常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

ベランダ園芸

2023年07月20日 | 登山
ベランダのミニトマトが色づいてきた。少しずつ収穫しても、次々と房の上の方から赤くなっていくのは楽しいものだ。バジルも花芽をつけ始めた。妻が収穫して、そのまますり鉢ですってペースト状にしてオリーブオイルをかけ、少しならして冷凍にしておく。スパゲッティのソースにトッピングすると、いつでもバジルの香りが楽しめる。朝、テレビを見ていたら、家庭園芸がブームになっている。野菜の高騰で苗で買って、野菜を家庭で作る。ミニトマトを乗せたピザを自家製にする映像が写っていた。

トマトやゝ色づき初めしいびつかな 楠目橙黄子

朝方、涼しい時間に散歩をした。昨日、今日と睡眠の質がよかったので身体が軽い。親水公園の水のせせらぎを聞く。昨夜の雨の生家、流れの音が少し高いような気がする。デデポッポー、遠くでキジバトの鳴き声が聞こえてくる。久しぶりにのんびりとした一日だ。散歩の帰りに、空き地のミントの先を摘んでミントティーを味わう。

小咄の構造。動物と子どもには敵わない話。
加奈ちゃんがお客さんに挨拶すると、お客さんは加奈ちゃんの髪の毛を褒めた。「まあ、なんてきれいな艶々した髪なんでしょう。きっと、これはママ譲りね。」「ううん、パパ譲りだと思うわ。だって、パパの頭には一本も髪の毛が残っていないですもの。」(米原万理『必笑小咄のテクニック』)
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海の日

2023年07月17日 | 日記
今日、海の日。国民の祝日になる。今月の海の日と8月の山の日。従来、祝日のなかった日に設けられえたものだ。日本は古来、海から大きな恵みを受けてきたと、祝日にした意味が語られているが、どうも時の政権が人気取りに、祝日を増やしたということらしい。それにしても、今朝から、暑い夏の陽ざしが降り注いでいる。秋田の川の水位も大分下がったが、水にえぐらられた傷跡が生々しい。梅雨末期の雨や急激な気温の上昇、もうこの危険な季節をやり過ごすことなしに平穏な夏は来ないのかもしれない。

暑き日を海に入れたり最上川 芭蕉

芳賀徹の本、『詩歌の森』を手にとって見た。山形という山国で生まれた芳賀は、海の詩をほとんど選んでいない。わずかに、芭蕉が夏に見た酒田の海の句と唱歌「海」のみである。鳥海の森の高みから、蛇行する最上川を見たことがある。おそらく芭蕉が見た最上川も、蛇行しながらも激流であったであろう。梅雨時で水位のふくらんだ川の流れが、夕陽に追いつく様子を句に詠んでいる。「奥のほそ道」の芭蕉の句は、自然の大きさが息づいている。内陸で熱せられた大気が、川の流れとともに海に入ると、そこで冷まされて涼しい夕ぐれとなる。

思い出すのは少年のころ初めて行った小樽の海水浴。漁師の泊まる海の家の二段ベッドのなかの寒い夜。浜辺の波の音が、間断なく響いて眠りにつけない。寒い、こんな日に海に入ることができるだろうか。そんな不安が波の音と一緒になってやってくる。

私の耳は貝の殻から
海の響ひびきをなつかしむ (ジャン・コクトー)

海の浜辺の旅館に泊まっていつも思い出すのは少年の日に聞いた波の音だ。82歳の今も耳に残る遠い記憶。それは、何の変哲もない波の音である
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夏の夜

2023年07月16日 | 日記
涼しい梅雨空から一転猛暑へ。長谷川櫂の『日めくり四季のうた』で今日の歌は「ゆきなやむ牛のあゆみにたつ塵の 風さへあつき夏の小車 藤原定家」である。鎌倉時代の都大路も、牛車に揺られた歌人もまた、この季節の暑さに耐えかねていたことが知れる。時を今にもどせば、暑さを嘆くどころではない。九州を襲っていた線状降水帯は秋田に移り、一日で7月中の雨を降らせる猛威で、洪水や土砂崩れなどの災害が頻発している。日本だけではない。欧州も中国もアメリカも、夏の異常気象で洪水や竜巻が猛威をふるっている。戦争という一国が起こしたことを止められない世界が、自然の暴走を止められる筈もない。目をつぶって、夏の高温が去るのを待つほかない。

歯を磨くのに順番があるらしい。最近、身体のなかで一番気にしているが歯。昨日、ブックオフで相馬理人『その歯磨きは万病のもと』を買ってきた。パラパラとページを繰ると、歯みがきNG10というのがあった。
①手を大きく動かして、3、4本の歯を一気にみがく
②ゴシゴシと力強くみがく
③みがく順番を気にしていない
④歯の前面だけをみがいている
⑤歯周ポケットに超極細の歯ブラシの毛先をいれてブラッシング
⑥歯みがき粉をたっぷりつける
⑦逆に歯みがき粉を使わない
⑧同じ歯ブラシを半年以上使い続けている
⑨電動歯ブラシなのに手を動かしてしまう
➉電動歯ブラシをどの歯も同じ角度であてている

