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立春を過ぎてから日が経つのが早い。寒気は入りっぱなしだったが、晴れや気温の高い日も混じるようになった。室内に入れたクンシランが花を咲かせ、アマリリスの葉のわきに花芽が二つのび始めた。あと10日ほどで花を見られるかも知れない。予報では、明日から寒冷前線が南下、全国的に気温が下がり雪になるらしい。
最近はニュースをテレビよりネットで見る機会が増えた。ネット上には役に立つ科学に裏打ちされた情報となんの根拠もない情報が混在している。そこを見極める力が求められる。先日兼好の『徒然草』を読んでいたらその辺の極意のようなものが記るされていた。第194段。「達人の、人を見る眼は、少しも誤る所あるべからず」この段で兼好は「ウソ」に対する反応の仕方を10のパターンに分けて人の眼力を測っている。
1ウソをその通り真実として受け取り騙される人
2ウソを信じ切り、その上にまたウソを重ねる人
3何とも思わず無関心な人
4多少不審に思い、信用するでもなく、信用しないでもなく思案している人
5真実らしいとは思わないが、人の言うことだからそんなこともあるかもしれ
ないと、放っておく人
6いろいろ推測し、分かったふりをして、利口そうにうなずき微笑するが実は
全くわかっていない人
全くわかっていない人
7推測してウソを見破り、ウソに違いないと思いながら自分の推測が間違って
いるかもしれないと、不安に思っている人
8当たり前のことだと、手を打って笑う人
9ウソだとわかっているが、知っているとも言わず、わかったことについてあ
れこれ言わず、知らない人と同じふりをしてやり過ごす人
れこれ言わず、知らない人と同じふりをしてやり過ごす人
10ウソの意図をはじめからわかっているが、それを小馬鹿にせず、その人と心を合わ
せて、人をだますことに協力してしまう人
兼好はこれらの人を愚かと言っている。兼好のウソへの反応の分類はみごとというほかない。いま自分の心のなかにこの分類項目が多く含まれていることに驚かされる。眼力ある達人の前では、これら愚かな人の真意を見抜くのは、手の平の上のものを見ることのように簡単だと語っている。眼力はメディアリテラシーと言い換えてもいい。ウソの情報のなかには何らかのサインが隠されている。その意味読み取ることができることが眼力があるということだ。
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