衆議院が突然、解散されたこの12月。さる11月16日に、京都の民主主義がスタートした「京都府庁 旧本館」にある「議場」の一般公開が行われ、ミモロもさっそく出かけました。
「京都府庁の旧本館」は、明治37年(1904)12月20日に竣工されたレンガ造りの建造物。平成16年に国の重要文化財に指定されました。 ルネッサンス様式の堂々とした華麗な建物。NHKのドラマ「坂の上の雲」のロケも行われたところです。
建物の一番北側に位置するのが議場です。ここは、長らく修復整備事業が行われ、今年、その第1期が終了。11月15,16日に一般に公開されました。
まずは、2階の資料室へ。
そこには、旧議場の当時の様子や修復の様子を示すパネルが展示されていました。
設計者は、松室重光。京都出身で、東京帝国大学で建築を学び、京都市の嘱託技師となり、この府庁本館などを設計します。
ネオルネッサンス様式を得意とし、数々の名建築を残します。
今回の修復整備は、当時の様子を再現するとともに、消火、耐震設備などを強化したもの。
現代の技術と、当時の職人技を融合させた次世代へ受け継ぐための事業です。
公開された議場の議員席に座るミモロ。
「なかなかしっかりした椅子だこと…」京都のヒノキ材で作られた椅子の座り心地は、いいようです。
「机にも布がはってある…」
「いい肌触りの天鵞絨(ビロード)…眠くなっちゃう…」と。天鵞絨は、京都が日本の産地です。座席には、スチーム暖房がはいっているそう。「議員さんたちねむくなっちゃうんじゃないの…」とミモロ。失礼ながら、国会中継なので見る議員の姿を思い出します。
壁は、白い漆喰でぬられています。これを塗るのは、相当の技術が必要だとか…。建物の随所に、植物のモチーフの装飾が施されて、建物全体をいっそう格調高い雰囲気に…。
今回、一般公開では、NPO法人「京都観光文化を考える会 都草」の会長の坂本さんが歴史や修復事業について解説してくれました。
ミモロは熱心に耳をピクピクさせながら聞き入っています。
「当時、ここにある席の数は、60.実は、現在の京都府議の議席数と同じなんですよ。初代の議長は、山本覚馬で、『八重の桜』でも活躍した人物です」「あ、ミモロ知ってる~格好良かったよね~」と。
「2階の席からも大勢の人が傍聴していました」と。
修復に使った材料は、ほとんどが京都産のもの。建築にかかわった職人さんたちは、寺社仏閣などを手掛けた人たちです。
「ここが議長席…」
そして、修復された赤絨毯…「紅葉の絨毯じゃないよ~」
これは、強度のために、黄麻を含む素材で作られています。
「なかなかいい感触…」と、踏みしめて…。
この議場で、さまざまな京都の未来が決定されたのです。
「今も、議会の始まる前に、鈴が鳴らされますが、それは当時のものを今も使っています。つまり昔の音が聞こえるわけです」と坂本さん。さすが物持ちのいい京都です。「当時のことを思うと、身が引き締まるんじゃないの~。議員さんたち…」とミモロ。
京都から日本の未来を見ていた初代議長となった山本覚馬。会津藩士として生まれ、会津のために命を懸け戦い、明治政府にその実力を認められた人物です。今、彼が生きていたら、どんなことを思ったでしょうか?
12月14日の衆議院選挙。選挙は、国民の義務ではなく、権利です。自分の思いを伝えるために、必ず投票に行きましょう。
「ずっと平和な日本がいいなぁ~。戦争怖いもの…」とミモロ。
旧議場見学の後、ミモロは、旧府庁のお気に入りの窓辺へ。
春は、窓一面にしだれ桜が茂ります。今は、わずかな葉を残す桜…「もう冬なんだね~」と。また、来年桜を見に来ましょうね…。
*京都府庁の旧議事堂の今後の公開予定は、まだ未定。でも、正庁や旧知事室は公開されています。
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