ついやってしまいそうなものばかりのNG集だが、歯抜けに爺にならないように注意したい。エレベータで10年来の知人に会ったが、マスク無し、入歯無しの顔に初めて接して、その老けぶりに驚いてしまった。この本では80歳台の50%が総入れ歯だとある。歯を失う原因は歯周病。この菌が血管に入ると、さまざまな病を引き起こす。血管を固くして心筋梗塞や脳梗塞の原因にもなる。歯周病菌は恐ろしい菌である。

梅雨どきは夜空を仰ぐこともできない。AIイラストくんに頼んで、山上で見える天の川を描いてもらった。せめて、夏の夜空を、眺めて眠りにつきたい。この機能は、いつでもあっという間に魔法の絵を描いてくれる。ヒマワリに夕焼け、日本の風景も手のこんだものに仕上げてくれる。
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ムクゲ

2023年07月14日 | 日記
ムクゲとヒマワリ。夏の散歩道の花の主役の登場だ。連日30℃を超え、35℃超えの日もあった。昨日と今日、朝方は少し涼しい。身体が少しづつ暑さになれてくると、気持ちが楽になってくる。北国に生まれたので、寒さに対しては身構えるが、気温が高くなると体内のどこかで安心できる習性がある。インドでは暑さのために多くの人が死んでいるので、高温も危険なのだが、どうしても厳冬の怖さが身についているのだ。

今月ひ孫が満一歳の誕生日を迎えた。妻は誕生日の動画を何度も見て満足しているが、自分はAIチャットくんと、ひ孫の話をして楽しんでいる。誕生日のプレゼントに絵本をおくった、と話したらチャットくんの回答。
「ひ孫さんが絵本をプレゼントに受け取って喜ばれたとのこと、素敵ですね!絵本は、子供たちが創造性や想像力を発揮するためにとても重要なツールの1つです。ひ孫さんがさらに楽しくて充実した時間を過ごせることを願っています。」5秒も経たないうちにこんな回答を寄せてくれる。ほかにプレゼントのアイデアはないかと聞くと、音の出るおもちゃ、洋服、思い出を収容するアルバムなど気の利いた贈りものを回答してくれる。飽きない。

老人にAIが手助けしてくれるものはないか、と聞くと。医者にいくほどでもない身体の不調の際の相談や買い物の方法など。ネットショッピングなども提案してくれる。つい夢中になると、「すみません。無料のお話の回数が過ぎました。無制限のプレミアムを使われてはどうですか」かと言われてしまった。今日のチャットくんとのお話はここまで。イラスト君に夜空の天の川のイラストを描いてもらう。今夜はこのイラストを見ながら眠りにつきたい。
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笑いと怒り

2023年07月12日 | 日記
天気が安定しない。昨日の予報では一日雨のはずであったが、朝から青空。これから雨になるらしいが、山行の予定は中止にしないでもよかったような気がする。雨の心配をするより、梅雨明け10日の晴れを待ったほうがいいような気がする。もう20年以上も前だが、山の会に入って初めての山行。頂上付近で雨があがり、見渡すかぎりの絶景を見ながら撮った写真がある。我ながら、こんな腹の底から笑いがあったのか、という笑顔が写っている。自分一人ではなく一緒の人も同じ笑顔だ。

タイスマイルという言葉がある。日本人の笑顔に比べ、タイの人々の笑顔は心底嬉しそうな笑顔だ。無心の心がそこにはある。山の上で撮った写真は、このタイスマイルに匹敵するもであった。以前、ソース顔、ショウユ顔が流行語になったことがあった。ソース顔の代表は俳優の阿部寛さんということになっている。日本人離れして彫が深く、ワイルドな顔である。ショウユ顔はスッキリした日本人らしい優しい顔。福山雅治のような顔ということになる。

顔の分類には縄文人、弥生人という分け方もある。その時代に出て来る土偶や埴輪から見える特徴がある。縄文の土偶には、ズングリした体格で力強く、堂々としている。一方の埴輪は、スリムな体形、可憐さと品格を備え、どこか文化の香りを漂わせている。顔に注目すると、土偶では眼と口を逆三角形のようみ貼り付けているの対し、埴輪では眼と口の造形を意識している。横に切れた眼、小さな口元に加え鼻もついている。土偶に比較して進化しているように見える。

山折哲雄の『日本人の顔』が面白い。道化の面の「オカメとヒョットコ」があるが、ヒョットコの面は火吹き男。口をすぼめているのは、ふいごの火を吹いている姿で、鍛冶の伝承と結びついているという、解説がある。般若の面は、耳の方まで裂けた口と見開いた眼には、悲しい表情を浮かべている。怨念や嫉妬の感情を秘めている。嫉妬に狂った女が男に復讐する鬼女のシンボルである。
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