秋になると、京都各所の神社では、恒例の祭りが行われます。ミモロが京都に暮らして以来、なにかとお世話になっている東山の「粟田神社」も、祭りの時が近づきました。
東山の麓に位置する「祇園祭」の「八坂神社」や「知恩院」、「青蓮院門跡」とも深いつながりをもつ「粟田神社」。その祭りは、古く神仏習合の時代を物語る由緒ある祭りのひとつです。
今年は、「東京オリンピック」で、10月の祝日が変更され、開催が、10月22日から24日に。また、コロナ禍であることから、神輿の渡御行列はなく、地元の氏子の方々や23日の夜の「夜渡り神事」の大燈呂製作を担った京都芸術大学の学生さんなど、人数を制限し、神事を行うことになりました。
「粟田神社」の神輿渡御を先導し、氏子町を清める役割の剣鉾。ミモロは、京都に来て、初めてその存在を知り以来、すっかりその魅力にはまっています。まだ暑い時期から、剣鉾を差し上げる練習が重ねられ、夜になると境内には、剣鉾の鈴(りん)の音が響きます。
この日も剣鉾の練習日。ミモロは、夕ご飯を済ませると、さっそく境内へ。
まずは、本殿に参拝を…「夜の神社って、いっそう厳かな雰囲気だよね~」と、ゆっくり進むミモロです。
厄除け、病除けの神として崇敬されるご祭神、素戔嗚尊(スサノオノミコト)。そして縁結びのご利益も授けてくださる大己貴命(オオナムチノミコト)に参拝。
ミモロが祈る間も、境内には、剣鉾の鈴の音が響きます。
「ミモロちゃん、ホント、剣鉾好きだよね~」と、顔なじみになっている剣鉾奉賛会の方々に言われるミモロ。
「はい、この鈴の音が大好きなんです」とミモロ。「あ、ネコだから??」「う~そうじゃなくて~すごく心が浄められる気がするの」と答えます。かつて、剣鉾に縛り付けられ、差し上げられたという貴重な経験もしているミモロは、いっそう剣鉾に心惹かれているのでした。
氏子町に数本ある貴重な剣鉾。それを差し上げるために、毎回、丁寧に状態をチェックしながら、組み立てます。
剣鉾を納める箱書きは、文久2年(1862)の文字が…。坂下門外の変や寺田屋騒動などが起こった年で、京都も不安な時代へと向かいます。
世情不安な状況にありながらも、祭りなどの通常の暮らしを守ろうとするところが京都の町衆の強さ。コロナ禍にあっても、決して神事などはおろそかにしない姿勢が、さすが京都なのです。そもそも応仁の乱をはじめ、本当にいろいろな戦いや災害に巻き込まれてきた人々。江戸時代から始まった江戸(東京)とは、経験値が違うのです。「すごいよね~」と、思うばかりのミモロです。
剣鉾の中心部分には、神様がいらっしゃる場所が…
京都の神輿をはじめ、祭具のすばらしさは、国内随一。それは伝統工芸などの技術を継承する職人さんが多いことから。
「ホントに、京都のお神輿って大きくて、立派!」それは小さいサイズの子供神輿を見ても、その技術のすごさを実感します。
「今年もお神輿見られないんだ~」と、コロナ禍ですでに丸2年。神輿の渡御がない京都。来年には、復活が期待されますが、空白の時期が長くなり、担ぎ手の確保なども懸念されます。「誰もすぐに担げるもんじゃないしね~」とミモロ。
さて、剣鉾に話を戻しましょう。京都各所の神社にあったと言われる剣鉾ですが、現在、その数は少なく、近年に復活されています。ここ「粟田神社」だけでなく、「大豊神社」「八大神社」「吉田神社」などをはじめ、岩倉や右京区の神社などでも、差し上げが行われています。
独特なステップを踏み、頭上に掲げられた竿の鈴を鳴らすのは、なかなか技術が必要。初心者と熟練者の鈴の音には大きな違いがあります。そのため、練習は必須。祭りが近づくと、その練習にも熱が入ります。
総重量30キロともいわれる剣鉾をバランスを取り、鈴を鳴らし進むのは、相当な力が必要とされますが、最近は、女性の差し手も誕生しています。
昨年から練習を始めたという岩倉からいらっしゃった河内さんもそんなおひとり。
ミモロ同様、剣鉾に出会い、すっかり魅了されてしまったそう。「ミモロももっと大きければ、差し手になったのに~」と、残念そうなミモロですが、「応援してます。がんばってね!」とエールを送ります。
伝統を重んじる祭りですが、近年、今まで祭具に触ることさえ憚れてきた女性たちの進出も許されるように時代が変わってきています。
カ~ン、カ~ンを涼やかな音色が響く夜の境内…「これが好きなんだ~」というミモロ。毎年、必ず1回は練習見学に訪れます。
今年は10月24日の「神幸祭」。
「今年も氏子町、剣鉾巡行するんだって…」
昨年も、規模を縮小して行われた神幸祭。氏子の人々は、家の前に出て、剣鉾や神輿に代わる唐櫃などを静かに迎えます。
(写真は昨年のもの)
もし、東山エリアにいたら、剣鉾などの姿を拝めるかもしれません。
*「粟田神社」の詳しい情報はホームページで
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