1月24日の日曜日、ミモロは昨年申し込んだ「まいまい京都」の「能楽体験ツアー能楽」に参加するため、御池通の北側、押小路通沿いにある「大江能楽堂」に向かいました。
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緊急事態宣言が発令されていますが、密にならないように、またお話しないように注意し、コロナ対策を心掛けた講座開催になりました。
「あの~ミモロと申します」と、講座への参加料4000円を係の方に納め、館内へ。まずは、アルコール消毒と検温を行います。
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「今日はよろしくお願いします」とご挨拶。講座の資料を頂戴します。「あの~講座にあうように袴姿で来ました~」とミモロ。
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「バッチリですね~完璧です」と、能楽師の方に褒められて、「よかった~着てきて~」とホッとした様子。
「はい、最後の申し込みの方到着しました~」との声。「え?ミモロ最後だったんだ~」遅刻ではありませんが、スタート時間ギリギリでした。
急いで客席に廊下を進みます。
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客席には、参加者が距離を空けて座っていました。ミモロは、なんと空いていた一番前の席に…。着席すると、すぐに講座がスタートです。
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この「大江能楽堂能楽体験鑑賞講座」は、修学旅行生をはじめ、一般の人でも申し込めるものだそう。能楽についていろいろ教えてくださるのは、大江能楽堂理事長の大江信行さん。観世流大江家の八世でもある能楽師です。
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最初に、能楽堂のお話…「この建物は、明治41年に創建し、大正8年に現在の規模に改築しました。戦時中に御池通の拡張のため、強制疎開で楽屋と住居部分が取り壊されました。いよいよ舞台が取り壊される日…その日は作業が午後に遅れ、なんとそのお昼に終戦となり、ギリギリ幸運にも取り壊されることを免れたのです。ですから、この舞台はできた時の姿ですが、さすがに老朽化が進み、平成13年に基礎部分の大改修を行い、また1階の一部を椅子席などにもしました」とのお話。軽妙でわかりやすい大江さんの語りに、引き込まれるミモロです。
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舞台のお話もいろいろ…
「ここの舞台は、黒っぽい色をしています。舞台自体は、松材で、橋がかりという役者が登場する部分は、ヒノキ材でできています。なんでも当時、ヒノキ材がすごく高くて、松を使ったとか…それで色が違うので、上には漆をかけて同じようにしています。でも、舞台中央は、演者が一番動く場所なので、漆がしだいに剥げて白っぽくなってしまいました」
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「ホントだ~色が違う…みんな熱心に演じるから削られちゃったんだね~」とミモロ。
また、ミモロが興味を抱いたお話は、舞台の傾斜のこと…
「能舞台は、一番客席に近い目付柱に向かって微妙に傾斜しています。玉を転がすと、目付柱の方向に動きますよ。それは、演者の足もとが客席からよく見えるようにという工夫です」と。「え~知らなかった~」とミモロは目を丸くします。
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「また、橋がかりも、舞台から揚幕に向かって、幾分低くなっています。さらにそばに置かれた松も、舞台近くの松から奥に行くごとに、高さが低くなっています。これは、遠近法の利用で、いっそう奥行きと距離を演出する工夫ですね~」と。さらに知らないことが…
他にもいろいろ興味深いお話が続きます。ここでは書ききれないので、興味のある方は、ぜひ体験講座に参加しましょう。
さて、しばらく座っていた参加者は、「では、館内のご案内をします。どうぞ2階へ」との大江さんの声で、2階に移動します。
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「わ~舞台がよく見える~」と身を乗り出すミモロ。
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大江能楽堂の収容人数は400名。今は椅子席もありますが、昔は全部、お相撲のように桟敷席でした。そこで、やはりお相撲のように飲み食いをしながら、能を楽しんだそう。「昔の人って、能楽の言葉、全部わかってたのかな?」と思うミモロの疑問にも、「今の人以上に、よくわからなかったと思います。でもそれでも楽しみなことだったんですよ」と大江さん。
そもそも能楽は、今はちょっと敷居が高い古典芸能というイメージですが、能が観阿弥・世阿弥親子によって大成した室町時代以降、多くの人々に愛され続けたのは、時代を超えた人間の本質に迫る物語や日常を忘れる世界観があったからでは…。
その昔は、能楽は屋外で行われたもの。やはり国技館などで開催される相撲と同じく、建物の中でも屋根があるのはその名残り。ともにかつては屋外で行われたものですから…。能舞台の背景の松も、自然を表しているのだそう。歌舞伎のように舞台転換はなく、能楽は舞台背景はいつも松です。
そこでも物語でシーンの変化を想像できるのが、能楽の奥深さ…。
2階から次は、普通は見られない舞台裏へ。
舞台に進む橋ががりの手前の揚幕の奥には、鏡の間があります。「ここで、舞台に上がる前に演者が心を整えたり、最終チェックする場所だね~」とミモロも鏡の前に座りました。
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そして、舞台の状況を御簾のかげから確認し、いよいよ揚幕を上げて、舞台へと進むことになるのです。
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「ドキドキしちゃう~」と、すっかり演者になった心境に…揚幕の隙間から舞台を覗くミモロです。
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「はい、次は舞台の反対側に移動します~」と、そこから舞台裏の楽屋の廊下を通り、舞台の反対側の「切戸口」へ。
ここは、囃子方などが出入りする場所。茶席の躙り口のように小さな出入口で、舞台に敬意を表し、頭を下げて入るのだそう。
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ミモロは、小さいので、そのままで舞台に上げれますが…。「ここから見る舞台と客席って、なんか緊張するね~」と。すっかり舞台の雰囲気に引き込まれています。
初めて見学した能舞台の舞台裏…。ますます能楽への興味を抱くミモロです。
「では、次は能衣装などのお話をします。みなさん、もとの席に戻ってください~」と大江さんの声に、ミモロは、ハッと我に返り、急いで客席に戻りました。
*「大江能楽堂」の詳しい情報はホームページで
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