朝数粒づつ味噌汁に入れて、妻と食べる。銀杏は強精食品として珍重されてきたが、このおかげで一日元気で過ごせるような気がする。

今年は新米のつや姫ももらうことができたのので、念願の銀杏ご飯を食べることができた。米はシイタケのダシ汁につけておき、昆布1枚、酒大さじ2、塩小さじ1を加えて炊く。別に鬼皮をとった銀杏20粒を湯にいれて煮たてながら薄皮を剥いて、吹いてきた羽釜に入れて炊きあげる。火を止めて数分蒸らしてから、底からご飯を起こすようにして銀杏と混ぜ合わせる。新米と取れたての銀杏が調和して、おいしい銀杏ご飯の完成である。親戚の従兄たちに感謝しながら舌鼓。コロナで心配な年の瀬であるが、これで元気に年を越すことができそうだ。

銀杏を焼きてもてなすまだぬくし 星野 立子
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食べる

2020年11月23日 | グルメ
食欲の秋と言われるが、年とともに食欲も次第に減退する。食べることが生きることの基本だから、高齢になってからは美味しく食べる工夫も大切になる。年金生活で、高価な食材を自由に求めることもできない。食材では、先ず米が大事である。収穫が終り、新米が出回っている。親戚や知人から、新米をいただくのがこの季節の一番うれしいことだ。先ず、頂いた新米を真っ先に、おいしいうちにいただく。そうすることで、送ってくれた人への感謝の気持ちがより強くなる。知人の話を聞くと、持っている古米があるのでそれを食べきってから新米に手を付けるという人がいるが、これではせっかくの新米の味が落ちてしまい勿体ない。

戦後の食糧不足の時代、米がいかに大切なものであったか。こんなことに思いを馳せるのも、新米への感謝、日本人であることの満足感を増すことにつながる。戦後の料理研究家として知られる辰巳浜子の米に対する思いが時代を物語っている。

「お百姓さんの労苦を察してと、釜底のおこげはもちろん、お鉢の洗い流しの一粒さえ食べさせられました。汽車弁をいただく時は、必ず蓋についた米粒を丹念につまむことから教えられました。」(辰巳浜子『料理歳時記』)

わが家でも、余ったご飯を干飯にして、炒って砂糖をまぶして子どもたちのお八つしたものだ。

業務スーパーで見つけた二つの食材がある。ひとつはオートフレーク。これをつかったお粥は、60㌘に水300㏄、塩ひとつまみ。耐熱容器にこれを入れてレンジで4分加熱してできあがり。驚くほどの簡便さだ。これは北海道いたころ、畑に植えられて牛や豚の飼料に使用されていた。これが食用として人気を博したのは、豊富に含まれる食物繊維によるコレステロール減少効果によっている。実際に食べてみるとこのオート粥は、食感もよく米の粥にそん色のない美味しさだ。原産地チェコ。もう一つは、「プチっと鍋」(エバラ)のとんこつ醤油味。これも、高齢者が小人数でつくるこの季節の鍋料理に簡便でもってこいである。プチっと鍋ふたつ、水300㏄を鍋に入れて、キャベツ、豚肉、長ネギ、モヤシ、ニンジン、キノコを入れて野菜に火が通ると出来上がり。身体が芯から温まる。残った知るには、ウドンやオートを入れて締めにできる。冬を乗り切る強い味方だ。

寄せ鍋に睦みて忘る過ぎしこと 鷲谷七菜子
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