ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

桜の名所だったんだ~新義真言宗の総本山「根來寺」へ。重要文化財の建物が点在する境内。

2024-04-04 | 寺社仏閣

「ここに参拝したかったんだ~!ワ~桜もキレイ!」

4月2日の晴天の日、ミモロは、お友達と誘い合わせて、和歌山県の「根來寺」にやってきました。

京都から約2時間半の旅。出町柳駅から、京阪本線で京橋駅へ。そこから天王寺駅に行って、JR紀州路快速で和泉砂川駅まで。そこからバスで到着です。

バスが通る道沿いの山には、山桜の花の姿…「ここら辺、桜が多いんだね~」とバスからの景色に春を思うミモロです。

ほとんどこのエリアに知識がないミモロ…なんでもこのエリアは、和歌山の桜の名所なのだそう。

10時半ごろ「根來寺」に到着。

バス停のそばにも、桜が開花しています。


週末は、大勢の参拝者が訪れる桜の時期の「根來寺」。参道には、屋台も…


まずは、お寺の受付へ。

500円の拝観料を納め、頂いたマップを見て、参拝のコースを決めます。

ミモロは、お友達にお任せ。「帰りのバスの時間に合わせないとね~」そう、JRの駅に行くバスの便は、1時間に1本。ミモロ達は、15時台のバスに乗ることにしました。滞在時間は、約5時間。「ランチもしたいもの~」というミモロです。


ともかく、まずは、本堂である「大伝法堂」を目指します。


さて「根來寺」は、長承元年(1132)に高野山の「大伝法院」を始まりとする新義真言宗の総本山です。弘法大師空海を開祖とする真言宗は、さまざまな宗派があり、なんと18種類もあるのだそう。

その中に高野山金剛峰寺を総本山とする「高野山真言宗」もあります。

空海亡き後、一時、衰退する高野山。そんな高野山の再興のため、覚鑁(かくばん)上人が、鳥羽上皇の庇護を得て尽力。しかし、再興した高野山では、以前からいた衆徒との間に不和が生じ、覚鑁は、高野山を下りて、根来へと移り、この寺「根來寺」を開き、新たに「新義真言宗」を広めます。

「天台宗は、最澄さんの後継者がいたからね~」とミモロ。でも、「法然や親鸞、日蓮、栄西という人たちは、比叡山延暦寺を出て、新しい宗派を確立するんだから…まぁ、どこでも同じような感じかな?」と。大きな勢力に反する人たちを弾圧するのは、なぜか宗教の歴史に多く見られること。

ここ「根來寺」も、後に、高野山の衆徒などに3回も焼き討ちにあうことに…。
「なんで、人々の平穏な暮らしを願う宗教が、お互い戦うんだろうね~ネコには理解できないよ~」とミモロ。
これは、今の世界でも同じようなことが起きています。

天台宗の比叡山延暦寺は、信長によって焼き討ちにされましたが、ここ「根來寺」は、秀吉によって天正13年(1585)に焼き討ちにされ、ほとんどの建物が焼失。その後、徳川家の庇護で、復興。そのため、ここにある大部分の重要文化財の建造物は、江戸時代のもの。その時代に、京都智積院を総本山とする「智山派」と大和長谷寺を総本山とする「豊山派」に分かれます。

境内でひと際目立つのが、「大塔」。

高さ40mで、天文16年(1547)の建立で、国宝。秀吉の焼き討ちから免れた建物です。

かつて多くの僧侶が教義を学びに集まった寺は、現在は、覚鑁上人の霊跡として復興。36万坪という広大な境内には、四季折々、桜、青葉、紅葉の趣があると共に、中世の佇まいを残すとし、平成19年に国指定史跡になりました。


覚鑁上人のご廟所である奥の院。

静寂の参道を鳥の声を聴きながら進みます。

49歳でここで生涯を閉じられた覚鑁上人。今も地元の人などの参拝が絶えません。


*「根來寺」の詳しい情報はホームページで

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