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長期滞在もようやく終わりに近づいてきた。今日はまだ雪空だが、週明けから春の気圧配置になるらしい。立春を過ぎてからの寒気は老いの身に厳しい。電気代が高騰してもエアコンの暖房を消すことができない。野菜や食品の値段が異常に高い。入ってくる収入は決まっているから、高いものには手がでない。勢い値が安定している冷凍食品の購入が増えている。ご飯に混ぜて炊くひよこ豆にグリーンピース。塩サバの冷凍、牡蠣。オクラ、カボチャは熱を通して冷凍になっている。業務スーパーの売り場にはまだ試していない冷凍が山のようにあるが原価の高いものは冷凍になっても高い。公園から拾ってきた銀杏は、鬼皮を除いて大量に冷凍してある。新年になってから買ったものは食品以外にほとんどない。日本のエンゲル係数が高くなっていると言われるが、我が家の係数は恐ろしいことになっていそうだ。
最近みたアマプラの映画。渡辺謙主演「明日の記憶」。広告代理店に勤める50歳の部長が突然若年性アルツハイマーに罹るという話だ。渡辺謙の演技が見ものだ。病気の恐ろしをこれでもかいう具合に演じ切る。娘の結婚式で両家を代表して挨拶することになり、トイレに挨拶の原稿を忘れてきてしまう。何を話すべきか、思い出せない。原稿を忘れたことを告げ、妻の助けを借りながらありのままの感謝の気持ちを表現する。湧き上がる拍手、認知症でもやり抜けた大事な挨拶。この映画を見るものを思わず引き込んでしまう渡辺謙の演技力。森のなかの陶芸窯の廃墟。若い時代に陶芸を教わった場所だ。不思議にこの場所の記憶は残っていたのだ。もう、ここが現実か、病気のための妄想かしっかりと見分けることすら困難なシーン。なぜか、認知症を扱った映画を続けて観ている。それだけ、その世界と無縁ではいられない年代に入っていること故なのか。春隣りの寒い時間が流れていく。
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