常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

障子

2019年01月07日 | 芭蕉

障子はもともと、さえぎるものの意味で

屏風や衝立と同じように視線、風、光 

、寒さなどをさえぎる建具の意味であ

る。桟に和紙を張って、明り取りをさす

ようになったのは、薄くて白い丈夫な

紙が普及した鎌倉時代以降である。

茶室の障子は、採光だけを目的とした

ものでなく、光を抑えることで調度品や

室内の生け花などに質感に趣を加える

演出効果を期待している。

水仙や白き障子のとも移り 芭蕉

南向きの日当たりのよい部屋にある水

仙では、句の趣は半減する。紙という

絶妙な材質を通して、ほどよく抑えら

れた光りが、水仙の花と障子の二つの

白さが調和する。

我が家の南側の掃き出しのサッシは

大きなガラスだが、内側に同じ大きさ

の障子が取り付けてある。この障子に

よって、ガラスを通してくる強い光や寒

気をやわらげ、観葉植物を生き生きと

見せてくれる。

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冬の句

2019年01月06日 | 芭蕉

今日、24節季の小寒。寒の入りである。

これから本格的な寒さが始まる。空は

晴れ渡り、寒気に加え、放射冷却も予

される。週末には、馬見ヶ崎川の北

の尾根を、東へ歩く予定をしている。

から鮭も空也の痩せも寒の内 芭蕉

今年は、親せきから新巻きを一本送っ

てもらった。形ばかりのおせちを食べ

きって今朝から味噌汁と鮭の朝飯であ

る。申訳のように焼き舞茸が一片つけ

てある。AIの進化がどこまで行くか、

テレビで討論をしている。私は、ユー

チューブのクラシックをBGMにして、

芭蕉の句をブログに書き込んでいる。

空也の痩せは鉢叩きのことで、空也忌

から大晦日まで鉦を叩きながら、洛中

を踊り歩く、冬の京都の風物詩である。

今はかろうじて残っているのが、新巻

き鮭の切り身を焼いて食うぐらいだが、

芭蕉の頃は、俳句の季語にもなって、

京都の市民から親しまれていた。旧暦

の大晦日は通常立春を迎えているが、

この句が読まれた元禄4年は1月8日が

立春であった。たまたま松の内と寒の

内が暦の上で合っていることに着目し

て俳句の面白みを出そうとした。これ

は安東次男が『芭蕉百五十句』で述べ

ている説である。こうして、芭蕉の句

を一句ずつ読んでいくのも面白い。


 

 

コメント (3)
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