ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

この春一般公開された京都御苑「閑院宮邸跡(かいいんのみやていあと)」。

2014-06-28 | 歴史・史跡

京都の中心に位置する「京都御苑」の南西にある「閑院宮邸跡」。明治2年(1869)に東京遷都が行われるまで、多くの公家の建物が立ち並んでいた京都御苑。その中にあった公家のひとつ閑院宮家の邸宅だったところです。
 
明治天皇が、東京の皇居に移られて以来、それに従った多くの公家の京都の住まいは、空き家になり、中には、料理屋さんに貸し出されるものもあったとか。かつてあった公家町は、崩壊し、荒れ放題に。それに憂慮した明治天皇によって、明治10年に「御所保存・旧観維持を目的にした、京都御苑整備の原点ともいえる「大内保存事業」が始められます。

これにより、御苑内の荒廃した多くの建物が取り壊されて、整備されることに。
この「閑院宮邸跡」は、明治16年に、旧宮内省京都支庁として活用されたため、現在、京都御苑に残る唯一の当時をしのぶ遺構となっています。

宮内省京都支庁設置のため、急遽、さまざまな建物を作る必要性から、旧宮家の建物の一部や、部材などが利用されたので、現在、昔の姿を垣間見ることができるのです。

平成に始まったこの場所の調査、修復、整備が終わり、「京都御苑」の歴史などがわかる展示室とともに、今年春から一般公開されています。
「だれでも、すぐに入れるんだって…」と、ミモロもさっそく出かけることに。
「京都御所」「仙洞御所」など、京都御苑にある場所には、事前に拝観許可が必要ですが、ここは、事前許可がいらないので、御苑に来たら、寄りたい場所です。

車寄せから建物の中へ。建物は、約880平米の規模。「広いおうち…」とミモロ。
 
建物は、中庭をぐるりと囲む「ロの字」に配置されています。

 
「あ、ハートの形…」天井の梁の部分に…旧宮家の当時の建物らしい部分が…。

「そこのお部屋は、床もみじが楽しめますよ、今は、緑色がキレイです」と、館内の職員さん。
 
磨かれた床に、庭の木々の緑が映り込み、そこに立つミモロの体も緑色に…

今回、建物の保存修理には、建築技術を伝承するために、壁、瓦屋根などに、その当時と同じ技術で行われたそう。
 
「華美な装飾がなくて、丹精な美しい建物だよねー」とミモロ。柱も細く感じられ、桂離宮などの建物にも通じるような、美しさを覚えます。

 「やっぱり広いおうちだね~」と廊下を歩きながら・・・当たり前です。閑院宮家のお住まいだったんだから…。
閑院宮家は、宝栄7年(1710)、東山天皇の第8皇子であった直仁親王が創立なさった宮家。その後、東山天皇の系譜が途絶え、伏見宮家の皇子が継承され、明治10年に東京に移住。昭和63年に、宮家は後継者が途絶え、絶家となりました。

「ここ月見台かな?」庭に突き出たようなウッドデッキ。
  
世が世なれば、ミモロが、こんなリラックスしていられる場所ではありません。
「気持ちいいねぇ~」
「ここで、お月様見ながら、お月見団子食べたら最高だね~」と。周囲の木々の間から、吹き抜ける風もさわやかです。発掘調査などにより、昔の庭園の様子もしだいにわかってきたそう。

さて、館内には、「京都御苑」の歴史を物語る展示物も見学できます。

 
「菊のご紋デザインのお急須?」当時の方々がお使いになっていただろう食器や小物などが、発掘され、展示されています。
 

建物だけでなく、お庭も歩くことができます。
 
 
池を含む庭園も、当時の面影を残すもの、試掘調査で18世紀中ごろに作庭されたことがわかったそうです。
「この線なんだろ…」芝生の上に白いラインが…。
 
このラインは、当時の建物の間取りを示すもの。「ここがお玄関で、こっちは寝室かな…」
昔の建物の構造や規模がわかる貴重な遺構です。

広いお庭の中の小道をお散歩。

「あ、池に大きな鳥…」「あの子も遊びに来たんだ~」

京都御苑の散策の折にぜひ…
「こういうお家が、昔は、たくさん建ってたんだ…」
江戸時代の公家町ってどんなだったのでしょう…。いろいろな想像が膨らむミモロでした。

*「閑院宮邸跡」京都御苑南西角。入場無料。9:00~16:00 交通:地下鉄烏丸線丸太町駅下車徒歩6分ほど

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2 コメント

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へー知りませんでした。 (mimoro)
2014-07-04 08:51:11
アオサギ君って、御所横に住んでるんですか?
いいお住まいで、うらやましい。
梨木神社に行ったら、ぜひ見上げてみます。
教えてくださって、ありがとうございまーす。
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Unknown (水中風来坊)
2014-07-04 05:23:30
このアオサギ君ではないと思いますが、アオサギの巣が御苑の東の端の高い木の上にあります。梨木神社のあたりです。ミモロちゃんも梨木神社の裏の道から見上げてみてください。大型の鷺が乗るものだから高いところの枝が揺れているのでわかりますよ。
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